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「まさか、他にも相手がいる…?」男のとんでもない本性を暴いた女。きっかけは“音”だった

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「まさか、他にも相手がいる…?」男のとんでもない本性を暴いた女。きっかけは“音”だった

「彼って…私のこと、どう思っているんだろう」

連絡は取り合うし、ときにはデートだってする。

自分が、相手にとっての特別な存在だと感じることさえあるのに、“付き合おう”のひと言が出てこないのはどうして?

これは、片想い中の女性にとっては、少し残酷な物語。

イマイチ煮え切らない男性の実態を、暴いていこう。

▶前回:久々のデートなのに、ハンバーガーを食べて1時間で解散…?不安になった彼女に届いた、1通の不穏なDM



そのLINEの相手って、私も知ってる人だよね?(絵奈・30歳の場合)


「う~ん!この季節のテラス席って、本当に気持ちいいねっ」

土曜日の夕方。

天王洲アイルにあるリバービューのルーフトップバーに、心地いい風が吹き抜けた。

私は、髪を耳にかけながら、3回目のデートの相手・秀治に笑顔を向ける。

「そうだね。風が吹くといい感じだね…」

彼がこう言いかけたその瞬間―。

“LINE!!”

底抜けに明るいキャラクターの声が、唐突に響き渡った。

― えっ、今のってLINE?着信音、この設定にしてる人…初めてなんだけど。

テーブルの上に置いてある秀治のスマホに、つい視線が向かってしまう。

それに気づいたのか、彼は慌ててスマホを手に取った。ポップアップを確認すると、スマホをクルッと裏返し、テーブルに伏せて置く。

まさかの着信音には驚いたけれど、片想い中の相手なら、それさえもかわいく思えてしまうから不思議だ。

だが、着信音は再び鳴る。しかも“LINE!!” “LINE!!”とさらに2通。

さすがに気になって、返信を促した。

「秀治くん、LINE返さなくて大丈夫?」
「ああ、ちょっとごめん。これだけ返信させて!」

彼がスマホを手に取ると、今度は私に1通のLINEが送られてきた。

送り主は、親友の麻帆。

麻帆:好きな人から、LINEが全然返ってこないの…。

そういえば最近、麻帆にもいい感じの人ができたらしい。

絵奈:もう少し待ってみたら?いつもみたいに追いLINEはしないこと!

彼女に返信をしてから、ふと秀治を見ると、まだスマホに文字を打ち込んでいるようだった。

― LINEの相手は、一体誰なんだろう。女の人じゃないといいけれど…。


秀治との出会いは、2ヶ月前に参加した食事会だった。

その当日。

― うそ、1番に着いちゃった?時間、間違えたかな?

誘ってくれた親友・麻帆からのLINEには、確かに“神泉の『ブラックテラス』に、19時ね!”と書かれている。

けれど、辺りを見回しても、やっぱり誰もきていない。

仕方なしに、店員に案内されるがまま席へと向かうと、そこはまるでアメリカ西海岸のリゾート空間。

さまざまな草木がそよぐ、素敵なテラスが視界に飛び込んできた。



「すご~い!都心じゃないみたい…」

その光景に圧倒されて、思わず声を出す。すると、男性の声が後ろから聞こえてきた。

「このお店、雰囲気がいいですよね!」

振り返ると、切れ長の涼しげな目もとをした男性が立っていた。スッと通った鼻筋や、唇が厚すぎないあっさりとした顔は、ド直球でタイプだ。

「あ、もしかして今日の…?」
「はい、僕は秀治です。えっと、お名前は?」
「絵奈です。はじめまして!」

私は、秀治の正面の席に座った。

おかげで、他の参加者たちが到着して食事会がスタートしてからも、2人でたくさん話すことができた。

年齢は、私より1つ上の31歳。一級建築士で設計事務所で働いているという。

「彼女は3年いない」という情報も聞き出すことに成功した。

しかし、参加者の誰かが「河川敷でバーベキューをしたい」と言い出したことをきっかけに、2人きりでの会話は中断。

後半は、みんなでワイワイとスケジュールの話に終始したのだった。

食事会が終わったあとに作られたグループLINEは、帰宅後22時を過ぎても盛り上がっている。けれど、秀治だけは反応がない。

― あんまりLINEとかしない人なのかな?

そこへ突然、個別にLINEが送られてきたから驚いた。

秀治:今日は楽しかったです!バーベキューもいいんですけど、よかったら2人で食事に行きませんか?

