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「欧州債務危機」再来か…緊縮財政国と過剰債務国で深まる溝

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本記事は、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が9月1日に配信したレポート『マクロ見通しー現実味を増すインフレ加速と景気後退』より一部を抜粋したものです。

<<元のレポートはコチラ>>

欧州経済…「景気後退」のリスク高まる

率直にいえば、欧州のマクロ経済の先行きは厳しい状況にあります。ブランディワイン・グローバルのディレクター・オブ・グローバルマクロ・リサーチであるフランシス・スコットランドによると、まだ先のこととはいえ、景気後退のリスクは高くなっています。

しかし、状況はそれ以上に悪く、まず、イタリアの政治危機をきっかけにEUにおける分断リスクが高まっています。こうしたリスクは深刻なエネルギーショックや天然ガスの戦時割り当てという状況下で生じています。

我々はECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁を支持していますが、ラガルド総裁は今後数ヵ月間(と数年間)に及ぶ厳しい試練に直面しています。

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景気後退懸念の主因であるインフレから話を始めます。表面上は欧州と米国のインフレは似通っているように見えます。

しかし、フランクリン・テンプルトン・ インベストメント・ソリューションズのリサーチ・ヘッドであるジーン・ポドカミナーが指摘するように、欧州のインフレはロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーショックが大きく影響しています(図表1)。

[図表1]米国と欧州における4品目のインフレ寄与度 出所:米労働統計局とユーロスタットに基づくブルームバーグ・エコノミクス
期間:2021年1月~2022年6月30日

米国ではモノやサービスを中心とする家計需要がインフレにはるかに大きな役割を果たしています。このタイプのインフレは、需要を冷やす利上げを通じて解決することが可能です。

欧州のインフレは外的ショックにより引き起こされた異なるタイプのものです。いうなれば、ウラジーミル・プーチン大統領はロシア産の天然ガスを武器として使っているとフランシスは考えています。

ECBは7月に政策金利を0.5%引き上げ、11年ぶりの利上げに踏み切りましたが、今回のインフレショックには機能していません。

ラガルド総裁とEUはいまや、金融引き締めが必要なほどインフレは高止まりしている一方、景気はかろうじて冷え込ませる必要がある程度の強さしかないという厳しい状況に直面しています。

欧州北部国と欧州南部国の「分断」

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