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全米オープン、国枝慎吾が準優勝。年間グランドスラムならずも悔しさを「次」の原動力へ

パラサポWEB

全米オープン最終日のルイ・アームストロング・スタジアム。雨で蒸し暑い中、国枝慎吾とアルフィー・ヒューイット(イギリス)による車いす部門男子シングルス決勝が行われた。

昨年の東京2020パラリンピックで金メダルを獲得した国枝は、その後の全米、そして今年の全豪、全仏、全英を制しており、ここで勝てば、自身6度目となる年間グランドスラム達成(*)となる。2ヵ月前、全英でシングルス初優勝を果たし、4大大会制覇とパラリンピック金メダルを合わせた「生涯ゴールデンスラム」の偉業を成し遂げた国枝に注目が集まっていた。

年間グランドスラムのかかる全米の決勝に臨んだ国枝

一方、「グランドスラムでは難しい1年だった」と振り返るのは、ヒューイットだ。

シングルス初優勝を目指して臨んだ全豪、全英決勝では、それぞれファイナルセットまで持ち込みながら、あと一歩のところで国枝に敗れている。その悔しさを糧に、「勝つためにとても頑張ってきた」。そして、試合後の優勝会見に現れたのは、ヒューイットだった。「シンゴにとって、年間グランドスラムがかかったすごく意味の大きな試合だったのはもちろん知っている。今日はコートで少しだけリベンジできた」と達成感を口にした。

これまで幾度となく対戦し、手の内を知り尽くしている。それだけに国枝に対して「深い分析はしない」とヒューイット。最近は、むしろ自分のプレーをすることに集中してきた。そして、この日、それを十分にできたことが勝利のポイントになったという。「(リードされていた)第1セットは、本当に厳しい戦いでした。僕たちのレベルはとても高かった。彼が勢いに乗れば、僕がそれに対応し、僕が勢いに乗れば彼がそれに対応しました」

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まさに死闘といえる第1セットをタイブレークから奪取すると、ヒューイットは雄叫びを上げ、興奮した様子で胸をたたいた。その姿は、タイブレークで敗れた全英決勝のリベンジを果たした、とアピールしているかのようだった。

ヒューイットは語る。
「全英であと一歩のところで優勝を逃したことが確実にモチベーションになりました。その後、体調を崩して少し苦労しましたが、勝つために毎日、毎分、コートに戻って練習してきました」

その練習から生まれた質の高いショットの数々は、国枝をして、「あのプレーをされたらしょうがない」と言わしめた。第1セットで自分のテニスができたことで、第2セットのヒューイットの勢いは止まらない。みなぎるエネルギーは、ヒューイットが放つボールに吸収されるかのようだった。

雄叫びで圧倒するヒューイット。「第2セットでの自信は別次元にあった」

準決勝まで順調に勝ち上がってきた国枝も、決して隙があるようには見えなかった。試合前の練習では、リラックスしつつも、引き締まった、強い決意を感じさせる表情をのぞかせていた。試合に入っても、「プラン通りに進めた」第1セットは、序盤でリード。しかし、ヒューイットのストロークに翻弄され始め、じりじりと追い上げられる。

それでも、5-6で迎えた第12ゲームの0-40という場面で見せ場をつくった。「リスク覚悟で放った」というサーブを3本立て続けに決めるなど、国枝らしい鋼のようなメンタルの強さを見せつけ、スコアを6-6に並べてみせる。「『ここからだぞ』っていう、自分自身のメンタルの強さで、最近のグランドスラムは勝ってきたところもある。その匂わせを醸し出したとは思うけど、ちょっと及ばなかった」と国枝。

むしろ好調のヒューイットに対して、「こうしないと、取れないのか」という気持ちが生まれ、ロングラリーの場面は「体力的に、『しんどいな』と一瞬よぎってしまった」と話すなど、プレーに迷いが生まれていたと明かした。

「質の高いヒューイットのレベルに上げようとして、無理をさせられたり、ミスをさせられた。今日は彼がよかった」と国枝
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