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好スタートをきった『沈黙のパレード』 『ガリレオ』シリーズ映画版の勝因

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『沈黙のパレード』©︎2022「沈黙のパレード」製作委員会

 先週末の動員ランキングは、『ONE PIECE FILM RED』が9月17日から始まった入場者プレゼント第4弾によるブーストもあって、前週の土日2日間成績を上回る動員41万2000人、興収5億8100万円をあげて7週連続で1位。9月21日(水)には、公開46日目となる9月20日(火)までに興収150億円を突破したことが発表された。

参考:映画館に行っても観たい作品がない! 空前の「洋画枯れ」は来年以降も続く

 そんな止まることを知らない『ONE PIECE FILM RED』旋風に阻まれて初登場1位こそ逃したものの、2位に初登場した『沈黙のパレード』の先週末の動員28万1000人、興収4億700万円という数字もかなりの高記録。祝日と重なった初日含むオープニング4日間の動員は49万3000人、興収は6億9600万円となった。

 2008年10月公開の『容疑者Xの献身』、2013年6月公開の『真夏の方程式』に続く、『ガリレオ』シリーズの映画版としては3作目となる『沈黙のパレード』。初週土日2日間の成績で比較すると、同期間で興収5億4400万円を稼いだ『容疑者Xの献身』の78%、興収4億6500万を稼いだ『真夏の方程式』の88%。映画版の1作目から14年の年月が経過していることをふまえれば、その根強い人気を証明したと言っていいだろう。

 原作の東野圭吾、監督の西谷弘、脚本の福田靖、そして主演の福山雅治と、3作続いて不動の布陣で「勝利の方程式」を導いてきた『ガリレオ』シリーズの映画版。本コラムはあくまでも興行分析に特化したもので、作品評価にはできるだけ踏み込まないようにしているのだが、これまでの2作品、とりわけ前作『真夏の方程式』をテレビドラマの映画版として出色の作品だったと高く評価する立場としては、今回の『沈黙のパレード』は推理ものとしての精度においても、感情的な高まりにおいても、少々物足りないというのが正直なところ。とはいえ、今回もテレビドラマ初放送から数えて15年来のファンの期待には十分に応える仕上がりで、日本の映画界において数少ない良質なシリーズ作品としての足場をさらに固めたかたちだ。

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 今作は東野圭吾のシリーズ最新刊の刊行(2018年10月)を待って、そこから必然的に立ち上がった企画。1作目と2作目のインターバルは5年。2作目と3作目のインターバルは9年。ヒットシリーズといえども粗製濫造はせず、関係者及び主要スタッフ全員が納得するかたちでじっくりと育ててきたことが、『ガリレオ』シリーズ映画版の勝因だ。そしてもう一つ、長寿シリーズでありながら役者の加齢問題などものともしない、福山雅治の驚異的な「変わらなさ」も重要なファクターであることも付け加える必要があるだろう。(宇野維正)

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