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トランスジェンダーを悩ませるトイレ問題…男性用・女性用どちらを使えばいい?:チェイサーゲーム

テレ東プラス

ゲーム開発会社を舞台に夢・苦労・葛藤を描く木ドラ24「チェイサーゲーム」(毎週木曜深夜0時30分放送/テレビ東京系)。主人公・新堂龍也(渡邊圭祐)の会社で働くことになったトランスジェンダーのインターン生・渡邊凛役を、実際にトランスジェンダーの俳優・若林佑真さんが演じている。第3話では、会社の人々が凛との接し方に戸惑う姿や、凛が周囲に感じている違和感がリアルに描かれる。その光景は、現実の日常に起こっていることでもある。


女性として生まれ性自認は男性という若林さんは、本作のトランスジェンダーに関する描写の監修も担当。若林さんに、自身の体験談などを語ってもらいました。

トランスジェンダーを悩ませるトイレ問題


――今回、第3話の監修もされたそうですが、ドラマ制作にあたり、若林さんからはどのような提案をしたのですか?

「脚本の最初の段階では、トランスジェンダー男性の説明が『体の性別が女性で”心”が男性』で”反対の性を生きたい人”というニュアンスでした。より正確な表現は”心”ではなく”性自認”で、『割り当てられた性別が女性で、”性自認”が男性』となります。

以前は『性同一性障害』と言ってましたが、今は『性別違和』に変わっています。『性同一性障害』は”反対の性別を生きたい”という意味合いが強かったですが、今は”生まれ持った性に違和感を持っている”というところに着目されているんです。そこはアップデートしたいと思い、表現について提案しました」

木ドラ24「チェイサーゲーム」より

――第3話では、凛が男性用・女性用しかない会社のトイレを使えず、誰でも使える近くのコンビニのトイレを使っていることが分かり、凛の生きづらさが垣間見えます。若林さんの実体験も取り入れられているんですか?

「女性トイレを使うか男性トイレを使うかで悩むのは、僕も経験したことです。18歳の時にカミングアウトして20歳からホルモン注射を始めてから見た目が男性化していきましたが、この2年間はトイレの問題が一番大変でした。周りに『僕はトランスジェンダーで性自認は男性』だと言っているのに、見た目はボーイッシュな女性にしか見えない。だから、男女どちらのトイレに入っていいのか分からなくて」

――男性トイレでも女性トイレでも、入った時に周りの人に驚かれてしまう、と。

「そうなんですよ。男女2人の友達とショッピングセンターに行った時に、多目的トイレがなく、男女別のトイレだけで。友達はそれぞれ男性トイレと女性トイレに入ったけど、僕はどっちに入ればいいのか? 2人は僕がトランスジェンダーだと知っているけど、女友達と女性トイレで顔を合わせるのは気まずい。かといって、男性トイレに入れば、知らない人に『女の子が入ってきた』と見られてしまう。考えた結果、ショッピングセンターから出て、近くのコンビニのトイレに駆け込みました」

――シスジェンダー(生まれた性別と性自認が一致している人)が当たり前にしていることができない不自由さがあるんですね。

「見た目が男性化してからも、トイレ問題では困ったことがありました。ある会社で打合せしている時にトイレを借りようとしたら、『女子トイレを使ってね』と。僕がトランスジェンダーだと理解して応援してくれている人でしたが、『体は女子なのに、男子トイレに入るのはどうなんだろう』と思ったみたいで。その時ヒゲも生えていたので、『女子トイレに入って他の女性に怖い思いをさせてしまうのは嫌だから』と説明したら納得してくれて、男性トイレをお借りしました」



最初のカミングアウト

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――若林さんは、大学生の時、親友にトランスジェンダー男性だと最初のカミングアウトをしたそうですね。その方が自然に受け止めてくれたことは、若林さんにとって大きかったですか?

「めちゃくちゃ大きかったです。親友には『どうでもいい』と言われました。僕からしたら、怖くて仕方なかった。親友との時間が大切で大好きだったけど、カミングアウトすることで失ってしまうかもしれない。覚悟して話したことではあるけど、『ああ、そうなん?』くらいで受け取ってくれたことはうれしかったし、ありがたかったです。

トランスジェンダー当事者が生きたいように生きられるかは、周りの理解度によって大きく変わってくると僕は思っています。ジェンダー関係なく、親や周りの人に理解してもらえなくて、やりたいことができないことってありますよね。自分の好きなこと、やりたいことを追求しようとした時に、周りが理解して応援してくれるかが大事なんだと思うんです」

――親友からの反応が違っていたら、若林さんの人生も変わっていた?

「もうカミングアウトできなかったでしょうね。人前に出て活動しようとも思わなかっただろうし、誰にも言わずに過ごしていたかもしれない。その親友に最初にカミングアウトしてよかったと思いますし、今でも感謝しています。

その後、カミングアウトした相手の中には『なんであなたがそんな目に…』みたいに言われたり、泣いてくれた子もいて。ただ、僕としては、かわいそうと思われたことの方が、悲しかったですね。中でも違和感があったのは、初対面でカミングアウトした際に、『偏見ないよ』と言われた時。相手は好意的に言ってくれていることはもちろん分かるんですが、逆に『偏見を持たれるべき人間なんだ』と言われているみたいに思えてしまって。しかも、『そういう友達が他にもいるから』と言われると、その友達と僕は違う人間だし、それを根拠に偏見がないと言われてもな…と思いましたね」

若林さんは、親友へのカミングアウトの後、家族にも打ち明けることに。その時、家族はどんな反応を? この続きは、明日公開の【後編】で!

(取材・文/伊沢晶子)

木ドラ24「チェイサーゲーム」第3話は?

第3話「最初から完成された会社なんてない」
インターンとして一緒に働く事になった美羽(宮﨑優)と凛(若林佑真)。早速企画会議に参加してもらうことになったが、チームメンバーに凛がトランスジェンダーであることを話せていない龍也(渡邊圭祐)は、会議での木本(バッファロー吾郎A)の発言にハラハラしてしまう。そんな時、トイレに行くと言っていた凛がコンビニにいたという情報が。龍也が事情を聞くと思いもよらない回答が…。そして、2回目の企画会議の日、木本の声かけで集まったチームメンバー以外の社員がいる中、凛は自分がトランスジェンダーであることを話す。

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