top_line

インストール不要ですぐ遊べる!
無料ゲームはここからプレイ

子役から大人の実力派俳優へ…すでに芸歴17年を迎えたヨ・ジングの魅力に迫る

MOVIE WALKER PRESS

8月13日に誕生日を迎え、25歳(韓国の数え方では26歳)になった俳優ヨ・ジング。2005年に韓国で公開された映画『Sad Movie サッド・ムービー』でのデビュー以来、すでに芸歴17年。途切れることなくドラマ・映画に出演し、“天才子役”から実力派俳優に華麗にシフトチェンジした。最新主演ドラマ「LINK:ふたりのシンパシー」(ディズニープラス「STAR」にて全話配信中)も好評を呼んだ彼の魅力に迫っていきたい。
■すでに芸歴17年!「太陽を抱く月」など子役時代から評価されてきた演技力

ヨ・ジングは、現在までにカメオ出演を含めると30本近いドラマ、10本以上の映画に出演している。キャリア序盤は、子役としていくつもの主役の少年時代を演じて物語の序盤を支え、特に2012年の時代劇「太陽を抱く月」では、主役、イ・フォン(キム・スヒョン)の少年時代で強烈な印象を残した。このドラマは視聴率40%超えの大ヒットとなったが、その原動力は子ども時代のターンだったと言われており、彼の泣きの演技にもらい泣きする視聴者から、出番が終わってしまうことを惜しむ声が殺到した。

続けて、「太陽を抱く月」と同じくキム・ソヒョンとの共演作で、主役のユチョンの子ども時代を演じた「会いたい」でも、外では心の傷を隠してどこにでもいる中学生のようにふるまい、家では無口で無愛想な二面性を持つ複雑な役柄を丁寧に演じ、せつない恋模様もあいまって視聴者の心をわしづかみにした。

そんなキャリアを築いていくなか、映画『ファイ 悪魔に育てられた少年』(13)でイメージを一変。この作品で、彼は5人の強盗殺人集団に育てられ、殺人と暴力に手を染めるとてつもない残酷な運命を背負った少年を演じているが、その心の動きを見事に昇華する熱演で、数々の新人賞を獲得した。余談だが、この作品は暴力シーンのためにR指定が付き、公開当時ヨ・ジングは自分が出ているにもかかわらず観ることができなかった。

この作品は、ヨ・ジングにとって「大人の俳優への足掛かり」と言われたが、当の本人は、特に意識しなかったそう。「すべての物事には最適な時期がある。自然な流れにまかせるのが一番。“早く子役から抜け出そう”と思ったことはないんです」と、当時のインタビューで語っている。そんな自然体の姿勢こそが、彼が違和感なく大人の俳優へシフトチェンジできた理由だ。

その後も順調にキャリアを積んでいき、19年に「王になった男」で俳優としての評価を一気に上げて飛躍する。本作は、イ・ビョンホン主演の同名映画のドラマ版リメイクで、ヨ・ジングは瓜二つの顔を持つ王と道化の二役を鮮やかに演じ分けた。

道化のハソン役では、はつらつとしたエネルギー溢れる姿、王のイ・ホン役では権力欲が強い反面、命をねらわれているという被害妄想にとらわれた、時に狂気じみた姿で、新たな表情を見せた。イ・ホンの残忍で冷酷な目は、画面越しでもゾッとするほどだった。また、王の姿の2人が対峙するシーンでは、立ち姿や首を動かす角度、目つきなど細かい部分まで神経を注ぎ、“同じ顔を持つ別人”を見事に表現した。

■IUとのケミストリーも抜群だった「ホテルデルーナ」や転機となった「怪物」

ラブコメ「絶対彼氏」で視聴者をうっとりさせたり、IUとの共演が話題となったハートウォーミングなファンタジー「ホテルデルーナ~月明かりの恋人」で幽霊専門のホテルの支配人に扮したりした後、またまた彼の転機となるドラマ「怪物」に出演。

「怪物」は、片田舎で起きた連続殺人事件の謎を追う2人の警察官を主役にした心理スリラー。20年前の殺人事件も絡み、閉鎖的な人間関係のなかで思いもよらない事件の闇が明らかになっていく。伏線の見事な回収っぷり、緊張感漂う描写が観る者を引きつけた。彼はソウルから赴任してきた、秘密を抱えた気難しいエリート警部補を演じ、パートナーの巡査部長を演じた名優、シン・ハギュンと見ごたえのある心理合戦を繰り広げた。この作品を通して、ここ数年間生じていた自分の演技への迷いに対する答えが少しわかってきたと語っている。

■バラエティでも天然キャラを発揮で魅力爆発!

