都心へ好アクセスでありながら自然豊かで、ファミリー層がこぞって住まう街。
それが「二子玉川」である。
世田谷ブランドの代名詞ともいえるエリアで、駅周辺をセンス溢れるママたちが行き交う。
なぜ、この街に大人は魅了され、集うのか。その理由を徹底解剖する!
東京の街の個性を徹底調査する連載「東京ご近所探訪」。過去にご紹介した街も、要チェック!
今月のエリア【二子玉川】
コロナ禍を経て、郊外への注目度は高まる一方。今回はそんな流れを受けて、一層注目を集める街・二子玉川を取り上げる。
豊かな自然と都会的な利便性を兼ね備えた、言わずと知れた人気エリアだが、かつては多摩川の自然が残る郊外の別荘地だった。
そこに、「玉川髙島屋S・C」が1969年にオープンし、成城から田園調布辺りの高級住宅地に住む人が、車で買い物に訪れる街となった。
子ども連れが住みやすい、活気に満ちたワンランク上の街
上質でコンサバティブな品ぞろえの「玉川髙島屋S・C」は、駅からもすぐの場所に。
地元住民にとって絶対的な存在。
地元住民も「もともと、“髙島屋”以外は何もない自然のある街でした。
『二子玉川ライズ』の所には、昔『ナムコ・ワンダーエッグ』があって、スタイリッシュさとは無縁。タワマンができた時は本当に驚きました」と振り返る。
20年以上前から、駅の東口に近い河川敷でレストランを営む『TOKIOフレンチルナティック』のオーナー・會津律治さんはこう話す。
「2011年に『二子玉川ライズ』ができてベビーカーを押すママ達が増え、街が一気に若返りました。
ラフなワンピースをお洒落に着こなすママは、二子玉川ならではだと思います」
自由気ままなムードが心地良い!『TOKIOフレンチルナティック』
券売機で食券を購入するセルフスタイルが斬新なフレンチ。多摩川に面したテラス席が人気。
「牛フィレのステーキフォアグラのせ」は、1,860円と破格。
一方、西口周辺には『すし 㐂邑』、『リストランテ・イ・ルンガ』などの名店があり、高級感が増す。
また、『グリーンハウス バイ マーサーブランチ』、『ロンハーマン カフェ』など高感度なカフェが軒並み出店しているのも特徴で、『bills 二子玉川』もそのひとつ。
「平日は専業主婦グループのお客様が多いですね。近くのインターナショナルスクールや私立の幼稚園にお子様を見送った後、迎えに行くまでの時間を過ごされます。
その後、髙島屋の地下で食材を買って帰られますが、駐車券利用も多いのでお車で来られています」と、マネージャーの杉山 玄さん。
「スムージーやスーパーフードなど、ヘルスコンシャスなメニューが早くから受け入れられたのも、二子玉川の特徴ですね」と話す。
アットホームな空間でゆったりと寛げる『bills 二子玉川』
「玉川髙島屋S・Cマロニエコート」の3階にある。
モダンな印象の店内は、billsオーナーの自宅をイメージした心地よい空間。テラス席ではペット連れも可とあって、朝から晩まで賑わう。
名物「リコッタパンケーキ」(1,800円)をぜひ。
◆
高台にある瀬田や岡本エリアは高級住宅地として知られ、邸宅や低層マンションが立ち並ぶ。坂が多いため車移動が基本で、上野毛周辺にかけてはカーディーラーも多い。
そんな人々はハイソゆえ、総じて食の感度が高い。
2020年に開店した酒屋『NEW VALLEY』の店主・千葉芳裕さんも「ワインのご予算を聞くと日常使いでも5,000円と高め。美味しいものに対価を払える方が多く、500mlで7,000円超のオリーブオイルが普通に売れます」というから驚く。
ワイン好きの地元民で賑わう『NEW VALLEY』
500種類ものワインをそろえ、角打ちも楽しめる。
街の御用聞きになりたいとの思いから「酒屋」を名乗り、調味料やコーヒーなども用意。
地域の人が集う憩いの場となっている。
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当然のように上質なものを求め、街もそれに呼応する。そして、子育て環境に妥協せず、豊かな自然までも手中にする。
人と街の高度な共生関係が成り立つ希少な街。今後そのセレブ化は一層進むだろう。
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2022年8月13日