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Hakubi主催ライブイベント、”京都藝劇2022”オフィシャルライブレポート!

ジェイタメ

京都発のスリーピースバンド・Hakubiが、8月11日(木)に京都・KBSホールで主催ライブイベント『京都藝劇 2022』を開催した。

同イベントは、2019年に京都・KYOTO MUSEで初開催され、翌2020年はコロナ禍で開催が見送られたものの、2021年は舞台をKBSホールへとスケールアップ。2022年も引き続き同会場に、コロナウイルス感染により惜しくも出演辞退となったユアネスを除いた、映秀。、黒子首、TETORA、hananashiの4組を迎え、Hakubiの夏の大一番を彩った。

昨年の悪天候がうそのような晴天に恵まれた当日、フロアには前回同様手書きのイラスト入りで立ち位置指定がされ、開演前にはHakubiのメンバー自ら前説を実施。片桐(Vo.Gt)はライブ前のルーティンというミット打ちまで披露し、「『京都藝劇』を京都の一大イベントにしていきたい」と意気込んだ。

その意志を受け継ぎこの日の幕開けを飾ったのは、「『京都藝劇 2022』、俺らから始めます! フロム京都hananashi、よろしく!! 精一杯やります」(Vo.Gt / 木村健人、以下同)と口火を切ったhananashi。「僕ら」「セイタカアワダチソウ」と冒頭からしっかりとライブを積み上げてきたのが明白な熱量の高いバンドサウンドで、与えられたチャンスに存分に応えていく。
Photo by 翼、
「俺らも待ちわびてたけど、みんなも待ちわびてた感じがしますね。Hakubiとは同い年で対バンするのは初めてなんですけど、同じ京都を大事にするバンドとしていつか一緒にやらなあかんなと思っていたら、この大一番に誘ってくれました、ありがとう!」と思いを述べた後は、「ato」「ナイトクルージング」「焦がれ」と、歌詞の世界観がビシビシ伝わるメロウでエモーショナルなミドルナンバー群でも魅了。確かなソングライティング力を感じさせ、「譲れないものがあるから、俺らも京都を背負って、命燃やして歌ってます!」と絶叫し、「徒然」「少し先から」と畳み掛けたhananashiの、トップバッターにふさわしい起爆剤的ライブだった。

リハの段階からすさまじいボーカル力で度肝を抜いた映秀。は、バックバンドの強靭なアンサンブルに導かれステージへ。「脱せ」からマイクを片手に華麗にステップし、初見のオーディエンスにすらネクストブレイクを確信させるような圧倒的存在感で、ポエトリーリーディング調のオープニングから引き込まれた流麗な「東京散歩」でも、モノの違いを見せつける。
Photo by 翼、
「Hakubiは高校生のときに聴いていて、そんなバンドに招待してもらえるなんて震えちゃいますね。コロナで生活が変わってしまって悲しくなっちゃう気持ちもあるけど、その反面、そうじゃないと出会えなかったものもあったりして。そこで出会えた一つ一つの苦しみも幸せも全部愛して、音楽にしていけたらなと思います」

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そんな音楽家としての決意を胸に躍動した「星の国から」、壮大なスケールと包容力で歌い上げたバラード「縁」、自ずとクラップが沸き立った「My Friend」と一気に駆け抜け、「もう最後になっちゃった。早い?! むちゃくちゃ楽しいです」との言葉には大いに共感。「踊れるか京都!」とブチ上げた狂乱の「喝采」まで、溢れんばかりの才能をこれでもかと感じさせた20歳、末恐るべし!

