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「絶対オカシイ!」仕事熱心で真面目な“リケジョ”の抱く不満とは

幻冬舎ゴールドライフオンライン

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※本記事は、鏡龍太郎氏の小説『京子+宇宙×あんどろいど』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

日常

いつもの景色だった。京子は電車に揺られていた。通勤通学で混みあう車内から見慣れた景色をただ眺めていた。都内の大学へ向かうために。

京子は理系の大学院生であった。いわゆるリケジョである。その大学の広大な敷地は豊かな樹々に囲まれ、環境にも恵まれていた。

彼女は研究室で、一番下っ端だったが、どんな仕事でも嫌がらずにこなした。彼女の仕事は、研究の他にも実験用のマウスの世話や、実験機器の管理、研究データの収集、資料作りなど地味で根気のいるものであったが、彼女に不満や嫌がる素振りなどはなかった。むしろ進んでよくやっていた。

「おはよう、マウスちゃん。今日も元気ですねぇ。ご飯いっぱい食べるんだゾ」

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彼女の一日は、まず、実験用のマウスとの挨拶から始まる。マウスたちの健康状態をチェックし、餌をやりフンの掃除をする。それが済むと、ようやく、彼女の研究が始まる。そんな彼女の研究テーマは……『動物の腸内細菌と、病気との関係性』についてであった。

京子は、早速パソコンの画面を食い入るように見つめ、データを打ち込み、顕微鏡を覗き込み、試験管と駒込ピペットを器用に扱い、三角フラスコで薬品を攪拌し、シャーレ(ガラス製の小皿)で培養した成分を食い入るように覗き込み、予想外の実験結果に頭を抱えたりして、しばらくすると教授がやって来る。

「京子君。この前頼んでおいた資料できてるかなぁ?」

「はい、服部教授。一応こんな感じにまとめておきました。いかがですか?」

「うん。どれどれ、おおっ、良くできてるなぁ。さすが京子君。相変わらずいい仕事するなぁ。ありがとう。たまには京子君に、美味しい珈琲でもご馳走しなきゃな」

「服部教授、珈琲も良いですけど、美味しいスイーツなんてのも良いですよね?」

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