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『アベンジャーズ』公開10周年、アイアンマンにキャプテン・アメリカ、ソーら初期メンバー6人の足跡を辿る

MOVIE WALKER PRESS

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『アベンジャーズ』公開10周年、アイアンマンにキャプテン・アメリカ、ソーら初期メンバー6人の足跡を辿る

※本記事は、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の重要な展開に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

2012年8月14日は、「日本よ、これが映画だ。」というインパクト大のキャッチコピーも話題となった、映画史に残る1本『アベンジャーズ』が日本で公開された日である。つまり、本日2022年8月14日は、『アベンジャーズ』公開から10周年という記念すべき日なのだ。

2008年に公開された『アイアンマン』を皮切りにスタートしたMCUは、『インクレディブル・ハルク』(08)、『アイアンマン2』(10)、『マイティ・ソー』(11)、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11)という5作品において、まったく異なる出自のヒーローたちの物語をそれぞれ描き、それが『アベンジャーズ』へ集約するという、これまでの劇場映画にはない壮大なコンセプト「同一の世界観を共有するヒーローユニバースの成立」を見事に実現。『アベンジャーズ』は、公開当時の世界興行収入ランキングで歴代3位に踊りでた。また、シリーズ開始から14年が経過した現在でもMCUの世界観が拡大し続けていることでも、その試みが映画史に与えた影響の大きさがわかるだろう。

その後、ヒーローチーム、アベンジャーズの戦いは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)の4作品にわたって、メンバーが追加されながら描かれていく。今回は、『アベンジャーズ』の日本公開10周年を記念して、常に戦いの中心にいた、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイのオリジナルメンバーのヒストリーを振り返っていきたい。

■その命を賭して、皆を救ったアイアンマン

アベンジャーズの原点になった人物と言えば、ロバート・ダウニー・Jr.が演じたアイアンマンことトニー・スターク。巨大軍産複合企業スターク・インダストリーズのCEOにして、天才発明家であるトニーは、中東で行った自社兵器のデモンストレーションのあとにテロリスト集団に拉致され、そこからの脱出の手段として、小型のアークリアクターと手製のアイアンマンスーツを作ったことからヒーローとしての道を歩み始める。

科学的な分析眼を持ち、万能に近い発明能力によってアベンジャーズの中核メンバーとして活躍していくトニー。だが、アイアンマンスーツを着ていなければ普通の人間であるがゆえに、宇宙からの脅威に直面した『アベンジャーズ』での戦闘後、アイアンマンアーマーを作り続けて対処しようとする「アーマー依存症」に陥ってしまう。さらには、人工知能による防衛システムを作りだそうとした結果、ウルトロンを生みだしてしまうなど“負”の経験も数多く踏んできた。また、エゴイスティックな性格ゆえに、仲間よりも自分の考えを優先し、キャプテン・アメリカとの間に亀裂が生まれてしまうなど、ヒーローとしては多くの問題を抱えた人物でもあった。

しかし、サノスとの戦いで手痛い敗北を経験し、自身を慕っていたスパイダーマン=ピーター・パーカーの消失に直面したことで、自己犠牲の可能性があっても人類を救うための行動を取ることを決意。自身の命と引き換えにサノスの軍勢をインフィニティ・ストーンで消し去り、真のヒーローとなった。

アイアンマンの命は失われてしまったが、その技術は、親友であるジェームズ・“ローディ”・ローズの着るウォーマシンとして息づいており、彼が登場するドラマシリーズ「アーマー・ウォーズ」では、トニーの技術的な遺産について語られると思われる。また、トニーと同じく天才的発明家である少女リリ・ウィリアムズが活躍する「アイアンハート」のドラマシリーズも制作中であり、アイアンマンのレガシーはまだまだMCUに生き続けているのだ。

■卓越したリーダーシップでアベンジャーズを率いる、キャプテン・アメリカ

アイアンマンと並んでアベンジャーズを代表する人物と言えば、クリス・エヴァンスが演じたキャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース。第二次世界大戦中に超人血清を投与されたことで、最初のスーパーヒーローであるキャプテン・アメリカとなり、コズミックキューブのエネルギーを武器に転用するレッドスカル率いる秘密結社ヒドラと戦った。自身を犠牲にしてヒドラから世界を救ったキャプテン・アメリカは、北極海に沈む。しかし、約70年の時を経て、S.H.I.E.L.D.によって氷の中から仮死状態で発見され、現代に蘇る。

アベンジャーズが結成されるとリーダー的な存在として的確な指示を出し、ニューヨークでのチタウリとの戦いにおいてチームを勝利へ導いた。その一方で、独自判断を続けるアイアンマンとは反目することが多くなり、ウルトロンに端を発したソコヴィアの事件をきっかけに、アイアンマンとの信頼関係に亀裂が…。ヒドラに洗脳されて暗殺者ウィンター・ソルジャーとして暗躍していたかつての親友、バッキーの支えになろうとしていたが、彼にワカンダ王国国王の暗殺容疑がかけられてしまう。この事件を巡る戦いでは、バッキーがトニーの両親を暗殺していた過去も明らかになり、アイアンマンとは完全に対立することになってしまった。