転換中のBGMにユアネスの楽曲が流れるなど、Hakubiのホストとしての志が選曲からも漂う中、波打ち際のようなSEを背に現れた三番手の黒子首(ほくろっくび)は、耳に残るコーラスワークが特徴的な「かくれん坊」からスタート。あいさつがてら、田中そい光(Dr)が「Hakubiに呼んでいただけたおかげで、初めて京都に来ることができました。会えてうれしいです~」と収録済みの音声を流すまさかのエアMCでも大いに沸かせ、その後も、「トビウオ愛記(あいしる)」「やさしい怪物」とひとクセあるポップソングの応酬で、ずぶずぶと黒子首の世界に引きずり込んでいく。「Champon」では、堀胃あげは(Vo.Gt)がアンニュイな歌声でナイトクラブ感を醸し出し、こう語る。
Photo by 翼、
「私がコロナにかかってキャンセルしなきゃいけないライブがあったとき、Hakubiの片桐ちゃんが「Champon」をカバーしてくださったんです。私の手元に届いたその動画を見て号泣して…… この気持ちを記しておかないと、と思って作り始めた曲がきっかけとなって、ニューEP『ぼやぁ?じゅ』が完成しました。Hakubiとの出会いがなかったらこの形でEPが完成することはなかったし、初京都でこんな素晴らしい場所に立てる可能性も少なかった。奇跡みたいなことが今、起こっていると思っています。今日という日を選び取れたことを、とっても誇りに思います!」

「水面下の太陽」「前日譚」と、切実に訴えかけるように歌う姿には、問答無用の説得力とピュアネスがある。初出演にして鮮烈な印象を残した黒子首だった。

2年連続の出演となったTETORAは、1曲目の「本音」から人懐っこくもハスキーな歌声に、一瞬にしてとりこに。「もっとドキドキしたいわ! TETORAの最新版で今日は戦います!!」(Vo.Gt / 上野羽有音、以下同)とぶちまけ、重量感と疾走感溢れる「バカ」、「Hakubiが覚悟を持って作ってくれた一日、TETORAも倍返しの覚悟を持ってライブをやります!」と情熱ほとばしるパフォーマンスで魅せた「言葉のレントゲン」と、7月にリリースされたばかりのアルバム『こんな時にかぎって満月か』の収録曲を次々と届けていく。
Photo by 翼、
MCでは、Hakubiの結成5周年を称えながら自らも同期であることを告げ、ライブで判断してくださいと言わんばかりにそのまま「ずるくない人」を放射。胸にずっしりと残るミドルバラードに、思わず誰もが息を飲む。さらに、おのずと見る者の肩が揺れた「今さらわかるな」を経由し、「今年もトリ前に選んでくれてありがとうございます! 音楽に勝ち負けはなくても、いつもお互いに悔しい顔をして、夢中になってバンドをやってる。Hakubiに負けたくないと思ってる。こういうときだってそう。だって、友達以上にライバルやから。戦友やから。今日がどういう日になる? それは誰かが決めるんじゃなくて、気持ちで決まるんです!」と熱い咆哮を上げ、「わざわざ」「Loser for the future」を一心不乱に突き付ける。昨年と一切かぶりなしのセットリストで、予告通り最新で最強のバンド像を見せつけた盟友TETORAが、最後にガチンコの挑戦状とも言えるバトンを叩きつけた。

大きな拍手で迎えられた大トリのHakubiは、紫の光に照らされながら同期を駆使した巧みなサウンドデザインで「Twilight」を聴かせ、KBSホールをブチ抜くような片桐のボーカルしかり、まずは言葉ではなく音楽で、主催者としての覚悟を知らしめる。「辿る」の曲間では過去の『京都藝劇』を走馬灯のように振り返り、ここにいる誰一人置いていかないというまなざしで熱唱する。

「京都のhananashiから始まって、映秀。くん、黒子首、TETORA。そして、今日は残念ながら出演がキャンセルになったユアネス。今日一日、目撃してよかったと思えるような時間を作ります」(片桐、以下同)との宣言の後、「Friday」でも洗練されたビートと叙情が共存する、これぞHakubiなサウンドスケープを構築。出演者たちの熱のこもったバトンリレーを受け、一心に己の音を鳴らしていく。

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