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青木さやか、新作エッセイで思春期の娘とのおかしくも愛しい日常を描く【連載「娘とわたし」 #1】

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青木さやか、新作エッセイで思春期の娘とのおかしくも愛しい日常を描く【連載「娘とわたし」 #1】

タレント・女優として活躍し、昨年は初のエッセイ集『母』が話題となった青木さやか。『母』に描いた自身の母との関係に悩んだ過去を乗り越え、現在は中学生になった娘を育てるシングルマザーである。今月より、最愛の娘との関係を見つめる新連載がスタートする。第1回は、思春期に入った娘との日常のエピソード。

■中学生になった娘とわたし
「あのね」
「なに?ママ」
「あなたとのことをね、エッセイ書いてほしいと言っていただいて」
「えー」
「ですよね。だけどさ、ほら、頑張って親子で稼ごうよ。このまま大学までいくかもしれないし、頑張ろう!はははは」
「いいよ」
「いいの?」
「十分の三ね」
「なにが?」
「お金」
「え、わたしが書いて、いただくギャラの十分の三を?あなたに?」
「そう」
「、、、」
「なに?ママ」
「いや、なんか、凄い話してるなと思って。中学生と。いいのかしら、これは教育上。ははは」
「十分の三ね」
「多くない?」
「いいよママ。じゃあ。十分の二にしてあげる」
「十分の二、というのはもう少し小さくなるよね」
「は?」
「十分の二、というのは、五分の?」
「え、いま、勉強?」
「交渉と、勉強を同時にしてるわけ。一石二鳥ですよママ得意の。一石で何鳥もいきたいけどね」
「知らないけど」
「で、五分の?」
「やるんだ」
「やりますよ、もちろん」
「五分の、いち?」
「正解!いいね!」
「じゃあ、それで」

「待って。わたしの原稿料は、会社に5割入るわけ、そしてわたしに5割ね。折半。で、わたしに入った原稿料からの五分の一をあなたに渡すということなのだが。本来の原稿料からだと、あなたにお渡しするのは何分のなに、になるかわかる?」
「意味わからん」
「わかって」
「わからん」
「だから、ほら、難問だよ、これが解けたら算数が、スゴイよ」
「数学ね」
「数学」
「ママ」
「なに?」
「もう、この話、やめていい?」
「はい、わかりました」

娘は中学生になった。

中学生になると変わるよ、と周りから聞いてはいたが、うちの娘に限って、こんなに幼いママ大好きの子が、反抗期などあるのかな、と聞き流していた。しかし御多分に洩れず、小学生とは違うのだ、お姉さんになった。

ママより友達を優先することが増えてきた。友達と話しているときにわたしが入っていくと、友達と目配せしながらため息をつかれたりする日には、あんたなんなのよ、わたしは早朝から起きて朝ごはんを作りお弁当を作り、なんなら駅まで朝の6時台に送らされ、助手席ではご機嫌がよくない様子、「あと何分?急いで、はるか待ってるから」とアゴで使われているというのに。

悔しいです!

大声で叫びたい気分の朝であります。

ふう、とため息をついて駅から家へと帰る。まだ朝の7時。二度寝するにはカラダが起きすぎているので、毎朝のルーティンとなった掃除、どこかの断捨離、おっぽ(愛犬)の散歩、よし一息つきますか、となるともう舞台の仕事に行く時間である。初台の新国立劇場ではいま(2022年6月)、相葉雅紀くん主演「ようこそミナト先生」の本番中だ。舞台の上で相葉くんをみる時間が癒しの時間。彼のキャパの大きさは伊達にスターじゃないよね、と思う包容力があって安心感をくれる。まあ、ただのファンなわけ。

仕事が終われば現実が待っていて、いつぶつけたかわからないアザがあるし、疲労が半端ない。

しかし帰る。

怪獣が待っている。

間違えた、最愛の娘が待っている。

急げ急げ。玄関を開けるときには、ご機嫌でいこうと顔と息を整える。

「ただいまー」
「ただいまー」

白いスニーカーがあるから帰ってるはずの娘。リビングに入ると寝転がりながら携帯をさわっている。

「ただいま!」
「ママ、遅い、おなか、すいた」
「おかえりは?」
「おなか、すいた」
「おかえりは?おかえりを言ったら、やります」
「おなか、すいた、おかえり」

我ながら何の戦いなんだ!

10分でお肉入りスープ、ほうれん草のおひたし、納豆、ごはんを準備する。

「ほら、運んでください」
「全身が痛いの、むり」

バスケ部に入った娘は全身筋肉痛らしい。

「ママも全身が痛いの」
「えっ」
「そうなの、ママも、よろしくね」
「そうなんだ、じゃあ」
「うん」
「じゃあ、おそろっちじゃん!」
「え?」
「おそろっち!ママとおそろっち!」
「は、はい」

可愛い。

そして、いそいそと、わたしはテーブルに娘の夕飯を運ぶのであった。

だめだこりゃ!

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