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世界最古、3億8000年前の心臓の化石を発見。進化の歴史を紐解くヒントに

カラパイア


 オーストラリアの堆積物の中から、これまでで最古となる、保存状態の良い魚の心臓の化石が発見された。

 心臓はデボン紀(4億19200万年~3億5890万年前)に生息した「節頸目」の魚のもので、それまでアゴのある魚(顎口類)では最古とされた心臓より2億5000万年も古い。

 これほど古いにもかかわらず、S字で2室ある心臓には古代の魚と現代のサメとの類似性を見てとれるという。

 アゴのない脊椎動物からアゴのある脊椎動物とへいたった進化をひもとくヒントになると考えられている。

 この研究は『Science』(2022年9月15日付)に掲載された。

心臓の位置が現代のサメと同じ

 太古の魚の心臓の化石は2008年、西オーストラリア州の「ゴーゴー累層」で発掘された。

 この地層には古生代デボン紀の岩礁生物の化石が豊富に残されており、歯の起源やヒレから手足への遷移など、進化について貴重な手がかりが発見されてきたところだ。

 オーストラリア、カーティン大学の脊椎動物古生物学者ケイト・トリナジスティック教授は、「進化は少しずつ起きるものというイメージがありますが、古代の化石はアゴのない脊椎動物からある脊椎動物との間で大きな飛躍があったことを示しています」と語る。

 彼女によると、この魚の心臓は口の中の、ちょうどエラの下あたりにあるという。これは現代のサメと同じだ。

 心臓の位置をピタリと正確に把握できたのは、胃・腸・肝臓といったほかの内臓まできれいに保存されているからだ。

 「心臓などの臓器が美しく立体的に保存されていたのですから、その驚きたるや言葉では表せません」と、トリナジスティック教授は言う。

A 380-million-year-old heart—the oldest ever found—discovered

 古代の魚の心臓を観察できたのは、保存状態が優れていただけでなく、最新のスキャン技術の恩恵でもある。

 スウェーデン、ウプサラ大学のペル・アールバーグ教授によると、「軟組織の化石のほとんどは真っ平らで、岩のシミのようにしか見えない」のだという。

 だが、現代のスキャン技術のおかげで、壊れやすい軟組織を傷つけることなく研究できるようになった。

 例えば、中性子ビームやX線マイクロトモグラフィで、物体の断面を撮影し、これをもとに3Dモデルを作り上げることができる。

 それがどうしたと思う人もいるかもしれない。そうした人は、アールバーグ教授の次の指摘について考えてみるといい。

 「生命とは、もっとも基本的なレベルでは進化する系です」

 私たち自身を含め、この地球で生きるあらゆる生命は共通祖先から発達した。これは私たちの存在についてのもっとも深淵な真実であると、教授は言う。

 すなわち、私たちは皆、文字通り親戚なのだ。

References:New Curtin-led research discovers the heart o | EurekAlert! / written by hiroching / edited by / parumo

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