男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:相性は完璧だったのに…わずか1ヶ月で、男が女から三行半を突きつけられた理由
久しぶりに、いいなと思う子に出会った。彼女の名前は凛。28歳で可愛くて、しかも二度目のデートで僕の家へ来た。
「今日は楽しかったです、ありがとうございました!」
そう言って、凛は笑顔で帰っていった。
しかし二度目のデートで体の関係を持った途端、凛からの連絡はパタリと来なくなった。
デート自体が楽しかったことに間違いないだろうし、他の男の影も感じなかった。
あの時、何か間違ったことをしたのか?それとも体の相性が悪いと判断されたのか…?
どうして彼女は僕だとダメだったのだろうか…。
Q1:初デートで女が思っていたことは?
凛との出会いは友人との食事会の席で、最初は物静かでおとなしい印象だった。
けれども2人で話すと意外にも気さくで話しやすく、凛から話を盛り上げてくれた。
「じゃあ雄太さんは、独身なんですか?」
「そうだよ〜。バツイチだけど、子どもはいないし…。もう別れて5年は経つから、独身生活も随分長くなったかな」
今年で37歳になる。20代の時に離婚を経験し、それから再婚はしていない。
「よく『子どもいそうですよね』とか言われるけど、全然」
「そうなんですね。でも落ち着いてますし、週末とかは子どもを公園で遊ばせているのがイメージできます(笑)」
「残念ながら週末はゴルフへ行ったり、ひとりで料理したりかな」
「お料理されるんですね!」
そんな他愛ない会話だったけれど、彼女の印象はかなりよかった。だからこの翌日。僕のほうから凛を誘ってみた。
するとOKの返信が来たので、『いいと 麻布十番』でデートをすることになった。
「凛ちゃん来てくれてありがとう。忙しそうだから、無理かと思ってたよ」
前回話した時、「最近仕事が忙しい」と言っていた。だからデートに誘ったものの、断られるかなとも思っていたのだ。
「そんなことないですよ〜!むしろお誘いありがとうございます」
「凛ちゃん仕事は忙しい?」
「そうですね、おかげさまで。雄太さんのお仕事って、金融系でしたっけ?」
「そうそう。地味なサラリーマンですよ」
凛の周囲は華やかな男性が多そうだ。一応僕の年収は1,000万円以上あるけれど、それを言うのはセンスがないし、僕は自慢などしない。
「何をおっしゃいますやら(笑)。オフィスはどちらなんですか?」
「オフィスは大手町だよ。凛ちゃんは自分で会社やってるんだよね?」
前回会った時に、彼女は自分ひとりで会社をやっていると言っていた気がする。
「そうなんです。一応、自分でやってます」
「すごいなぁ」
「全然!別に起業なんて誰でもできますから。むしろ数字が苦手なので、金融系の人とかすごいなと思います。尊敬しちゃいますよ」
褒め上手な凛にすっかり乗らされてしまったけれど、悪い気はしなかった。
「すごいですね、これ♡」
「名物の『トリュフ お稲荷さん』だってさ」
「すご〜い!」
キャッキャとはしゃぐ凛を見て、こちらも幸せな気持ちになる。
「凛ちゃんって、明るくていいよね。よく言われない?」
「まぁどちらかというと明るいほうだとは思いますが…。雄太さんはどっちですか?」
「僕はどちらだろうなぁ。まぁ暗くはないかな」
この日は一軒目で解散したけれど、次のデートに誘うことは成功した。
「凛ちゃん、次は十番にあるイタリアンに行かない?僕の家の近くになっちゃうんだけど、美味しくて」
「いいですね!ぜひ行きましょう」
「来週末とかどうかな?」
初デートは、彼女のなかで“アリ”ということだったのだろう。
それに二度目のデートでも特に悪いことはしていない。むしろ二度目のデートのあとは僕の家へ来て、体の関係まで持ったのに…。
Q2:女が体の関係を持った理由は?
二度目のデートは、僕の家の近くのイタリアンにした。こちらのテリトリーに来てもらうのは申し訳ないなと思っていたけれど、凛は意外に気にしてなさそうだった。
「ごめんね、こっちまで来てもらっちゃって」
「全然大丈夫です!むしろこのお店気になっていたので」
「本当に美味しいんだよ。下心とか、ないからね(笑)」
「分かってますよ〜」
この日も、明るい凛のおかげでデートは楽しく進んでいく。
「雄太さんはお料理されるんですよね?最近は何を作ったんですか?」
「最近は酢豚とか?」
「え〜すごい!今度食べたいです」
「うん!」
でも、もしかしたらワインを飲み過ぎてしまったのかもしれない。一軒目が終わる頃には、2人ともすっかりできあがっていた。
「凛ちゃん、もう一軒行ける?」
「はい、行けます!行きましょう!」
こうして近くのバーへ入ったが、ここでも凛はすごい勢いでお酒を飲んでいる。
「凛ちゃん、ペース早くない?大丈夫?」
「全然大丈夫ですよ〜」
それにつられて僕まで飲むペースが早くなってしまい、すっかり酔ってしまった。そして店を出たあと、凛が急に僕の腕にしなだれかかってきた。
「え…大丈夫?」
「はい…」
こうして気がつけばそのまま僕の家へ行き、一夜をともにした僕たち。
朝起きて隣に凛がいたのは不思議な気持ちだったけれど、凛も何かを僕に感じてくれたから、こうして体を重ねたはずだ。
まだ寝ている凛の寝顔を見ながらいろいろと考えていると、眠そうに目をこすりながら凛が起きてきた。
「おはよう」
「あ…おはようございます」
しかしハッと何かに気がついたような顔をした途端に、ガバッと起きてすぐに帰り支度を始めた凛。
ものの10分で用意を終え、猛ダッシュで帰ろうとしている。
「お邪魔しました!雄太さん、またね」
「え、う、うん。気をつけて帰ってね」
とりあえずマンションの下まで見送り、解散した僕たち。
慌てて帰宅した凛に取り残された寂しさはあったけれど、何か用事でもあったのかもしれない。そう思っていた。
しかしこの日を境に、凛からの連絡は途絶えてしまった。この夜、僕は何かしでかしてしまったのだろうか。それとも、相性が良くないと判断されたのか…。
一体何がダメだったのか、わからずにいる。
▶前回:相性は完璧だったのに…わずか1ヶ月で、男が女から三行半を突きつけられた理由
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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女が体を重ねた理由は!?
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2022年8月13日