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「被害者の恨みや心の痛みは簡単にはぬぐえない」戦争で父を失った男の痛切な思い

幻冬舎ゴールドライフオンライン

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※本記事は、喜平司氏の書籍『嗚呼、人とは⋯ ―せめて志は高く堅く―』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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戦争の原因

戦争は勝敗のいかんにかかわらず不平等発生の原点であると同時に、事の始まりから戦時中は勿論のこと戦後においてさえ優勝劣敗・悪意の支配する暗い時代であることが透けて見える。

又先の戦死者は軍二三〇万、民間人八〇万、アジア全体では二二〇〇万~三二〇〇万ともいわれている。特に経済発展の遅れた中国や東南アジアの人々にとって、大黒柱の死は長きにわたる経済的困窮を招き、父の不在はその子の性格形成に影響を与え、その結果その孫も影響を受ける。両親ともに殺されたとなると尚更の事だろう。被害者の恨みや心の痛みは簡単にはぬぐえない。経験しなければ理解し得ない事だ。

この稿を出稿しようとしたそもそもの動機は、父の戦死による困窮に対する謂れのない流言から発せられた事による。このように私の人生を顧みても、戦争が当事者(双方の遺族)にとって過去完了の出来事になるには一世紀一〇〇年が必要である。

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加害者たる日本の政治家は戦後一〇〇年をもって一区切りとすべきであろう。このように考えてくると違いこそそして矛盾こそが、新しいものを創造する原動力になることを考えれば、あらゆる意味で多様性即ち個が尊重される国柄にする必要を感じる。それは他者を思いやる気持ちに繋がるであろう。

又一朝事が起きても付和雷同すること無く、その真実がどこにあるかを見極める姿勢を堅持し、疑問に感じた時は「それで本当にいいんだろうか」の一言を言う勇気が必要だろう。そしてその言葉の持つ意味を皆で真剣に話し合う成熟度の高い社会を作り上げていく必要性も感じる。自分の所属する地域又はグループや会社で良心足らんとすることも必要であると思う。あの人の意見を聞いてみようと思われる人足らんことを。

更に言えば組織は大きくなればなるほど例えば会社であれば利益追求が自己目的化してくる。軍隊であれば戦いに勝つことが目標となり国民を守る本来の目的さえ放棄され、時には自分の所属する組織や組織に属する人のみを守ることになる。組織に良心は無い。組織としての三角錐が揺れ始めた時、分銅の役割を担える人即ち組織の良心が必要である。

加えて為政者の言動や言論の自由を束縛するような政策を持つ政党には特に注意を払い、選挙を疎かにしないことは極めて重要である。あのヒットラーも合法的に選挙で権力を得たのだから。これらのことを一人一人が考え実行する草の根の力こそが戦争抑止の大きな力となると思う。

その草の根による反戦の機運を盛り上げるにはデーターが必要不可欠である。データーなくして物事は動かない。切実感も生まれない。これは私が仕事で得た経験則でもある。今に見るコロナ禍はそれをよく示している。

この稿を書いている令和三年一月八日現在、全世界の感染者は八八〇六万四〇九人。死者一八九万八七五五名。日本の感染者二七万三一五四名。死者三九三二名。当然のこと国別にわかる。日々に変わるデーターが人々に新型コロナの脅威に切実感を与え、対策の原動力になっていることは論を俟たない。

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