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羊から産まれた羊ではない“アダちゃん”、子役10人で演じていた!『LAMB/ラム』監督インタビュー

シネマトゥデイ

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ちょっと不気味だけど可愛いアダちゃん – (C) 2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON

 第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門で「Prize of Originality」を受賞し、『へレディタリー/継承』『ミッドサマー』などの気鋭スタジオ・A24が北米配給権を獲得した映画『LAMB/ラム』(全国公開中)。本作で長編デビューを果たしたヴァルディマル・ヨハンソン監督がリモートインタビューに応じ、宣伝キャラクターとしても話題の“アダちゃん”の製作裏話を語った。

 『LAMB/ラム』は、アイスランドの人里離れた田舎を舞台に、羊から産まれた羊ではない“何か”が、羊飼いのマリア(ノオミ・ラパス)とその夫イングヴァル(ヒルミル・スナイル・グズナソン)にもたらす破滅を描いたスリラー。娘を亡くした二人は、異形の存在に“アダ”と名づけ、本当の家族のように愛情を込めて育てていく。

 初長編映画で監督・脚本を兼任したヨハンソン監督は、 2013年から2015年にかけて、ボスニア・ヘルツェゴビナで開講された巨匠タル・ベーラ監督による映画製作の博士課程へ在籍。本作の企画は、メンターであるベーラ監督の助言も反映されているという。「ベーラ監督からは多くのアドバイスをいただきました。彼の作品からも影響を受けましたし、何度も観返しています。全てのプロセスにおいて、彼の助言は役に立ちました」

 在籍中はベーラ監督だけでなく、女優のティルダ・スウィントン、『エレファント』などで知られるガス・ヴァン・サント監督、タイの鬼才アピチャッポン・ウィーラセタクン監督ら著名な映画人からも指導を受けている。「彼らとの出会いで映画に対する視点が変わりました。それぞれ異なるメソッドを持っていますが、『心に従って、己の映画製作を貫け』と共通の言葉をいただきました。彼らの下で学べたことも、本作では強みになっています」

(C) 2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON

 アイスランドの田舎で生を受けたアダは、人間の家族に自然と溶け込み、人間のように扱われていく。そのビジュアルは羊のような可愛らしさもあり、どこか不気味さも漂う。ヨハンソン監督は、自身がスケッチブックに書き留めた複数のイメージから構築していったそうで、「複数のプロセスを経て、デザインを固めました。あのビジュアルは最初に私の頭の中に浮かんだものと全く同じで、特別変更するようなことはありませんでした」とアダの誕生を振り返る。

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 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や「ゲーム・オブ・スローンズ」など、数々の映画&テレビシリーズで美術や特殊効果を担当した経歴を持つ監督は、その経験を活かしてアダを撮影。「パペットはもちろんですが、10人の子役と4匹の羊を実際にセットに呼んで、撮影しています。長い時間をかけて動きなどを修正しなければならなかったのですが、役者たちはとても忍耐強く、素晴らしい演技を披露してくれました」とできるだけ実写にこだわったと明かした。

 下積み時代を含めると、20年以上のキャリアを持つヨハンソン監督。業界のほぼ全ての部門を経験してきた監督は、「映画監督の道を歩むためには、忍耐力が重要です。時間はかかるものです」とこれまでの道のりを振り返ると、「(監督を目指す)若い人たちには、自分が本当にやりたいことを明確にしてほしい。はっきりとしたビジョンがあれば、私のようにいつか必ず実現します」と未来を担う監督たちにエールを送っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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