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焼肉デートで幻滅。「久々の彼女候補だったのに…」34歳・税理士が落胆した、女の言動

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焼肉デートで幻滅。「久々の彼女候補だったのに…」34歳・税理士が落胆した、女の言動

「彼って…私のこと、どう思っているんだろう」

連絡は取り合うし、ときにはデートだってする。

自分が、相手にとっての特別な存在だと感じることさえあるのに、“付き合おう”のひと言が出てこないのはどうして?

これは、片想い中の女性にとっては、少し残酷な物語。

イマイチ煮え切らない男性の実態を、暴いていこう。

▶前回:「まさか、他にも相手がいる…?」男のとんでもない本性を暴いた女。きっかけは“音”だった



プライベートはNG?会話に積極的じゃない彼の本音が知りたい(絵里花・31歳の場合)


― うぅ…暑いっ!ワンピースに汗、染みてないかな?

今日は、片想い中の相手・和寿と3週間ぶりのデートだ。

待ち合わせは、13時。

ついメイクに気合が入ってしまった私は、すでに10分遅刻している。

外苑前駅から、銀杏並木沿いのカフェへと急ぐ。わずかな道のりでも、汗がじわりとにじんだ。

「ごめんね。遅くなっちゃった」
「いや、大丈夫だよ。外、暑かったでしょ?絵里花ちゃん、何飲む?」

先に席についていた彼は、涼しげな顔でこう言った。そして、私にメニューを手渡してきたのだった。

― 待たせちゃったのに、優しいなぁ。それに、今日もカッコいい!

だが、和寿は前回のデートのときよりも、少し…いやずいぶんこんがりと日焼けしていた。

もともと白くてキレイな歯だなと思っていたのだけれど、笑うとそれがより一層際立つ。まるで、炎天下でトレーニングをするアスリートのような日焼け具合だ。

その様子が気になった私は、ごく自然に尋ねた。

「うーん、アイスティーにしようかな。…ねぇ、和寿くん、日焼けした?お盆休みは何してたの?」
「え?そんな大したことはしてないよ。あ、すみません。注文いいですか?」

― あー…、またこの感じ?

和寿は、プライベートな話を一切してくれない。

仕事や、そのほかの当たり障りのない話はするのに、これはどういうことなのだろう。

まだ、私に心を開いてくれていないのか、それとも何か理由があるのか―。


今から2ヶ月前。

和寿と私は、おもしろい出会い方をした。

コンタクトレンズを購入するために、眼科を受診したとき。

「アライさーん」

看護師に呼ばれてパッと立ち上がると、近くの席に座っていた男性も立ち上がった。

― ん?これって?

私は、その場で軽く戸惑いつつも、イケメンの気配を察知する。

― うわあ。ステキな人…。

「あら、アライさんが2人いらしたのね、ごめんなさい。えっと、男性のアライさんね」

先に診察室に連れていかれた彼の名前は、“荒井和寿”。

私は“新井”だから漢字は違うけれど、偶然にも同じ“アライ”だったのだ。

その数十分後。

ドライアイの目薬を受け取りに行った薬局で、ふたたび顔を合わせると、和寿のほうからペコリと会釈。数日後には、近くのカフェでばったり再会。

こうも顔を合わせる機会があると、何か運命的なものを感じてしまう。だから、私から彼に声をかけたのだった。



税理士をしている和寿は、私より3つ上の34歳。

一昨年独立し、開業したという。

…と、ここまでは聞き出すことに成功したが、それ以上の情報は聞けなかった。

これは私の予想なのだけれど、おそらく独身。後頭部の少しはねた寝ぐせは、奥さんがいたら指摘されるだろうから―。

きっちりしていそうで、どこか抜けている人。

そんなギャップに惹かれた私は、確定申告の相談をしたいと理由をつけて彼の連絡先をゲット。積極的にアプローチして、2人でお茶やディナーに行くような仲になった。

和寿もまんざらではなさそうで、有名な焼肉店に誘ってくれたこともある。

木箱に並ぶ、厳選された希少部位の肉に2人揃って盛り上がったときは、これからも楽しい時間を彼と共有できたらと頬が緩んだ。



「まるで宝石みたいなお肉だね…!すっごい。写真撮って、インスタにあげてもいいかな?」

浮かれた私がこう言うと―。

「はは、本当だね。どうぞ、どうぞ」
「そういえば、和寿くんってインスタやってる?フォローしてもいい?」

こうしてデートもするようになったし、距離を縮めるなら今…。私は、SNSから彼の私生活を覗き見ようと試みた。

けれど、アカウントを持っていないと怪訝そうな顔で言われてしまったのだった。どうやら、SNSはあまり好きではないらしい。それなら、積極的に会話やLINEをしていこうとすぐに気持ちを切り替える。

「和寿くんって、出身も東京?」
「ああ、うん」
「休みの日って、どのあたりに出かけたりするの?」
「まぁ、1人でブラッと出かけたりしてるかな」

ところが、質問をしてもあとが続かない。

だから、和寿が自分のことを話しやすいように、流れを作る努力もしてみた。

「このあいだ、姉が姪を連れて遊びに来たんだけどね。それがもう、かわいくてっ」
「へぇ、そうなんだ」

― 相手の信頼と情報を得るには、まずは“自己開示”って言うし。

「うん。3つ上だから、和寿くんと同い年かな。あ、ねぇ、和寿くん兄弟は?」
「いや、いないよ」

私が自分のことを具体的に話せば、和寿もきっと。そう期待したのだが、それでも一歩踏み込めなかった。

― 恋愛って、こんなに自分ばかり前のめりになるものだっけ?