その後、キャプテン・アメリカはブラック・ウィドウやファルコン=サム・ウィルソンたちと独自行動を取っていたが、サノスの脅威に直面して、アイアンマンとも和解。再び共に戦う道を選ぶ。サノスの軍勢を相手に仲間が次々と倒れ、自身も深く傷つくが、何度も立ち上がってはアベンジャーズのリーダーとしての誇りを見せつけた。サノスに勝利したあとは、インフィニティ・ストーンをそれぞれの場所に戻す時空の旅へと向かい、最後に自身が北極海に沈んだ直後の時代に行き、最愛の人との果たせなかった約束を果たす。70年の時を経て老人になったキャプテン・アメリカは、彼の象徴である盾を相棒のサムへと託すのだった。

盾を託されながらもそれを素直に受け取れなかったサムがバッキーと共に新たな脅威に立ち向かう物語は、ドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で描かれ、サムは新たなキャプテン・アメリカとなることを決意。その後の物語は、『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』(2024年5月3日米公開)へと続いていく。

■神々の国アスガルドからやって来た雷神・ソー

アベンジャーズのもう一人の顔役となるのが神々の国アスガルド出身の雷神ソーで、クリス・ヘムズワースが演じている。その傲慢さから父オーディンの怒りを買い、彼の最大の武器でもあるムジョルニアを取り上げられ、地球に送られたソーは、天文学者のジェーンと出会ったことで愛を知り、高潔さを取り戻す。当初は、弟のロキとの確執が火種となり、アスガルドでの戦い、そしてニューヨークでのチタウリによる襲撃などの事件が起こってしまうが、アスガルドをねらったダーク・エルフたちとの戦いや、姉である死の女神ヘラとの戦いを経ることで、ロキとも和解を果たす。

しかし、ヘラが起こした厄災「ラグナロク」によってアスガルドは崩壊。さらに、アスガルドの避難民を率いて宇宙を漂流するなかでサノスの艦隊による襲撃を受け、ロキは殺され、ソー自身も大敗を喫してしまう。新たな武器、ストームブレイカーを手に入れ、ワカンダを襲うサノスの軍勢を蹴散らすも、詰めの甘さからサノスを倒しきることができず、目の前で全宇宙の半分の生命が消えるのを止めることができなかった。失意のどん底に陥った彼は自暴自棄になってしまうが、過去への旅でかつて救えなかった母親と再会したことから奮起し、ムジョルニアとストームブレイカーを握りしめ、三度サノスへと立ち向かう。

サノスとの最終決戦後は、アイアンマンが戦死し、キャプテン・アメリカもヒーローから身を引くが、ソーは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメンバーと一緒に宇宙へ。シリーズ4作目となる『ソー:ラブ&サンダー』(公開中)では、すべての神を殺そうとするゴアを倒すため、ムジョルニアを手にしたことでマイティ・ソーとなったジェーンと共に新たな戦いに挑む姿が描かれた。本作以降もソーはMCU作品に登場することが発表されており、その活躍をまだまだ追っていきたい。

■能力に苦悩し続けた、緑の大男ハルク

『インクレディブル・ハルク』ではエドワード・ノートン、『アベンジャーズ』以降はマーク・ラファロが演じているハルクことブルース・バナー博士。キャプテン・アメリカ誕生のきっかけとなった「スーパーソルジャー計画」の再現実験とも言える人体強化実験に従事していた天才科学者のバナーは、自らの肉体を実験台にしてガンマ線照射を試みた結果、緑色の大男に変身してしまい、軍から追われる身に。実験の責任者であったロス将軍がバナーを捕獲するために軍人のブロンスキーを招集するが、彼がハルクの血清を自身に投与したため、アボミネーションへと変身し暴走。バナーは軍に協力してアボミネーションを捕獲するが、再び流浪の道を選ぶことになった。

その後、アベンジャーズに加わり、大きな戦力として活躍するも、『エイジ・オブ・ウルトロン』でワンダの精神攻撃によって正気を失い、ヨハネスブルグの街を破壊。ハルクの制御に自信をなくしたバナーは三度逃亡の道を選んでしまう。アベンジャーズから距離をとったハルクは、辺境の惑星サカールの闘技場で闘士として活躍していたところ、そこへ飛ばされてきたソーと再会を果たす。ヘラによって窮地にさらされるアスガルドを救うべく、ソーやロキ、ヴァルキリーと共に戦った。

アスガルド崩壊後は、脱出した船で移動している矢先にサノスの襲撃に遭い、反撃するもまったく歯が立たずに敗北。地球にサノスの脅威が近づいていることを知らせる役目として、ドクター・ストレンジのもとに送られるが、敗北のショックでハルクに変身できなくなってしまう。その後、バナーはハルクとの融合を試みることで、バナーの精神のままハルクとして行動できるようになり、サノスとの戦いでは頭脳面でも大きな役割を果たすことになる。

