17世紀に実在した修道女ベネデッタ・カルリーニの数奇な運命を描き、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたポール・ヴァーホーベン監督作「ベネデッタ」が、2023年2月17日(金)より新宿武蔵野館ほかで全国順次公開される。
幼い頃から聖母マリアやキリストのビジョンを見続け、聖痕が現れてイエスに娶られたと報告し、民衆に聖女と崇められるもやがてレズビアンとして告発されたベネデッタ。その裁判記録『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』(J.C.ブラウン著/1988刊)を読んで彼女の人物像に魅せられたヴァーホーベンが、挑発的なセクシュアル・サスペンスを撮り上げた。
「おとなの恋の測り方」「エル ELLE」のヴィルジニー・エフィラがベネデッタを演じ、シャーロット・ランプリングが宗教をビジネスとしか捉えていない修道院長役、ランベール・ウィルソンが威嚇的で欲深い教皇大使役、ギリシャの女優ダフネ・パタキアがベネデッタと秘密の関係を深めるバルトロメア役で登場する。
広告の後にも続きます
ポール・ヴァーホーベン監督のコメント
ベネデッタの物語の独特な性質に惹かれたんだ。17世紀初めにレズビアンの裁判があったこと、裁判の記録や本書のセクシュアリティの描写がとても詳細なことにも感銘を受けた。そしてこの時代、女には何の価値もなく、男に性的喜びを与え、子供を産むだけの存在とみなされていたにもかかわらず、ベネデッタが手段はどうあれ、完全に男が支配する社会で、才能、幻視、狂言、嘘、創造性で登り詰め、本物の権力を手にした女性だったという点だ。私の映画の多くは女性が中心にいる。つまり、ベネデッタは「氷の微笑」「ショーガール」「ブラックブック」「エル ELLE」のヒロインたちの親戚というわけさ。
各紙レビュー(抜粋)は以下の通り。
宗教や欲望に関する作品は目新しいものではないかもしれないが、性的および政治的権力の描写によって信じられないほど楽しい作品となった。
──IGN