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アーチェリー・JPAF杯に出場、ネクストブレイクアーチャーは他競技からの転向組

パラサポWEB

東京パラリンピックがきっかけで認知度が上がっているパラアーチェリー。世界ランキング1位の上山友裕(リカーブ男子オープン)、世界ランキング4位の重定知佳(リカーブ女子オープン)ら“東京組”が第一線で活躍を続ける一方で、次世代をねらう選手たちも確実に育ってきている。今回は、パリ2024パラリンピックへ向けて、国内のトップ選手たちがA強化指定選手候補枠を競い合った「第8回JPAF杯パラアーチェリートーナメント大会」に出場した2選手に注目した。

【矢口敦也】冬のパラリンピアンが夏の競技でパリ、ロスに挑む

アイススレッジホッケー(現名称:パラアイスホッケー)で冬季パラリンピックに3大会出場し、2010年のバンクーバーパラリンピックで銀メダルを獲得、車いすバスケットボールでも国際大会で日本代表経験のある矢口敦也がパラアーチェリーに本格参戦だ。

アーチェリーとの出会いは、子どもころまでさかのぼる。

「自宅から病院に通う道の途中にアーチェリー場がありましてね。道具がすごくかっこよくて、やってみたいなと思ったものです。実際、やってみたいと親に言ったのですが、父がいい顔をしなくて、そのときはあきらめましたが」(矢口)

車いすバスケットボールなどを経てアーチャーとなった矢口敦也

アイススレッジホッケーと車いすバスケットボールを極めた後、2019年にアーチェリーに“再会”した。

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「アイスホッケーの先輩に誘われたんです。ちょうど愛犬が他界したこともあって時間もあったので、誘われるまま試しに挑戦してみたところ、ハマりました」

「男の子なら好きでしょ(笑)」という的当てゲームだったこと、用具系のスポーツであり、その用具に繊細なチューニングが必要とされるところにもエンジニア魂をくすぐられたという。使っている弓具はもちろん市販品だが、弓の質感や、ベースの黒に赤を利かせたカラーリングまで含めて矢口の美意識が存分に反映されており、用具への愛があふれたセッティングになっている。その矢口が何より「しびれる」というのが、メンタルスポーツという点だ。

「心の乱れがそのまま点数に出るんですよ。チームスポーツだと、なんとかごまかせるんですけど。そこが全然違います」

今大会は、会場特有の風に悩まされる選手も多かったが、矢口は勝ち切れなかった理由として別の原因を挙げた。

アーチェリーは自然を相手にするスポーツ。風で身体のバランスを崩しやすいが、さまざまな工夫をして競技を行う

「風の強い長野で練習しているので、これぐらいの風ならちゃんと(的の真ん中に)当てられるようにならないとだめだと思います。それより僕の場合は、射ち方の問題です。実は最近まで絶不調で、コーチのアドバイスで2週間前に射ち方を元に戻したばかりなんです。メンタルは技術があればついてくると思っているので、何より練習が大切になります。ほぼ毎日約4時間ずつ練習しているので、次の大会まであと2週間、いまやるべきことに集中して、一つひとつ積み重ねていきます」

大会5連覇を果たした上山友裕(左)と決勝で好勝負を繰り広げた

今回の大会における矢口の存在感は圧倒的で、弓を引き終わったあと、時に明るく、時に険しい表情で矢の行方を確認する姿はひときわ目を引いた。JPAF杯は二度目の出場ながら予選ラウンドの前半は上山を退け1位をマーク。その後、上山に追い上げられ、2位で決勝トーナメントに進出すると、一つずつ勝ち上がり、たどり着いた決勝戦では上山と接戦を展開した。最後に負けが決まると、顔を真っ赤にして悔しがったのだが、その姿は観る者の心を打つと同時に、日本パラアーチェリー界のさらなるレベルアップへの期待を抱かせてくれた。

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