ハルクと融合したバナーのその後の動向は、ハルクの血液を受け継いでしまったがために同様の力を持ってしまった彼の従姉妹、ジェニファー・ウォルターズが活躍するドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アートニー」(8月18日配信開始)で明らかになりそうだ。

■愛する“家族=アベンジャーズ”を常に支えてきた、ブラック・ウィドウ

アベンジャーズのメンバーで、アイアンマンに次ぐ古株となるのが、スカーレット・ヨハンソン演じる、“ブラック・ウィドウ”のコードネームで活躍するナターシャ・ロマノフ。『アイアンマン2』でS.H.I.E.L.D.のエージェントとして初登場し、『アベンジャーズ』ではロキをも翻弄するやり手ぶりや、生身の人間ながらもチタウリを相手に高い戦闘能力を披露。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14)では、ヒドラに乗っ取られたS.H.I.E.L.D.からの逃亡を図るキャプテン・アメリカをサポートするなど、MCUにおける諜報という暗部の世界観を補強する役目を担ってきた。

『エイジ・オブ・ウルトロン』ではバナーとの恋愛関係も描かれ、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)では、ヒーローを政府が管理する「ソコヴィア協定」推進派のアイアンマン側に付きつつ、最後にはキャプテン・アメリカに協力するなど、スパイという立場をうまく使った影の立役者としての存在感を示してきた。

そして、『エンドゲーム』では世界を元に戻すための鍵となるソウルストーンを手に入れるため、自らの命を犠牲に…。普段は言葉や態度には出さないものの、アベンジャーズを自分の家族だと信じ、彼らを守ろうと行動した姿が強く印象に残った。アベンジャーズのメンバーたちは、どこかしら我が道を進んでいるのに対し、ナターシャは冷静な視点でチーム全体を俯瞰する役回りを担ってきたと言えるだろう。

ナターシャの唯一にして最後の主人公作品として製作された『ブラック・ウィドウ』(21)は、『シビル・ウォー』と『インフィニティ・ウォー』の間に位置する物語であり、かつて一緒に暮らした疑似家族との絆、これまで描かれなかった彼女の過去が語られている。ちなみに、ナターシャが『インフィニティ・ウォー』で着ているベストは本作に登場する妹エレーナからもらったものであり、『エンドゲーム』序盤でナターシャの髪の色が金髪なのも彼女を意識したものだと言われている。そうした要素を基に作品を見直すことができるのも、MCUならではのおもしろさだ。そして、積み上げられてきたナターシャの遺志は、これからはエレーナに引き継がれていくのだろう。

■家族想いの面も印象的だった弓使い、ホークアイ

アベンジャーズ初期メンバーのなかでは比較的出番が少ないながら、もっとも日常を含めた内面が描かれた人物と言えば、ジェレミー・レナー演じるクリント・バートン=ホークアイ。初登場は『マイティ・ソー』のわずかなシーンで、本格的な登場は『アベンジャーズ』から。しかし、残念ながら早々に、ロキのマインドコントロールによって操られてしまい、物語の前半は敵としてその戦闘能力の高さを披露することに。後半からは正気を取り戻し、アベンジャーズに合流。前半の憂さを晴らすかのように人間離れした正確無比な弓矢の腕を見せつける。『エイジ・オブ・ウルトロン』では妻子がいることが明かされ、行き場をなくしたアベンジャーズのメンバーを匿い、新たに仲間に加わった悩めるワンダを導くなど、ヒーローたちのなかでは常識的な考えを持つ人物として描かれてきた。

一度はアベンジャーズから脱退したものの、『シビル・ウォー』ではキャプテン・アメリカのために復帰し、国家に反逆する側についたとされて収監されてしまう。その後、家族のために司法取引に応じてヒーロー活動を控えていたため、『インフィニティ・ウォー』には未登場だったが、サノスの“指パッチン”によって自分以外の家族は消えてしまい、自暴自棄になったクリントは、“ローニン”を名乗って世に蔓延る悪人を粛清して回っていた。ナターシャの働きかけによってアベンジャーズに戻ってきた彼は、かつての相棒同士でソウルストーンを手に入れようとするが、目の前で彼女を失ってしまう。

『エンドゲーム』後は、ドラマシリーズ「ホークアイ」に主役として登場。ヒーローを引退し、家族とニューヨークに訪れていたクリントは、かつてローニンとして活動していたことが影響を与えている事件に遭遇。闇社会を巻き込む戦いのなかで、クリントは自分に憧れ射手としての腕を磨いてきた少女、ケイト・ビショップと出会い事件を解決し、彼女に“ホークアイ”の愛称を譲るまでの活躍が描かれた。

初期メンバー6人のうち、トニーとナターシャは死亡、スティーブとクリントは引退しており、現在残っているのはソーとバナーの2人のみ。寂しい限りではあるが、改めて10年という月日を振り返ると、そうした変化が訪れたことにも納得できる。世代交代が進むアベンジャーズには、今後どのような変化が待っているのだろうか?受け継がれた彼らの意思がどのように開花するのかも含めて、MCUの今後の展開に期待したい。

文/石井誠

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