私は、すっかり自信をなくしかけていた。

ちょうどそのころ―。

傷心に追い打ちをかける出来事が、立て続けに起こったのだった。


絵里花:和寿くん!今日ね、姪が公園で怪我しちゃったんだって。
和寿:絵里花ちゃん、姪がいたんだ。知らなかったな、お大事にね。

― あれ?姪の話、この前したよね…。もしかして、私が話したこと忘れてる?

LINEの文面で見ると、余計に“ひとごと感”が強調されて、地味に心をえぐられる。

そんなとき、同僚から声をかけられた。



「そういえば絵里花、いい感じの人とはどうなったの?」
「うーん、あまり自分のことを話してくれないっていうか…。何回かデートしてるんだけど、壁があるっていうか…」

同僚に聞かれ、和寿とのこれまでのやり取りを打ち明ける。

すると、彼女は遠慮なく核心をついてきた。

「…ねぇ、それって“既婚隠し”じゃないの?」
「ええっ、まさか。でも…そう思う?やっぱり、おかしいよね?」

私も正直、その“まさか”を疑ったことが何度かあった。

けれど、自分から声をかけておいて、今になってそんなことは聞きにくい。もし仮に聞いたとしても、きっと彼はいつものように答えてくれないだろう。

本人に確かめもせずに決めつけることには抵抗があるけれど、一度疑いはじめると、頭の中は悪い妄想で支配されるようにできているのだ。

そうこうしているうちに、3週間。

私から連絡をしなかったら、和寿からも何もなかった。

絵里花:お疲れさま!

このままではいけないような気がして、LINEを送ったけれど、見事に既読スルー。

「やっぱり!奥さんにバレそうになったから、絵里花のこと無視したんじゃないの」
「私も…そうとしか思えなくなってきちゃった」

こうして私の中で、和寿は“隠れ既婚者”という扱いで、勝手に幕を下ろすことになったのだった。

本当のところはどうなのか。聞きたいけれど、聞けないまま―。



そもそも、人付き合いが希薄。女性に対するモチベーションも低い(和寿・34歳の場合)


勤めていた税理士事務所をやめて、独立したのは2年前。

昔から、チームプレーよりも個人プレータイプの僕は、仕事も自分の好きなようにやりたいと思っていた。もちろん、開業後は大変なこともあった。

けれど、ほかの社員に気を使うことがない分、ストレスが少なくて自分には合っていると思う。

恋愛に対する考え方も、どこかそういうところがあるのだろう。プライベートなことには、あまり深入りされたくないから、誰と付き合っても長続きしない。

そんな僕が久しぶりにデートをしたのは、絵里花という女性だ。

彼女は、美容皮膚科の受付をしているというだけあって、肌がツルンとしていて顔もかわいい。性格もハキハキとしていて、ほどよい感じで連絡をしてきてくれる。

だから、もしかしたら、恋愛に発展するかもしれないと…思った。

だが、デートを重ねるにつれて、僕の悪いくせが出はじめた。それは、よく行く焼肉店に彼女を連れて行ったときのこと。

絵里花は、肉の盛り合わせが出てくると写真を撮りたいと言った。そして、それからしばらく、プロカメラマン顔負けのさまざまな角度で、照明まで気にしながら撮影を続けた。

― あー、せっかくのいい肉なのに、表面が乾いちゃうな。

それを見ていた僕は、微笑ましく思うどころか、心の中で毒づいてしまったのだ。

しかも、店員が焼いてくれようとしたのを断って「自分で焼きます」となぜか意気込んでいた。

気の利くところを見せようと思ったのかもしれないが、焼いてくれた肉は、火が通りすぎていて硬かった。なぜなら彼女は、会話に夢中になるあまり肉から目を離してばかりいたからだ。

これには、少しうんざりしてしまった。焼肉は1人で行くべきものだと学んだ。

絵里花に対して、どこか冷たい気持ちになってしまったのは、このときだけではない。

お盆休みに僕は、唯一の趣味である釣りに1人で行っていた。朝5時から、イカを釣りまくってきたのだ。

しかし、そんなことを話されても女性は引くだろうから、あえてはぐらかした。すると、そこで僕は、絵里花がフッと不満そうな顔をしたのを見てしまったのだ。

今思えば、このときから、僕は疲れていたのかもしれない。

― …悪いけど、しばらく1人になりたい。今のところ、1人で困ることもないし。

そう思ったとき、絵里花から3週間ぶりにLINEが送られてきた。でももう、前向きな返事をする余力はなかった。

彼女には申し訳ないことをしたと思う。

こういう性格だと自覚しておきながら、一瞬の楽しさに浮かれてしまった自分が悪いのだ。

▶前回:「まさか、他にも相手がいる…?」男のとんでもない本性を暴いた女。きっかけは“音”だった

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