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「ひと月1万円以上」が過半数…気になる今夏の電気代、”エアコンを目の敵にしない”節約術とは

テレ東プラス

画像素材:PIXTA

外出もちゅうちょするほどの暑さが続く今夏。エアコンの冷房をフル稼働せざるを得ない状況の一方、6月には東京エリアに節電要請があるなど電力不足の危機に見舞われました。また、世界的な資源の供給不足などによる電力の料金高騰も、多くの家庭の悩みの種となっています。

そんななか、どうやってエアコンを最大限に活用できるか──。「テレ東プラス」ではエアコンの使い方についてアンケートを行い、その実態を調査。結果を踏まえて専門家に話をうかがいました。

「つけっぱなしが安い」はホント?


Yahoo!ニュースを通じて、全国の10〜60代以上の男女2000人にアンケートを実施(2022年8月2日)した結果、夏場に1日どれだけの時間エアコンをつけているか、との問いに「6時間以上〜12時間未満」が36.4%、「12時間以上」が36.2%と回答。「6時間未満」はわずか27.5%で、たくさんの人が夏場、6時間以上はエアコンに頼っていることがわかりました。


冷房の設定温度は「28度」が31.1%とトップ。次点に「27度」(25.7%)、「26度」(22.1%)が続きました。


「1〜2時間の買い物に出たら、エアコンを切るか」との問いには「切る」が過半数の62.1%。毎年話題にのぼる「エアコンはつけっぱなしの方が安い」神話は、そこまでの市民権を得てはいない様です。


そして、気になる夏場の1ヵ月の電気代は「1万円以上〜1万5000円未満」が38.5%と一番多く、次点が「1万円未満」の31.1%。「1万5000円以上〜2万円未満」の18.7%、「2万円以上3万円未満」の9.2%が続き、1世帯の人数の違いはあれども、1万円以上と答えたのが過半数以上でした。


エアコン以外の暑さ対策は「扇風機」が83.9%と圧倒的。「窓に目隠しをしている」が22.1%、「アイスノンなどを利用している」が19.9%でした。

アンケートの集計内容や寄せられた意見や疑問をもとに、家事の専門家として多方面で活動する節約アドバイザーの和田由貴さんにお話をうかがいました。



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設定温度をいじらずに涼を得るには


画像素材:PIXTA

Q.アンケートでは、エアコンの設定温度について、たくさんの人が28度を選びました。

「環境省が推奨する28度を意識して設定温度を合わせた、という人も多いのでは。でも同省が公言しているのは、室温の目安を28度にしましょう、ということです。エアコンの性能は機種によって異なり、ハイエンドモデルは設定温度が控えめでも十分効き目がありますが、古いモデルは過剰に低くしないと涼しくならない場合も多いのです。大事なのは室温です。

室内の湿度も意識した方がいいでしょう。たとえ室温が28度でも湿度が60%を超えていれば、かなり暑く感じます。理想的な湿度といわれる40〜60%の範囲内かどうか、質温度計を部屋に置いて、感覚ではなく目に見える数値で判断するのをお勧めします。

湿度の大切さは冬も同様です。湿度が低く乾燥していると、暖房の温度設定を高くしてもなかなか室内は暖まりません」

Q.ということは、除湿モードで湿度だけを下げれば涼しくなる場合もある?

「意外かもしれませんが、多くのエアコンの除湿運転は冷房運転よりも湿気を取り除いてはくれません。そこは考えすぎずに、夏は冷房運転で十分でしょう。除湿モードは『梅雨どき、寒いぐらいの室温だけど湿気がひどい』など、室温を下げずに湿気をとりたい場合に効果的です」

Q.夏場の1ヵ月の電気代について、最も多かった回答が「1万円以上〜1万5000円未満」でした。

「2020年の総務省統計局の家計調査によると、1ヵ月の電気代の平均値は単身世帯なら5791円、2人なら9515円、3人なら1万932円、4人なら1万1788円、5人なら1万2471円との結果が出ています。さらに詳しく知りたい方は総務省のウェブサイトをチェックして、目安にしてもらえればと思います。

ただ、ここ数年は連続して電気代の値上がりが起きているので、今年の場合は2000円を上乗せして計算すると、よりリアルな平均値がみえてきます。電力会社ごとに電力の使用状況を確認することも可能です。例えば東京電力なら、自宅で使った分と平均値がグラフ化されているので、比較しやすい。

現在、多くの家庭は使用電力量を細かく把握できる電力計『スマートメーター』に切り替わっていて、30分前にどれだけの電力を使ったかまで分かるようになっています。自宅でエアコンをフル稼働した日はどれだけ電力を使うかなど、具体的な数字を知ることも正確な節電につながります」

