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『ちむどんどん』暢子の東京での軌跡 「アッラ・フォンターナ」編の日々をおさらい

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『ちむどんどん』(写真提供=NHK)

 沖縄で育った少女が、東京で料理人になる様子を描くNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。ヒロイン・暢子(黒島結菜)らの人生とともに丁寧に描かれるのは、物語のテーマでもある「食」だ。沖縄料理やイタリアンはもちろん、暢子の創作料理まで、その豊富なメニューに朝からつい胃袋を刺激される。そうした料理を提供する場の一つであり、暢子が上京した時から世話になっているのが、イタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」である。今回は、これまで描かれてきた様々な出来事の舞台になったフォンターナに焦点をあてながら、その歴史を振り返っていきたい。

【写真】「アッラ・フォンターナ」初期メンバー

 フォンターナは、銀座の路地裏に位置する。オーナーの房子(原田美枝子)がこの路地にある店で料理本や洋書、アンティークの食器などを見るのが好きだったことから、この場所にオープンすることになったという裏設定もあるようだ。店名の由来は房子の愛読書に関係しているとのことだが、暢子の結婚式でそれがイタリア語で「泉」を意味し、ニーチェの言葉から取ったと語っている。築20年以上経つ古びた外観に反し、華やかなしつらえの店内はイタリアを感じさせるアーチを配した造りになっている。(※1)

 そして暢子にとってのフォンターナは、上京初日に友人の早苗(高田夏帆)に連れられて食事をした場所でもある。さらに縁あって、暢子はこの「東京で一番の西洋料理店」で働き始めることに。今となっては懐かしい暢子の修行のはじまりだ。

 フォンターナでシェフを務めるのは、腕は一流、人柄もよく気配りもできる二ツ橋(髙嶋政伸)だ。10年以上もオーナーの右腕としてがんばってきた逸材でもある。だが第10週では、その二ツ橋が実家を継ぐために店を辞めようとする騒ぎも起きる。これを機に、二ツ橋が房子に恋心を持っており10年前には一度結婚を申し込んだという事実も発覚。このときプロポーズは断られたものの、その後も恋心は持ち続けているようだ。結局、実家には戻らなくても良いことになり退職願は撤回された。

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 長く暢子や二ツ橋と厨房に立っていた矢作(井之脇海)たち3人が、挨拶もなしに退職届だけを置いて突然消えてしまうという事件もあった。この日は40人余りの客が来店することになっておりお店は大ピンチ。オーナーの房子が自ら厨房に入ることで事なきを得たとともに、このエピソードでは改めて房子が料理人として一流の腕を持つことが証明される。しかし、この時に店を辞めた矢作は後々、さらなる問題をフォンターナに持ち込むことになる。

 長らく音沙汰のなかった矢作がオーナーを訪ねて店を訪れる。その姿は黒いサングラスに黒のストライプ柄のスーツ。どうみてもまともな仕事をしているような風貌ではない。店の経営に失敗し多額の借金を抱えていた矢作は、突然大声で「退職金をもらいにきた」と叫び暢子らを驚かせた。その後、矢作が店の権利書を盗んで借金の肩代わりにあてたことで、フォンターナは金貸しからひどい嫌がらせを受けるようになる。一時は客足も途絶え、店を継続するのも危ぶまれたフォンターナだが、この一件は房子がかつて恋仲であった三郎(片岡鶴太郎)により無事に収められることになる。

 誰もがおいしいと喜ぶ料理を提供するフォンターナだが、実は「おいしくない料理」を出したことも。それは、和彦(宮沢氷魚)の母・重子(鈴木保奈美)の思い出を呼び起こすための、戦後の闇市の味だった。これをきっかけに重子は暢子と和彦の結婚を認め、2人はフォンターナで結婚式をひらくことに。

 こうして振り返るとフォンターナを舞台に、実に様々な出来事があったわけだが、中には思いもよらぬものも。特に驚きなのは、初登場当時、暢子の良き先輩になってくれるであろうと期待された矢作が、後々大問題を持ち込んだことではないだろうか。とはいえ、どれもが暢子の人生にとってかけがえのない経験であることに違いはない。暢子の東京での軌跡とともに、いつもそばにあり続けた「アッラ・フォンターナ」。これからもその歴史を更新し続けるのだろう。

・参照
※1. https://www.nhk.or.jp/chimudondon/topics/interview/14.html

(Nana Numoto)

 
   

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