小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第36回「武士の鑑(かがみ)」が9月18日に放送された。時政(坂東彌十郎)との対立で、謀反人とされてしまった畠山重忠(中川大志)。畠山一族を滅ぼそうとする一方的な動きが高まり、義時(小栗旬)が納得しないまま戦が始まってしまった。心から憎しみ合う者同士ではない、という視聴者にとって心苦しい展開になったが、中川と小栗の迫真の演技を絶賛する声が集まっている。(以下、ネタバレが含まれます)
■重忠が悲痛な叫び「戦など誰がしたいと思うか」
三谷幸喜が脚本を務める「鎌倉殿の13人」は、源頼朝に全てを学び、武士の世を盤石にした男・北条義時(小栗)と、彼を中心に鎌倉幕府将軍“鎌倉殿”を支えた13人の家臣団の生きざまを描く物語。SNS人気も高く、毎週放送後にTwitterのトレンドランキングは1位を獲得するほか、数多く関連ワードが並ぶ。
今回描かれたのは、畠山重忠の乱。「今の鎌倉は北条のやりたい放題」と嘆いた重忠は、義盛(横田栄司)の前で歯を食いしばり「戦など誰がしたいと思うかー!」と声を振り絞った。畠山の名を歴史に刻むべく、後世に恥じないよう選んだ、誇り高き武士の叫びであった。
一方、戦の準備を済ませ、出陣を前にした義時は、泰時(坂口健太郎)に「父上は怖くないのですか」と問われ「敵は畠山重忠だぞ。怖くないわけないだろ」と答えて、小便を漏らしたという冗談を飛ばした。しかし、笑っていられるのはそこまでであった。
■重忠の馬に飛びかかった義時
畠山が攻めてくるという報せを受けた実朝(柿澤勇人)に、八田知家(市原隼人)は「この戦、どう転ぶかわかりませんね」とつぶやいた。戦場で重忠は、北条と三浦の勢を見ても怯むことなく果敢に攻めていった。重忠の目にはもはや義時しか映っていないような鬼気迫る対面がいよいよ訪れる。
一騎打ちで斬り合った2人。刀は宙に舞い、義時は重忠の馬に飛びかかっていった。周りに集まる大勢の武士たちを義村(山本耕史)は「誰も手を出してはならぬ」と制した。
■最期まで信念を貫いた重忠に視聴者「気高い男!」
まさに重忠と義時のタイマン勝負。今作においても、ここまで殴り合う描写は初めてだ。刀で斬り合い、弓で打つといった戦いは現代人にとってどこか遠い時代の出来事のように感じるが、今回2人が自身の思いを込めてボコボコに殴り合う様子は、血の通った人間同士の魂がぶつかり合う壮絶なシーンであった。白目をむいて死にかけた義時にとどめを刺すことは選ばなかった重忠。戦を終えた義時が、時政に最大級の憎しみをぶつけ、今後は政子(小池栄子)と政を仕切っていくことを決意するのであった。
視聴者からは「畠山重忠の男気に号泣しました」「中川大志くんが重忠で本当に良かった、おつかれさま!ありがとう」「理不尽な時代に気高く強かった男だった!」と重忠本人と演じた中川を労う言葉が相次いだ。
中川大志“畠山重忠”と小栗旬“義時”、“戦を望まぬ者同士”が殴り合いの死闘<鎌倉殿の13人>
2022年9月21日