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最大の敵は自分の虚弱体質!『スペランカー』の死にやすさはボス戦よりキツかった

インサイド

さまざまなゲームに登場するボスキャラの魅力をあらためて掘り下げる連載「僕らのボスキャラ列伝」。第21回は『スペランカー』の主人公…の、ボス戦のようにゲームを難しくするレベルの虚弱体質を紹介します。
体を張ったギャグ!?探検家だけど虚弱体質!
「テンケテンケテンケテンケ テンテンテン…」。『スペランカー』の名を聞くと、このメロディが脳裏をよぎる人もいることでしょう。そう、主人公たるスペランカーが死んだときのメロディです。どれだけ軽率に命を散らせば気が済むのか…!?

『スペランカー』は、アタリ社製のホームコンピューターである「Atari 8ビット・コンピュータ」で1983年に発売されたステージクリア型アクションゲームです。タイトルである「スペランカー(spelunker)」は英語で「洞窟探検家」という意味で、本作はそんな探検家を操って、洞窟の地下深くに眠るという財宝を探します。

本稿では、アイレムによって1985年に発売されたファミコン版を取り上げます。このファミコン版『スペランカー』は、発売当時ものすごく話題になりました。何が話題になったかというと、主人公が本当にひ弱なんです。身長と同じくらいの高さから飛び降りたら死亡。頭上のコウモリを倒すために打ち上げたフラッシュの落ちてきた破片に当たっても死亡。ブラスターで霧散した幽霊…の残りカスのようなものに触れても死亡。もはや死亡事例のバーゲンセールです。

彼がしているのは洞窟探検ではなく、いかに早く命を散らせるかのエクストリームスポーツではないかと思えてきます。本作にはいわゆる「ボス敵」は登場しませんが、主人公の死にやすさは「プレイヤーにとって最大の敵である」とも言えそうです。

メーカーとプラットフォーマーが満場一致で認めるひ弱さ
2022年現在、『スペランカー』シリーズの権利はTozai Gamesが保有しています。そしてファミコン版『スペランカー』はWii/3DS/Wii U用のバーチャルコンソールでも配信されましたが、Tozai Gamesの公式サイトでその紹介ページを見ると「とにかく弱い男が主人公」という身も蓋もないフレーズが。

また、2021年7月には、2009年配信『みんなでスペランカー』のリメイク作品『元祖みんなでスぺランカー』がPS4とスイッチでリリースされましたが、PlayStation JapanがYouTubeで公開した同作のオフィシャルプレイ動画を見るとここでも「虚弱体質の主人公」とテロップがバッチリ。

そして、各ストアの作品ページにも「スペランカーはやや弱く、身長程の高さから落ちたり、コウモリの糞に触れるなど些細なことでミスとなってしまう」と書かれています。違う、それはもう「やや」じゃない…!

このように、スペランカーの打たれ弱さはプレイヤーの間で語り草となるばかりでなく、メーカーやプラットフォーマーからもイジられているのでした。認めよう、お前のその弱さを…!

ひ弱だけど、ダメではなかった
とはいえ、主人公がひ弱だからダメなゲームなのかというと、そうではないのが本作のユニークなところ。このひ弱さは調整ミスなどではなく意図的なもののようで、ファミコン版はそれを前提にしていると思われるステージ構成になっていました。

表現が難しいのですが、「スペランカー自身は理不尽なことでも死ぬが、ゲームとしては理不尽なわけではない」とでも言えばよいでしょうか? 難度が高めのゲームではあるのですが、彼のひ弱さに慣れてくると、ひょいひょいと結構テンポよく進めたりするんですよね。そうしたアクションゲームとしての作り込みを評価するプレイヤーもいるようです。

彼の死にやすさは上述した『みんなでスペランカー』などでも変わりありませんが、複数人で同時に遊べるマルチプレイでは全プレイヤーで共有する残機が30も用意され、「またかー!」と楽しく笑いながら死ねるゲームになりました。死をエンタメに昇華するその姿は「さすがゲーム史上最弱と名高いスペランカー先生!」というほかありません。

『スペランカー』シリーズ最新作『元祖みんなでスペランカー』はPS4/スイッチで発売・配信中。スイッチのダウンロード版は、2022年8月17日(水)までの期間限定で半額セールが実施中です。

 
   

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