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至学館vs豊橋中央

高校野球ドットコム

至学館のミラクル野球が炸裂 8回に技と勢いで豊橋中央を逆転

8安打2失点で完投した至学館・伊藤君

<第75回愛知県高校野球大会:至学館3-2豊橋中央>◇18日◇3回戦◇熱田愛知時計120スタジアム

 前日の2回戦では栄徳と約4時間の延長14回タイブレークの戦いの末に何とか勝ち上がってきた豊橋中央。東三河地区では、決勝トーナメントで豊川には敗れたものの、2位校としての県大会出場だ。至学館は、麻王義之監督が常々、「どことやっても接戦がウチの特徴」と言うように、名古屋地区2次決勝トーナメントの準決勝では中京大中京に2対4、3位決定戦では東邦には8対9と、競り負けながらも食い下がってきた。県大会では、前日の2回戦でも大成と7回までは1点差の接戦で、8回に突き放しての進出である。

 この試合、先制したのは豊橋中央で3回、2死走者なしから2番白井雅人内野手(2年)が渋く内野安打で出ると、髙安累外野手(1年)も右前打で続いて一、二塁としたところで、4番佐藤 大海内野手(1年)が一塁線を破る二塁打で二塁走者がかえった。

 さらに豊橋中央は5回にも1死から1番齋藤玲星内野手(2年)が中前打すると、至学館の守りが少し崩れて連続失策があって追加点。しかし、至学館も、さらに続いた1死二、三塁は、二塁ゴロ本塁刺殺など内野がよく守って堪えた。

 この、好守でリズムを作った至学館はその裏、先頭の竹村悠汰内野手(2年)が死球で出ると、すかさず盗塁。2死二塁となったが、4番高橋翼内野手(2年)が中越え二塁打して二塁走者を迎え入れて1点を取り返した。リードされても追いすがっていくというのは、至学館のスタイルでもある。

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 そして、その至学館スタイルが炸裂したのが8回だった。この回の先頭、途中出場で5番に入っていた清水新太(2年)は四球狙いでも粘って四球を選ぶと、ガッツポーズで一塁へ。バントで二塁へ進むと、代打・細川大志(2年)は「チーム一のセーフティーバントのスペシャリスト」ということだが、狙い通りに三塁線に決めて1死一、三塁。こうなると至学館としては一番仕掛けやすい場面だが、案の定一塁走者がスタートして挟まれる。そこで、三塁走者がスタートを切って本塁を陥れ重盗成功。同点となって、さらに内野ゴロで三塁へ進んで2死三塁。ここまでチャンスで2度凡退していた磯村新捕手(2年)だったが、コンパクトに振り切って三遊間深いところへの内野安打でついに逆転。至学館の“ミラクルエイト” は今年も健在というか、麻王監督は、「今年のメンバーの子たちは、センスが高く感性のいい子が多いので、よりミラクル度は高まっていますよ」と言うが、まさにその通りで「野球は攻撃が9回ある競技で、その中で同点を取っていって、最終的に相手よりリードしていくのか」ということを見事に示してくれた8回の逆転劇だった。

 豊橋中央は、9回に先頭の足立天宏投手(2年)が安打してバントで進んで1死二塁として反撃機を作ったが、ここで至学館の麻王監督は「ちょっと閃いた」ということで、左翼手を足が速くて守備範囲の広い佐々木悠(2年)に交代する。すると、豊橋中央の最もシュアな打者の1番齋藤の打球が左中間へ。同点かと思われた打球だったが、佐々木がダイビングキャッチ。さらに最後の打者もレフトフライ。ものの見事に、麻王監督の采配も当たった試合という形になった。

「今年のチームは、2017年にセンバツ出場した時のチームに、雰囲気も似ています。今日は伊藤が完投しましたが、昨日もそうでしたが、間に山本を挟んでという継投もありで、あの時と同じようなパターンです」と、この秋は、非常に手ごたえを感じている様子でもある。

 僅差の競り合いを最後にひっくり返された豊橋中央の萩本将光監督は、悔しさをにじませていた。「8回の攻撃は、相手が(重盗を)やってくることはわかっていました。だから、二塁で刺すよりホームを気をつけろということも言っていました。ただ、その前に、四球狙いの打者に対して、ど真ん中投げておけばいいのに、四球を与えてしまったことが痛かったですね。ただ、足立も昨日は結局、6回から14回まで9イニング投げていましたから、疲れもあったのかなぁ」足立をねぎらいながらも残念がっていた。

(取材=手束 仁)

 
   

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