先制打含む3安打3打点の活躍を見せた仙台三・齊藤夢真
<第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会:仙台三21-3石巻好文館>◇18日◇2回戦◇鹿島台中央
第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会は2回戦までを終え、ベスト16が出揃った。近年、上位に食い込む実力をつけてきている仙台三は石巻好文館と対戦し、22安打21得点の猛攻で3回戦に駒を進めた。
1~4番に夏もスタメンで起用されていた2年生が名を連ねる仙台三打線が、初回から爆発した。1死から2番・本郷泰成外野手(2年)が左前打で出塁すると、その後満塁とし、打席には新主将の5番・齊藤夢真捕手(2年)。2球目のカーブを中前にはじき返し2点適時打とすると、さらに相手の失策が絡み3点を先制する。結局この回は四球を挟んで9連打と打線がつながり、いきなりスコアボードに「7」を刻んだ。
仙台三は2回以降も攻撃の手を緩めない。2、3回にいずれも打者9人の猛攻で5点ずつを奪い、4回は公式戦初出場ながら第1打席から結果を残していた熊晃太捕手(1年)がこの日3本目の安打となる3点適時三塁打を放つなどし、4点を加えた。終始、「一番流れる打順を組んだ」という佐々木久善監督の思惑通りの攻撃を展開した。
「全員で戦い、助け合うチームをつくりたい。自分なりの野球観を持っている選手が多いので、全員がその考えを出せるようになると、もっといいチームになる」。3安打3打点と役割を果たした齊藤は、夏の大会で3回戦敗退したその日にチームメイトの推薦で主将に任命された。それ以降、主将としてチーム全体の雰囲気を見る中で、一つの課題を感じていた。
広告の後にも続きます
この日は「自分たちが練習で徹底してきたことは出せた」と手応えを口にした一方、3番・神稜真外野手(2年)が出場選手唯一の無安打に終わったことに触れ、「他のメンバーが明確なアドバイスをし、助けることができなかった」と唇をかんだ。経験豊富なメンバーが揃う強いチームだからこそ、現状に満足せず、より高みを目指し野球と向き合っている。
1回戦で12得点した打撃力が強みの石巻好文館は、大敗の中で意地を見せた。5回以外は毎回安打を放ち、3回は日野雄埜捕手(2年)、磯田大智投手(2年)の適時二塁打など3つの長打が飛び出し、相手先発・石川恭祐投手(1年)から3得点。伊藤紀行監督は「ストレート対策が実り、打撃は結果として出てきた。あとは変化球にいかに対応できるか」と来春に向けた収穫と課題を口にしていた。
(取材=川浪 康太郎)