近年、次々と製作されている「スター・ウォーズ」シリーズのオリジナルドラマの第4弾が誕生。これまでオリジナルドラマでは「マンダロリアン」「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」「オビ=ワン・ケノービ」と、マニアが歓喜した渋めのキャラから、王道キャラまで主人公に据えられてきたが、今回描かれるのはこれまた渋めな主人公の物語「キャシアン・アンドー」。9月21日に第1話が配信されると、スター・ウォーズファンを中心に「大人なスター・ウォーズ」「雰囲気がこれまでのSWシリーズと違う」「新たなスター・ウォーズの世界観」といった声がネット上に散見され、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ/日本語版の声:加瀬康之)の生き様を丁寧に描く物語への期待値の高さが感じられた。(以下、ネタバレを含みます)
■「ローグ・ワン」のキャシアン・アンドーが主人公
同作は、帝国軍が銀河を支配する暗黒の時代を舞台に、これまで「スター・ウォーズ」の歴史において常に要となる存在であった反乱軍の誕生が描かれる物語。9月21日に第1〜3話まで一挙配信され、9月28日からは毎週木曜に1話ずつ、ディズニープラスにて独占配信されていく。
強大な帝国軍とそれに立ち向かう反乱軍の戦いを描いた壮大な「スター・ウォーズ」シリーズは、1977年に誕生した第1作「スター・ウォーズ/新たなる希望」を含む「旧三部作(エピソード4〜6)」、「新三部作(エピソード1〜3)」、「続三部作(エピソード7〜9)」、そしてアンソロジー(スピンオフ・外伝的作品)映画と連なり、今作の主人公・キャシアンは2016年公開のアンソロジー映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の登場人物だ。
そもそも「ローグ・ワン」は、1作目の「エピソード4/新たなる希望」でレイア姫が切り札として入手した帝国軍の究極兵器“デス・スター”の設計図を反乱軍がいかにして奪ったかを描いた物語で、キャシアンは主人公のジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)をミッションに導く反乱軍の情報将校として登場。キャシアンはやんちゃな女性戦士・ジンの監視役として彼女と共に行動し、“名もなき戦士”の1人として設計図を確実に盗むために大きな役割を果たした。
この「ローグ・ワン」の中で、彼の生い立ちが少しだけ語られていた。幼い頃に父親を亡くし、6歳から反乱軍に参加。そして、反乱軍のためにスパイや破壊工作・暗殺などに手を染めてきた、と。
■因縁を付けられ番兵を射殺
今回のドラマは、そんなキャシアンが歩んできた道と、反乱軍誕生の秘話が描かれる。ドラマの舞台は、映画「ローグ・ワン」の5年前にあたるBBY5(年号)。帝国軍による恐怖と陰謀が渦巻く時代の中で、彼はある目的のために帝国の企業区域「モーラーナ1」に向かっていた。
キャシアンは自分と同じ惑星出身の女性を捜して飲み屋に立ち寄るが、そこで企業の番兵に目をつけられる。そして、人気のない帰り道でこの番兵2人にケンカを売られ、1人が事故死してしまったことから、仕方なく、もう1人も射殺するはめに。すでに反乱軍のスパイであるはずのキャシアンは、捕まらないためにモーラーナ星系から逃げようとするが、帝国軍の支配下では惑星間を渡航することが容易ではなく苦戦。時を同じくして、企業保安部の正義感が強過ぎる捜査官がこの殺人事件を担当したことから、キャシアンは執拗(しつよう)に追われる身となる。
また、ドラマでは彼が家族と共に生活していた少年期も描かれていく。ほぼ砂漠のモーラーナの街とは似ても似つかぬ緑豊かな土地で、仲間と共に過ごしている幼きキャシアン。彼らの生活はとても豊かに見えるが、この先、悲劇に見舞われるのだろう。そこから現代までに何があり、どう生き延びてきたのか。そして、「ローグ・ワン」で命懸けのミッションにも怯まずに挑んだ彼の核を、何が形成していったのかが分かるはずだ。
「スター・ウォーズ」のオリジナルドラマの最大の魅力は、登場する1人1人にドラマがあり、1人1人が主役であることを、作品をもって証明してくれるところにあるように思う。今回の「キャシアン・アンドー」もアンソロジー映画の1人に光を当て、彼の人生を丁寧に描いていく。「スター・ウォーズ」ユニバースの新たな1ピースを担うことになるキャシアンの生き様を、ぜひ目撃してほしい。
◆文=及川静
<スター・ウォーズ>最新作が配信開始 主人公キャシアンの生き様を丁寧に描く物語に好感
2022年9月23日