top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

企業も世界一「長寿大国」のニッポン。100年以上の歴史がある会社は3万3,000社以上も【国際金融ストラテジストが解説】

幻冬舎ゴールドオンライン

第1世代は、出身国や地域の中で成功を収めて富を築いたケースが多いのですが、第2世代、第3世代になると、国外での留学や就学の機会を与えられ、国や地域にとらわれずに学び、生活も営むようになり、結果として海外に出て事業などを立ち上げるケースが増えています。

特に、ミレニアル世代(1980年から1995年の間に生まれた世代)の富裕層の承継者は、成長に伴って起業家精神が高まり、投資とともに新しい事業を立ち上げる傾向が強く見られます。

最近の中華圏富裕層ファミリーでは、「2世」といわれる創業者の次の世代の80%が「ファミリービジネスを承継したいと思っていない」という調査結果も出ています。

多くの「2世」たちは欧米での勉強の機会を与えられることが多く、そこで西洋的な考え方を身につけ、結果として自分の力で欧米の企業に勤務したり、起業したりする機会を見つけたりして、ファミリービジネスからむしろ遠ざかってしまうのです。

ファミリービジネス承継を望まない、現代的な2世の姿

『クレイジー・リッチ!』(原題:“Crazy Rich Asians”)という、シンガポール中華系大富豪を題材にした映画があります。

広告の後にも続きます

この映画に登場するシンガポール中華系大富豪の御曹司は、ニューヨークに留学し、そこでアメリカのライフスタイルやビジネススタイルに惹かれ、ファミリービジネスには戻らないと言い始めて、ファミリー内でのドタバタ劇が展開されるというストーリーです。

この映画では、息子に事業を承継して欲しい家族や家長と、ファミリービジネスには縛られずに自分の道を進もうとする次世代との葛藤が描かれていました。

富裕層ファミリーは子どもの教育に熱心で、教育には投資を惜しみません。創業者は不幸にして学業を諦めた人も多く、教育を一番の子どもへの投資と考える傾向が強く出ています。

少しでも幅広い経験を積ませようと、早くに国外に出して教育を受けさせようとする傾向もあります。

一方で、より国際的な環境や多様性に触れ、合理的な発想に慣れ親しむ機会を得た次世代は、先代とは異なる発想や考え方をするようになります。

「次世代」にとっては、先代には敬意を払いながらも別のビジネス機会への憧れを抱くようになり、世代間のギャップを生じさせるという結果に陥ることも多いようです。

筆者は、アジアにあるボーディングスクール(全寮制の学校)を訪問して、実情を見たことがあります。そこに集まるアジアの富裕層の子息の数には、大変驚きました。

日本人の子息は少数ですが、中国人は華僑系も多くいますし、中国本土から来た子息がやはり多数を占めます。まだ、あどけなさの残る小学生でも、寮生活をするという現実は複雑な思いを持ちましたが、それだけ本当に教育への関心が高いことには感心しました。

十数年後には、彼らもまた承継・後継問題の渦中にいることになるのでしょう。

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO 国際金融ストラテジスト

  • 1
  • 2

TOPICS

ジャンル