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“超攻撃姿勢”でたどりついた涙の初V 岩井千怜が信念貫いた2オン挑戦「攻めたらかっこいいかなって」

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“超攻撃姿勢”でたどりついた涙の初V 岩井千怜が信念貫いた2オン挑戦「攻めたらかっこいいかなって」

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日◇14日◇軽井沢72ゴルフ 北コース(長野県)◇6679ヤード・パー72>

2打リードで迎えた最終18番。2メートルのパーパットがカップに蹴られた時は、思わず苦笑いがこぼれる。それでも返しのボギーパットを沈めるとそれは晴れやかな笑顔に変わり、次の瞬間、涙が止まらなくなった。そのまま両手を挙げて「やったー!」と無意識のおたけび。昨年6月に最終プロテストに合格したばかりのルーキー・岩井千怜(ちさと)が、緑が映える軽井沢でツアー初優勝をつかんだ。


「今年はQTで失敗(90位)したけど、自分でチャンスをつかんできた。苦しいこともあったけど、努力してきてよかったなって。それが報われたと思って、多分泣いたんだと思います(笑)」

表彰式などを終えて会見に臨んだ時は、先ほどまで流れていた涙もすっかり乾き、いつもの笑顔を見せる。ただラウンド中は、気合に満ちあふれた眼差しが印象的だった。

吉本ひかると並ぶトップで、午前10時10分、最終組の一人としてファーストショットを打った。「今回はワクワクのほうが少し多かったです」。ただ緊張も抑えることはできない。序盤から先を行く選手たちも含め、予想通りのバーディ合戦が展開されるなか、岩井は前半を終えて1つ伸ばしただけ。「きょうは目標スコアを4つ(アンダー)と考えていた。周りが伸ばしても、自分のペースで。焦りはあまりなかった」。

その雰囲気が大きく変わったのが10番パー4だった。4.5メートルのバーディパットを決めて1打ビハインドだった吉本に追いつくと、何度も右手の拳を振り下ろす。ボールをカップから拾い、もう一振り。「ここでバーディを獲ったら、流れが来るなと思った」。折り返し直後のクラッチパットだった。するとその言葉通り、続く11番で4.5メートルのバーディパットが決まり、再び力強いガッツポーズを繰り出す。「気持ちの入ったバーディパットが決まると、(ガッツポーズが)出てしまいますね」。自らを鼓舞し、流れを手繰り寄せた。

強い気持ちが伝わってきたのは、その場面だけではない。グリーンの前に池が待ち構える16番パー5では、2打リードの状態ながら果敢に2オンを狙った。「見ていてワクワクするようなプレーがしたい。勝つには攻めるしかない。あそこでも攻めることができればかっこいいかな」。グリーンをとらえることはできなかったが、スタイルは貫き通した。リーダーボードを初めて見たのは、18番の2打目を打ち終わった後。「どの位置で回ってたかは気にしないでやってました」。ひたすらピンを狙うことに集中する一日だった。

アマチュア時代には双子の姉である明愛(あきえ)を「イケイケ」、自らを「堅実」と評していた。昨年のQTでは「守っていた」とも振り返る。しかし、その結果、今季の前半戦出場権を確保することに失敗。「それが終わってから一皮むけました。私はこんなもんじゃないと思って練習してきました。悔しさがあった」。ここを境に“イケイケ”のゴルフが妹にも芽生えてきた。

最後は同期と一緒に、姉もグリーンサイドで戦況を見守った。優勝後は涙を流しながらハグでよろこびを分かち合う。「双子でゴルフをやっていると、『どっちかが上だね』とか言われるけど、その言葉が刺激になる。どちらかが上位だと、うれしいけど、自分も負けないように頑張ろうと思える」。自分が優勝する姿が姉への刺激になっていると思うか、という質問にも「そう思います」と即答。これからも互いを高め合う存在に変わりはない。

ラストシーンは手の震えが止まらず、パターを思うように振ることができなかった。強い気持ちを保ち続けるなか、唯一見せたルーキーらしい姿ともいえる。「自分にもできるんだなっていう自信になった。この自信を次の優勝につなげられると思う」。今後の目標は、この勝利で出場権を得た「日本女子オープン」(9月29日〜10月2日、千葉県・紫CC・すみれC)での活躍。「ぜひ勝ちたいです!」。この大舞台でも、攻撃的なゴルフでギャラリーの歓声を引き出すつもりだ。(文・間宮輝憲)

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