Q.「エアコンはつけっぱなしにした方が電気代は安い」という風説もあります。

「空調大手・ダイキン工業の実験によると、35分以内の外出ならつけておいた方が消費電力は少ない、との結果が出ています。ですからアンケートにあるような『1〜2時間外出する』場合はエアコンの運転を止めた方がいい。一番よくないのは、暑くなったからつける、寒くなったから切ると、体感に応じて電源のオンオフをすることです。これが最も電力を消費します。

いったん下がった室温を維持する運転は、実はそこまで電力を使いません。シャワーを浴びる、コンビニに出かけるなど35分以内の部屋からの外出なら、つけっぱなしでいいと思います」

Q.設定温度を下げずに涼しさを得るためには、どんな工夫が必要でしょうか。

「室温が上昇する理由の多くは、窓からの熱の流入です。窓から日射が入ることにより室温が上昇するだけでなく、日射によって窓ガラスや窓枠に熱が蓄積され、それが輻射熱(ふくしゃねつ)となって夜中まで部屋を暖め続けます。

まずは、すだれやよしず、タープなどを使い、窓の外側で日差しを遮りましょう。大事なのは窓の外で対策すること。部屋の内側でカーテンを閉めて日差しを避けても、結局は窓に熱がたまるからです。『この部屋は日中使わないから』と対処を怠ると、そこにたまった熱が家全体を暖めてしまいます。使う、使わないにかかわらず、日が当たる部屋には窓の外側に対策を。

ベランダの床やすだれに打ち水して、気化熱の力で温度を下げるのも効果的です。すぐに水が蒸発してしまう日差しの強い時間帯は避けて、朝や夕方、夜に行うといいでしょう。ほかにもエアコンのフィルター掃除や室外機の日除け対策なども、電気代の節約に直結します」

Q.エアコンと扇風機との併用も効果的と聞きました。

「風速が1メートル強まると体感温度は1度下がるといわれるので、扇風機の微風モードで風を体に当てるだけでも、涼しさはずいぶん変わります。

最近では冷房とサーキュレーターを併用する方もいらっしゃいますが、サーキュレーターは直進的な風を遠くまで送る構造で、部屋の空気を循環させる道具です。どちらかといえば冬場向きですね。一方、扇風機は人に直接風を送るためのものです。エアコンの冷房と併用するなら、扇風機の柔らかい風を直接体に当てた方が、より涼しさを得られると思います」

Q.電力会社を変えるのも検討すべきでしょうか。

「いまは円安やウクライナ危機によるLNG(液化天然ガス)の価格高騰などで、大幅な値上げをする新電力も出てきています。経営が悪化した新電力の事業撤退や、事業者向けの新規加入ストップをはじめ、一般家庭向けも新規キャンペーンを取り止めているところも多い。乗り換え自体は悪いことではありませんが『おトク』という視点なら、現在はそのタイミングではないのかなという気がします」

Q.他にも気をつけることはありますか。

「夏冬など冷暖房を使う時期に限定すると、家庭で使用する電力の割合は確かにエアコンが一番大きいでしょう。でも1年の平均値で考えると、実は冷蔵庫などの方が消費電力は多いのです。ですから冷蔵庫の設定温度を『強』から『中』にする、食品を詰め込みすぎないようにする、扉の開閉時間や回数を減らすことでもかなりの節電になります。何より古い機種と新しい機種の省エネ能力は歴然です。余裕があれば、買い替えも検討してみては。

照明器具も、年間でみると馬鹿にならない金額です。家の白熱電球や蛍光灯をLEDに変えれば、白熱電球なら6分の1ほど、蛍光灯なら3分の2ほどに電気代を抑えられます。

電気ポットや炊飯器など保温機能を持った家電もかなり電気を食い、保温を使わないだけで月の電気代は1000〜2000円変わるといわれています。必要以上にエアコンの温度にこだわるより、まずはこれらの見直しをお勧めします」

Q.確かに、期間を広げると省エネも視野が広がります。

「最近ではエアコンの省エネ術はだいぶ世間に浸透していますし、実施している方も多いはず。正直、エアコンでの節電は限界があります。それに、エアコンの性能も昔と比べていまは省エネ性能に優れた機種も多い。

ここ数年は猛暑が続くためか、夏のエアコン運転が目の敵にされているところがあります。でも冬の暖房に比べたら、そこまで電気代がかかることはありません。我慢して熱中症になり、健康を害して取り返しのつかなくなったらおおごとです。涼しく過ごしながら、無理なく節電できるところを見つけていきましょう」


【節約アドバイザー 和田由貴(わだ ゆうき)】
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、環境カウンセラーなど、幅広く省エネや家事の専門家として講演、執筆、テレビ出演など多方面で活動。著書に「暮らしを見直す節電対策」(NHK出版)などがある。
和田由貴オフィシャルサイト

(取材・文/森田浩明)

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