俳優として成長を続けるヨ・ジングだが、バラエティでも魅力を爆発させている。タイ料理のキッチンカーを本場のタイで出し、現地の人々に受け入れられるかどうかに密着した「現地で食べてくれるかな?タイ編」や、先輩俳優とキャンピングカーで韓国を周る「車輪のついた家」といったリアリティ番組では、末っ子として率先して働き、持ち前の明るさでムードメーカーとなっていた。本人は一生懸命だが、どこかヌケていて、スイカジュース作りにモタモタしていたら、どんどん客の列が伸びて大慌てになったり、キャンピングカーでチゲを何時間も煮込んでしまったり、シッケ(発酵飲料)を猛暑で発酵させてしまったり…。また、ミニコントに乗っかったり、オヤジギャグを言ったりとギャップのある人柄も魅力的だ。

また2021年には、ガールズグループ“kep1er”を生んだサバイバル番組「Girls Planet999」でMCを務めた。自らもオーディションに何度も落ちた過去があるからこそ、出場者がつらい時に支えになりたい、と思ったのが出演の動機だそう。順位発表で落ちていく少女を優しくいたわるなど、頼れる存在となっていた。

■“鼓膜泥棒”する、魅惑の低音ボイス

そして、最大の魅力の低音ボイス。10代のころはコンプレックスで、話をするのもイヤだったこともあるんだとか。「声がセクシー」と夢中になるファンは多く、韓国では女性が年下男子に対して「オッパ」(親しい年上男性への呼称)と呼ぶことは基本ありえないが、彼に堕ちる年上女性が増えると共に、「素敵だったら年下でも“オッパ”って呼んじゃう」という流れを生んだ。

■料理人に教えを受けて挑んだシェフ役…「LINK:ふたりのシンパシー」

演技、バラエティ、MC…と幅広く活躍し、「ジャンルを限定しない、オールラウンダーな俳優になりたい」という彼が選んだ最新出演作が「LINK:ふたりのシンパシー」。彼にとっては久々のラブコメとなる。

本作で演じているのは、テレパシーにより、双子の妹の感情とリンクしていたが、妹が行方不明になって以来その能力が消えてしまったゲフン役。しかし18年経ったある日、突然何者かの感情を感じ取れるようになり、その感情の主を探すために妹が消えた町に戻ったところ、感情の主の女性と出会う。なぜ2人はつながったのか、また、この町が隠している秘密はなんなのか…。18年前の事件で傷を受けた人々を癒すヒューマン・ミステリー&感情共有ファンタジー・ロマンスという、新たなジャンルミックス作品だ。

本作で演じているキャラクターははシェフの役だが、普段の彼も料理が趣味。その腕前は前述の「車輪のついた家」などでも披露済みだ。だが、今回はプロの設定なので、本物のシェフに、料理の基礎から一流レストランの料理人の態度まで学んだそう。また、お店で一日見習いとして働いて、実際のキッチンの流れや雰囲気もつかんだとのこと。毎回役柄に真摯に向き合い理解を深めようとする努力が、キャラクターにリアリティを持たせ、没入度を高めている理由なのだろう。

ムン・ガヨンとは子役時代に2度共演していて、今回が大人になってから初の再会。旧知の仲なので、最初からとてもリラックスして撮影できたとのこと。アドリブもふんだんに入れて息の合ったところを見せている。彼は、このドラマの気に入ってる点として、彼は「食事を通して2人の距離が縮まっていくところ」を挙げており、2人が近づいていく過程も楽しんでほしい、と語っていた。

ヨ・ジングは漢字で書くと「珍九」。9つの宝に恵まれるという意味が込められているんだそう。名前の通り、いくつもの才能に恵まれている彼だが、この先もまだまだたくさんの宝に恵まれるはず。どう活躍の幅を広げていくのか、楽しみしかない。次回作は、2000年に公開された同名映画のリメイク『リメンバー・ミー(仮題)』。時空を超えたロマンスを演じる彼の演技がいまから待ち遠しい。

文/鳥居美保
 
   

ランキング(映画)

ジャンル