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アラバマ州の刑務所で死刑囚に未検証の処刑法「窒素低酸素法」を採用予定

カラパイア

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 アラン・ユージン・ミラーは、2022年9月22日に死刑執行が予定されている。彼は1999年に職場で男性3人を射殺し、死刑を言い渡された。

 そんな彼は、針が怖いことから薬物注射ではなく、「窒素低酸素法」による刑の執行を望んでいるという。

 アラバマ州ではこの処刑法が認められているが、じつはまだ検証されていない。それでも2018年、同州はミラーの要請を許可したという。

 問題は、これについて記録した書類が紛失していることだ。アラバマ州の検事当局もその証拠を見つけられなかったとしている。

「窒素低酸素法」による処刑とは?

 体の組織が酸素不足になり、正常に機能できなくなった状態を「低酸素症」という。ちなみに、血液に含まれる酸素が足りていない「低酸素血症」とは区別される。

 「窒素低酸素法」は、窒素で低酸素症を引き起こす死刑執行法だ。

 不活性ガス(ほかの物質と反応しにくい気体)である窒素は吸い込んでも害はなく、実際私たちが呼吸する空気の78%はこれで占められている。だが、窒素で空気が薄められてしまえば、体は酸素を取り込めず、低酸素症になる。

 空気に含まれる酸素が16%以下だと呼吸困難になり、4~6%になればたった40秒で人間は意識を失ってしまうという。

photo by Unsplash

未検証なので過去に認めらなかったケースも

 米国では過去にも窒素低酸素法による刑の執行をめぐり、法廷で争われたことがある。

 ミズーリ州のラッセル・バックリューという死刑囚は、2014年に刑が執行される予定だったが、医療上の理由により薬物注射ではなく窒素低酸素法による執行を求めて、ミズーリ州矯正局長官を訴えた。

 裁判では、窒素低酸素法による刑の執行は検証されておらず、ミズーリ州はそれを適切に準備できないとして、バックリューの求めは棄却された。

 また、窒素ガスの投与法・用量・効果が出るまでの時間・刑を執行する職員の安全性などもバックリューが説明すべきだったとの旨や、窒素低酸素法が薬物注射よりも苦痛が少ないという証拠はないとも述べている。

 バックリューは2019年、薬物注射により刑を執行された。

もし実行されるとしたら全米初の処刑法に

 アラバマ州司法長官代理のジェームズ・ハウトは連邦判事に対し、来週行われるアラン・ミラーの死刑執行に窒素低酸素法が利用できる可能性は「非常に高い」と述べたという。  もし「窒素低酸素法」が行われた場合、全米初の試みとなる。

 9月12日の法廷審問で、R・オースティン・ハファカー・ジュニア連邦地裁判事は、アラバマ州に窒素低酸素による死刑執行の準備が整っているかどうかを尋ねた。

 ハウツ氏によると、この方法は早ければ来週にも利用可能になり、当局はその方法に関するプロトコルを最終的に詰めているところだという。

 そしてこの新しい処刑法をいつ使うかの最終決定は、ジョン・ハム更生長官が行うことになる。

References:Alabama preparing to use untried execution method nitrogen hypoxia on death row prisoner | US News | Sky News / Alabama has a new method for its death sentences— nitrogen hypoxia. What is it? : NPR / written by hiroching / edited by / parumo

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