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イラン相手に2連勝を飾った男子日本代表…W杯予選へ向けて得た収穫と課題とは

バスケットボールキング

イラン相手に2連勝を飾った男子日本代表…W杯予選へ向けて得た収穫と課題とは

 イランとの2試合ではスピードを生かした速攻からのレイアップやダンクは、相手にとって明らかにやっかいなものだ。Window4ではワールドカップ本戦出場へ向けて「本気の」イランと対戦する際に、馬場の力に頼るところも大きくなる。

◆リバウンドと出だしが課題

 個々に役割を与えられるのと同様、チーム自体に「長い3ポイントシュート(ロング2)を打たず、ペイントアタックによるリング近くの得点か3ポイント」という「役割」が与えられていることで、選手たちもやるべきことに集中しやすいようだ。

 富樫勇樹(千葉ジェッツ)は仙台で「そこがはっきりしているほうがやりやすい部分はあります。守りでも、1対1となっても最悪、ミドルのシュートに関してはしっかり手を上げてコンテストして、決められたらしょうがない。3ポイントとドライブは止める、と守り方も絞りやすくなる」と話していた。このあたりからも、ホーバスHCが掲げる得点効率を重視した「アナリティック・バスケットボール」の浸透度がうかがえる。

 Window4では現地時間25日にテヘランでイランと対戦し、30日に沖縄でカザフスタンと対戦する。いずれとも近々で対戦しており、アジアカップで戦ったカザフスタンには勝利したものの前半、相手のフィジカルなプレーに押され大量失点を許し、苦しんだ。

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 イランにはベナム・ヤクチャリ、モハマッド・ジャムシディらの個人技と、元NBAビッグマンのハメド・ハダディの狡猾なパスからのカットインプレーなどに対応できず、やはり失点を重ね、敗れている。

「ディフェンスをハードにしてそこからオフェンスにつなげる」はホーバスHCが口酸っぱく選手たちに伝えていることだが、ようやくそれができるようになってきているし、トラップへ行く判断力も上がっているように見受けられる。課題だったスイッチディフェンスでも、同様に判断速度が上がり、かつ選手たちが脚を動かし続けることを徹底されており、改善されている。
 
 対イランでは、強化試合で得点源のジャムシディの得意なフィジカルなプレーやフェイダウェイシュートをさせないようにしむけるディフェンスが奏功するなど、日本コーチ陣の対応力が上がっているところも示している。日本にとってリバウンドはなかば永遠の課題だが、仙台の強化試合でもそこで苦戦したところがあった。

 また、ホーバスHCは改善しつつあると述べる試合の出だしの悪さだが、まだ重たさを感じる。とりわけ3ポイントを期待される選手がタッチをつかむまでに時間がかかっている感があり、自分たちのペースで試合展開を運ぶためには試合直後からシュートを決めたいところだ。

◆富樫と河村の2枚看板

 アジアカップを境に、選手選考においても段々と、ホーバスHCのスタイルに合致する選手が分かってきた。それは上記に挙げた選手たちだ。またポイントガードについても、富樫と河村勇輝(横浜ビー・コルセア―ズ)が2枚看板となりつつある。

 ともに小柄なPG(富樫は167センチ、河村は172センチ)だが、前者は経験から身につけたゲームコントロール力と、プルアップで打てる3ポイントなどによる得点力が、後者は視野の広さを生かした速い展開からのアシストと前から激しく当たってスティールを奪うディフェンス力が売りだ。

 イランとの強化試合では、自ら得点機がありながらリングを見ない姿勢を叱責される場面もあった河村だが、ベンチから出てきて自身のプレーぶりで攻防の強度を上げることができ、ホーバスHCの求めるスタイルを体現できており、評価は高い。

 先に触れた選手たちに加えて張本天傑(名古屋)、吉井裕鷹(アルバルク東京)らも攻防での献身的なプレーで、ホーバスHCの信の篤さを感じる。強化試合では馬場を生かすために初日先発した比江島を翌日には須田を据え、アジアカップでは先発の多かった吉井ではなく井上を起用した。Window4では強化試合を踏まえ、須田や井上を使ってくるか。

 イランとアメリカの関係性により、ホーバスHCとコーリー・ゲインズアソシエイトHCがテヘランでの試合にはチームに帯同しないこととなった。指揮官不在は気になるところだが、ある意味で選手たちがホーバスHCの檄がなくとも自主的に彼のバスケットボールを体現できるかが試される試合になるかもしれない。

◆「パリオリンピックのチケットを獲得したい」

 就任直後にはなかなか思うようにトップ選手たちが招集できず、またリーグ戦中の代表合宿活動期間の短さでなかなか思うようなチーム作りができなかったホーバスHC。だが、今オフでまとまった時間を活動に費やせたことと、試合を数多くこなしてきたことで、徐々に手応えを感じつつあるようだ。

「うちの目標は(W杯で)アジア1位を獲って、パリオリンピックのチケットをパンチ(獲得)したい。アジアで1位になるためのうちの生きる道が少しずつ分かってきました」。同HCは強化試合が終わって、そのように話した。

「これから毎日うまくなっていけば、自信はあります。行けると思います。今の目標は毎日うまくなること。うまくなりたい(とチームが思い続ければ)行けると思います」。

 文=永塚和志

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