top_line

気持ちいい!サクサク進む爽快パズルゲーム
「ガーデンテイルズ」はここからプレイ!

学校が抱える部活動の問題とは?画期的な仕組みで、指導レベルが格段アップ!

パラサポWEB

こうした民間委託について、「部活動を廃止して、やりたい家庭だけが個人でスポーツクラブに通わせればいい」という意見もあるようだ。しかし、部活動の意義は単にスポーツや文化に触れることだけではないと、永冨氏。

「義務教育期間中である小中学校時代、子どもたちが放課後をどう過ごすかは、とても大きな課題です。たとえば親が共働きの場合、親が帰ってくるまでの間に犯罪に巻き込まれる、あるいは非行に走るきっかけとなるような場所に出入りしてしまう可能性があります。学校で部活動をし、スポーツを嗜み文化に触れることは、そうしたリスクを減らすことに役立つと思います。そのためには、競技としての勝敗や記録を出すことが目的のチャンピオンスポーツではなく、生涯を通してできるスポーツや文化に出会い、楽しむことが重要で、そうした放課後の過ごし方が、これからの時代は求められるのではないでしょうか」

部活動の地域化は教員の負担軽減が注目されているが、その他にもさまざまなメリットがある。

1.地域の大人たちみんなで見守り育てることで犯罪や非行から子どもたちを守る
2.経験者や有資格者による高度で安全な指導が行える
3.指導者を募集することで地域の雇用が活性化する
4.子どもたちがスポーツや文化にふれる機会を平等に与えられる

少し数えただけでもこれだけのメリットがあるのだ。しかも子どもたちだけでなく、教員や地域にとってもメリットがあるのだから、小中学校に通う子どもがいない家庭も人ごとではない。

学校教育の分業化が、子どもたちの正しい育成につながる

©Shutterstock

広告の後にも続きます

近年、小中学校の先生になりたい大学生の数が減っているそうだ。それは単に仕事が大変だからではなく、過度な要求を社会や親がすることで、先生たちを苦しめているのも原因のひとつではないかと永冨氏。

「小中学校の先生たちの仕事は大変ですし、私は敬意を表していますが、彼等はスーパーマンではないので、やれることには限界があります。ですから、先生たちではカバーできない部分については我々のような民間企業に協力させてもらえればいいと思うのです。
それぞれが得意な分野で分業をして、先生たちは専門の科目の授業や子どもたちの心理面をケアしていただき、部活動はそれぞれの専門家が教える。
さらに弊社の場合、部活動に関する問い合わせや苦情はコールセンターのようなものを作って集約しています。これは、あくまでも私個人の思いですが、そうしたことで先生の負担を減らして本来の業務に集中できるようにすれば、学校の中で子どもたちを正しく育成できるのではないか、今こそ、学校という場所を変えていく時期なのではないかと思っています」

今年、厚生労働省が発表したところによると、1人の女性が生涯に産む子どもの数、出生率も2021年は過去最少で、合計特殊出生率は6年連続で低下しているという。少子化問題の原因はひとつではないが、安心して子どもを通わせることができる学校を作ることも、少子化問題を解決するためにはなくてはならない課題ではないだろうか。そのためには、永冨氏が言うように、公も民間も関係なく大人が力を合わせることが必要なのかもしれない。

取材中、永冨氏が、部活動支援を始めたきっかけを「困っている人たちが目の前にいたから」と言っていたのが印象的だった。何ごとも新しいことを始めるときや、今までのやり方を大きく変えるときには、反対意見がつきものだ。部活動の地域化も、そうした中のひとつだった。しかし、困っている人がいたら、解決できる力を持った人たちが手を差し伸べるというのは、実は当然のことではないだろうか。そこには公も民間も関係ない。子どもたちの健やかな成長のためにも、今こそ、大人が柔軟に新しい仕組みを取り入れ、かわっていく時なのではないかと感じた。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
photo by リーフラス株式会社, Shutterstock

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル