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「ドメーヌ・ポンソ」150年を回顧~歴史的な『クロ・ド・ラ・ロッシュ』垂直試飲~

ワイン王国

ブルゴーニュで最も重要な造り手の一つ「ドメーヌ・ポンソ」が、150 周年を記念してフラッグシップの『クロ・ド・ラ・ロッシュ・ヴェイユ・ヴィーニュ』と『モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・モン・リュイザン』の歴史的な垂直試飲会を行った。世界から集まった専門家たちとともに、歴史の重み、深遠なる味わいに酔いしれた。

(タイトル写真)80年を超すヴィンテージがそろった『クロ・ド・ラ・ロッシュ』、(上)当日の試飲リスト

歴史の重みと深遠なる味わい。モレ・サン・ドニを代表するグラン・クリュ

「ドメーヌ・ポンソ」がモレ・サン・ドニ村で創業したのは1872年。ウィリアム・ポンソが屋敷に付属していた『クロ・ド・ラ・ロッシュ』と『クロ・デ・モン・リュイザン』のワイン造りを始めた。弁護士でもあった2代目のイポリットはAOC(原産地呼称)制度の創設者の1人。「113」「114」などピノ・ノワールの重要なクローンは、3代目ジャン・マリー氏の時代にクロ・ド・ラ・ロッシュの畑から生まれ、ブルゴーニュはもちろん、世界の産地に広がった。彼の息子ローラン氏はドメーヌの評価を高めて2017年に独立。その後は、妹のローズ・マリーさんが支配人を引き継ぎ、アレクサンドル・アベル氏が醸造責任者を務めている。

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クロ・ド・ラ・ロッシュはモレ・サン・ドニを代表する四つのグラン・クリュの一つ。野性味を帯びた重厚感のある筋肉質の風味を有する。ポンソは3・31ヘクタールで、最大の所有者だ。プルミエ・クリュのクロ・デ・モン・リュイザンは、クロ・ド・ラ・ロッシュの斜面最上部の森に近い区画。*1フィロキセラ禍前はコルトン・シャルルマーニュでも栽培されていたアリゴテから造られる。いずれもブルゴーニュの歴史を背負った重要なワインである。

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ポンソは有機栽培を取り入れ、ブドウは*2グラヴィティ・フローで醸造される。オーク製の発酵槽は温度調節機能を完備。醸造過程で亜硫酸は使わず、不活性のガスで酸化を防ぐ。熟成に新樽は使用しない。技術を取り入れながら、伝統に基づきワイン造りを行っている。

『クロ・デ・モン・リュイザン』の畑に立つ支配人のローズ・マリー・ポンソさんと醸造責任者のアレクサンドル・アベル氏

世界のブルゴーニュ評論家が参集

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ(DRC)や「ドメーヌ・ド・ヴォギュエ」と並ぶ歴史的なドメーヌのイベントとあって、イギリス、アメリカ、フランスからブルゴーニュの専門家がはせ参じた。ベテラン評論家のジャスパー・モリス*3MWとアンソニー・ハンソンMW、イギリスのワイン雑誌『デカンター』のチャールズ・カーティスMW、市場を動かす『ワイン・アドヴォケイト』のウィリアム・ケリー氏、ワインメディア『ヴィノス』のニール・マーティン氏ら10人が、晴れた日はモン・ブランが見える最上階に集まった。

朝方に少し雨が降ったが、5月らしい涼しい風が吹き抜け、昼前には青い空が広がった。ローズ・マリーさんの司会で、アベル氏が次々とワインを注ぐ。クロ・ド・ラ・ロッシュは2019年から1934年まで16ヴィンテージ。クロ・デ・モン・リュイザンは2019年から1961年まで15ヴィンテージ。圧倒的なパワーを見せつけたのは偉大な1990年だ。『キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ』は赤みが強く、若々しい。ラベンダー、ラズベリーのコンポート、はつらつとした酸を秘めて、スパイシーで、ほのかに腐葉土のニュアンス。ジューシーで、バランスが取れている。溢れんばかりの果実味、エキスが凝縮していて、エネルギーを残していた。

古いヴィンテージの活力にも圧倒された。DRCのオベール・ド・ヴィレーヌ氏が『1990年』と並んで高く評価するヴィンテージの『1959年』は、熟成したピノ・ノワールの極致だった。ミンティーでブラッド・オレンジの皮、タバコ、黒トリュフ、べルベッティで旨味が乗っている。フレッシュな酸に支えられて、焦点の合ったフィニッシュだ。

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