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「ブラックジャックによろしく」注目の二次利用フリー化10年 電子書籍の売上「飛躍的に伸ばした」作者明かす成果

J-CASTニュース

『海猿』などで知られる人気漫画家の佐藤秀峰氏が2022年9月14日、自著『ブラックジャックによろしく』の二次利用を無料化したところ、この10年で「電子書籍の売り上げを飛躍的に伸ばすことができました」と報告した。

佐藤氏によれば、異例の取り組みだけに当初は懐疑的な意見が少なくなかったという。

全国紙も報じた壮大な挑戦

『ブラックジャックによろしく』は、研修医の視点で日本の大学病院や医療現場の現状を描いた医療マンガ。全13巻。2002年から06年まで講談社の青年漫画誌「モーニング」で連載され、03年には主人公を俳優・妻夫木聡さんが演じてTBSでドラマ化された。

佐藤氏は2012年9月15日から、そんな強力なIP(知的財産)の二次利用を商用目的も含めて利用規約の範囲で無償で認めた。

佐藤氏はフェイスブックで、「どのような翻案や二次利用(外国語版、パロディ、アニメ化、音声化、小説化、映画化、商品化など)を行なうことも認めるということを指します(中略)そして、これらの作品の利用について、僕と有限会社佐藤漫画製作所は著作権を行使しません」と説明し、狙いを次のように明かしていた。

「著作権という概念に囚われずに、著作で利益を得る方法はないでしょうか」「どのように作品が拡散し、利用され、著者に利益をもたらすのか、もたらさないのか、その調査をしたいと思っています」

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佐藤氏の決断は当時大きな注目を集め、ネットメディアはもちろん、全国紙でも報じられた。

それから10年。佐藤氏は22年9月14日にブログサービス「note」で、壮大な実験の結果を公表した。

計5億5750万766円

二次利用の総数(事後報告があったケースのみ、実際はより多いとみられる)は4338件だった。最初の1年が最多の712件で、以降は400件ほどで推移する。今年はこれまでに167件を数える。

佐藤氏が手掛ける電子書籍のロイヤリティ収入は、計5億5750万766円を記録した。こちらは2016年が約2億3000万円と突出しており、21年は約3100万円だった。

漫画のコマなどを使ったパロディや商品が続々登場し、「それにより作品は拡散し、今も新たな読者を生み出し続けています」と手ごたえを実感しているという。2019年には、長野県が作成した特殊詐欺被害防止の啓発パンフレットにも採用された。

「世界中で各国語版電子書籍が発売され、現在、メキシコ、ペルー、アルゼンチン、スペインなどで紙書籍化が進んでいます。国内の利用は徐々に減りつつありますが、時間の経過とともに減るのが普通だとすると健闘しているのではないでしょうか」(佐藤氏)

二次利用無償化を発表した際は、周囲から「どうやってお金を得るんだ?」と懐疑的な見方は少なくなかったという。それでも「著作の電子書籍の売り上げを飛躍的に伸ばすことができました。それは今も続いています」と成果を強調した。

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