これには、自分だけが特別扱いされたような嬉しい気持ちになって、即レスをする。

絵奈:こちらこそ、楽しかったです!ぜひ、ご一緒させてください。

私は、心の中で小さくガッツポーズをした。



秀治との最初のデートは、神楽坂。お堀沿いのレストランでランチをした。

その次の週に連れていってくれたのは、青山のクラシカルな雰囲気のカフェだ。

彼が選んだ店は、ロケーションも雰囲気も最高。それに、デートのあとには毎回、秀治のほうから丁寧なLINEを送ってきてくれた。

自分に好意を抱いてくれている―そう思うのは自然なことだった。

2回目のデートの帰りには、“絵奈ちゃんみたいな子と付き合えたらいいな”とまで言ってきたのだ。

きっと次のデートで、告白されるのではないか。そんな希望で胸が高鳴っていた。



こうして迎えた3回目のデート。

天王洲アイルにあるリバービューのルーフトップバーは、文句ナシの最高の雰囲気だった。

なのに、食事を終えてお店を出ると、すぐにタクシーを止められてしまう。

告白を期待していたのに、秀治は一向に関係を変えようとしてこない。

― やっぱり、さっきLINEの相手って、女の人だったのかな…。

不安でいっぱいになりながら、とぼとぼと帰宅した。

耳の奥には、あの特徴的なLINEの着信音がまだこびりついている。

そのとき、スマホが震える―。

麻帆:来週、お茶しない?

いつもだったら嬉しいはずの、親友からの誘い。

…なのに、このときばかりは、なぜか胸がざわついた。




「絵奈、久しぶり!あの食事会以来だね」
「そうだね。ていうか、麻帆…ちょっと痩せた?」

待ち合わせのカフェにやってきた麻帆は、元気そうな口ぶりに反して、ほほが少しこけていた。

聞くと、どうやら好きな人とあまりうまくいっていないらしい。

「うーん、何かね…。彼、ほかにも遊んでる人がいるっぽいんだよね」
「それはちょっとキツイね。でも、何でそう思ったの?」

私は、彼女の次の言葉で、その“彼”が誰なのか確信した。

「LINEが頻繁に送られてくるんだよ…。しかも、“LINE!!”って。メチャクチャわかりやすい着信音だから、気になっちゃって」

― その着信音って…まさか。

「あとはね、チラッと見えたポップアップのアイコンが、女の人の写真だったの」

ここまで言うと、麻帆はわかりやすくしょんぼりしてしまった。

― 麻帆が好きな人ができたって言い始めたのって、あの食事会から少し経ってからだよね。ということは、やっぱり!

「もし違ったらごめん。麻帆の好きな人って…秀治くん?」
「えっ。何でわかったの?」



麻帆と話すうちに、秀治の本性がどんどん明らかになった。

秀治は、食事会のあとすぐ、麻帆にアプローチをしていたらしい。

せめてもの救いは、私と同じように“ただデートを繰り返すだけ”だったこと。体の関係は、持っていないという。

「まさか、疑惑の相手が絵奈だったとは…。私、“麻帆ちゃんと付き合えたらいいな”とか言われて、ちょっとその気になっちゃってたんだから」
「いやいや、それ私も言われたから!はぁ、まったく…私はもう、秀治くんはナシで」
「私だって」

そう言い合ったところで、1通のLINEが送られてきた。

秀治:絵奈ちゃん、週末ご飯食べに行かない?

― うわさをすれば…!

そのすぐあと。

麻帆にも、同じ内容のLINEが送られてきた。

もちろん、答えはノーだ。

私たちは2人で顔を見合わせて、ただ、ため息を漏らすのだった。



正式に付き合うのは責任が伴ってダルいから、適当に遊びたい(秀治・31歳の場合)


2ヶ月前。

友人に誘われた食事会で、絵奈と麻帆に出会った。

レストランで最初に顔を合わせた絵奈は、デパートで美容部員をしているモデル系の美人。対する麻帆は、会社受付。笑顔がかわいくて、親しみやすいタイプ。

2人とも違った魅力があって、素敵な女性だと思った。

前の彼女と別れてから3年。

これまでにもいい感じの女性は何人かいたけれど、今は完全にフリー。

だからちょうど、食事に行けたり、デートできたりする女性と出会えたらいいなと思っていたところだ。

ただ、あくまでも気軽な関係に限る。

というのも僕は過去に、元カノのやきもちやSNSの監視、束縛、結婚への過剰なプレッシャーにひどく悩まされたことがある。

だから、“正式に交際する”ことに苦手意識があるのだ。

でも、女性と楽しい時間を過ごしたいという気持ちはある。相手がOKなら、体の関係を持つのもアリ。そこでさっそく、絵奈と麻帆に連絡を取り、食事に行くようになった。

もちろん、一般的に、こういう考えがよしとされないことはわかっている。

わかっているから、相手には敬意を払って接するようにしている。嫌がることも絶対にしない。

このあいだも「交際することで降りかかる、さまざまな責任や覚悟を背負うのが面倒」だと男友達に話したら、そんな気持ちで出会いの場に足を運ぶなと1時間も諭された。

それでもなお、僕の考えは変わらなかった。

絵奈と麻帆の2人から、ほぼ同時期に連絡が途絶えたのは、それからしばらく経ってからだった。

おそらく、双方に僕との関係がバレたからといったところだろう。

でもまあ、どちらとも付き合っていたわけではないのだから、フォローはいらないかな…。

こう思ってしまう僕は、やはり無責任なのだろうか。


▶前回:久々のデートなのに、ハンバーガーを食べて1時間で解散…?不安になった彼女に届いた、1通の不穏なDM

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