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混パで首位の西武 主力が次々に他球団へFA移籍しても「強さを維持できる理由」とは

週刊ベースボールONLINE

FA、ポスティングが主力が去っても



現在、混戦パ・リーグで首位を行く辻監督率いる西武

 混戦のパ・リーグで、首位をキープしているのが西武だ。今季は強力投手陣を武器にロースコアで勝ち切る強さがある。かつては5点取られても、6点を奪う「山賊打線」で打ち勝つ野球のイメージがあったが、チームカラーも変わりつつある。

 昨年は42年ぶりの最下位に沈んだが、西武が優勝争いに絡むのは日常の風景だ。主力選手がFA、ポスティングシステムなどで他球団に次々流出していることを考えると、「異質のチーム」と言える。以下は他球団にFA移籍した選手たちだ。

95年 工藤公康 ダイエーに移籍
95年 石毛宏典 ダイエーに移籍
97年 清原和博 巨人に移籍
04年 松井稼頭央 米国・メッツに移籍
06年 豊田清  巨人に移籍
08年 和田一浩 中日に移籍
11年 細川亨  ソフトバンクに移籍
11年 土肥義弘 米国・独立リーグのランカスターに移籍
12年 帆足和幸 ソフトバンクに移籍
12年 許銘傑  オリックスに移籍
13年 中島宏之 米国・アスレチックスに移籍
14年 涌井秀章 ロッテに移籍
14年 片岡治大 巨人に移籍
16年 脇谷亮太 巨人に移籍
17年 岸孝之  楽天に移籍
18年 野上亮磨 巨人に移籍
19年 浅村栄斗 楽天に移籍
19年 炭谷銀仁朗 巨人に移籍
20年 秋山翔吾 米国・レッズに移籍

 過去に日米の他球団にFA移籍した選手は19人。これは12球団最多の人数で、エース級の投手や打線で主軸を担う主力選手たちばかりだ。FAだけではない。ポスティングシステムでも2006年に森慎二、08年に松坂大輔、18年に牧田和久、19年に菊池雄星が米国のメジャー・リーグに挑戦している。

菊地、浅村らが抜けても連覇


 毎年のように主力選手が退団しているにもかかわらず、チームが低迷期に入らない。18年に辻監督2年目でリーグ制覇したが、同年オフに菊池、浅村、炭谷と3人が退団。菊池は同年に不動のエースとして14勝4敗をマークし、浅村は打率.310、32本塁打、球団新記録の127打点で打点王を獲得。炭谷も森友哉の台頭で出場機会が減少していたが、捕手としての能力は非常に高い。この3人が抜けたことで戦力ダウンが必至だったが、翌19年もリーグ連覇を飾る。12球団最多の756得点と破壊力抜群の打線で、ソフトバンクに最大8.5ゲーム差をつけられたがシーズン終盤にひっくり返した。CSファイナルステージでソフトバンクに2年連続敗れたため日本シリーズ進出は果たせなかったが、長丁場のペナントレースを制した戦いぶりは称えられるべきだろう。

 今季もシーズン途中で日本復帰を決断した秋山の獲得に乗り出したが復帰は実現せず。懸案だったリードオフマンの補強は叶わなかったが、一番で13選手をスタメン起用するなど状態の良い選手を抜擢してやりくりしている。

高いスカウティング、育成能力



勝ちパターンの一角として奮闘している水上は育成出身だ

 西武を長年取材しているスポーツ紙記者は、「スカウティング、育成能力が高いので低迷期が短い」と分析する。

「西武はソフトバンク、楽天に比べて資金力がある球団ではない。生え抜きを育てなければチーム力が上がりません。他球団と比べて顕著なのは、その選手の特徴を伸ばすことに特化していることです。『言うは易く行うは難し』で、アマチュア時代に嘱望されていた選手もプロ入り後に自分のストロングスタイルを見失い、輝きが消えてしまうケースが少なくない。西武は打球を遠くへ飛ばす資質がある選手に対してファームで三振数が増えてもその数字を責めることはない。足の速い選手にも力強いスイングを求めるので、当てにいくような打撃をしない」

 さらに、こう指摘する。

「下位指名の選手がブレークするケースが非常に多いのも特徴です。先発ローテーションで自己最多の9勝を挙げている與座海人は18年ドラフト5位、先発、中継ぎで奮闘している平井克典は17年ドラフト5位、救援陣を見ると平良海馬は18年ドラフト4位、森脇亮介は19年ドラフト6位、水上由伸は21年育成ドラフト5位での入団です。投球スタイルはさまざまですが、彼らに共通していることは強い直球が投げられること。スカウトが金の卵を発掘し、現場が育成して最大限の能力を引き出す。シンプルですがこれが西武の強さの秘訣だと思います」

 生え抜きの選手が活躍するチームは強い。西武は3年ぶりのリーグ制覇に向け、突き進む。

写真=BBM
 
   

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