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『石子と羽男』は“見えないもの”にこそ注目 異なるタイプの優しさとそれぞれの想いが錯綜

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金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(c)TBS

 人の優しさには2つのタイプがある。痛みに手を差し伸べる“見える優しさ”と、痛みを察してそっと距離を置く“見えない優しさ”。あなたならどちらにグッとくるだろうか。金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)第5話は、異なるタイプの優しさとそれぞれの想いが錯綜していく。

参考:『石子と羽男』の“してやられた”感が心地良い 新井順子P×塚原あゆ子監督作品の真骨頂

■ご近所トラブルの真相は“見えない優しさ”の恋煩い

 今回、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)が担当することになったのは、そば店の塩崎(おいでやす小田)の叔父・重野(中村梅雀)が抱えている近隣トラブル。隣の家の木に発生する毛虫に困っているため、住人の万寿江(風吹ジュン)に角が立たないように対処をお願いするという、羽男からするとかなり“地味な仕事”だ。しかも、重野はぼんやりと心ここにあらずな表情なのも気になるところだったが、万寿江は伸びた木を切ることを快諾。事件は簡単に解決するかと思いきや、後日重野のピアノ騒音に慰謝料を請求する内容証明が届くという不可解さ。この事件、何かがおかしい!?

 実は、この内容証明は町内会長が万寿江を想って取った行動だった。いわば“見える優しさ”による、ちょっとした暴走。万寿江はすぐに取り下げることを告げる。そして、むしろ万寿江は一人この家に引っ越してきたときに、何も事情を聞かなかった“見えない優しさ”を持つ重野に惹かれていたのだと明かす。少し前までひそかに映画デートもしていた重野と万寿江。ところが突然、重野から会うことをやめようと言われてしまったのだというのだ。その重野の行動にもきっと“見えない”優しさがあるのだと考えた羽男は、重野が病を抱えていることに気づくのだった。

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 「もしも仲が深まっても老い先長くないでしょ? 死んだあとの手続きやら、彼女が背負うこと考えたら、このまま独りで……」と、ようやく重野が本音をこぼす。高齢者の恋。それが難しいのは、これまで長く生きてきたぶん引きずって歩くものが多いからかもしれない。一緒に背負わせるにはあまりにも重すぎるあれこれを、石子は生前整理を提案する。

 ここでも第1話から伝えられているように、声を上げれば、法律を味方に不安ごとを少しでも軽減することができるのだということが伝えられた。さらに「いくつになっても人生を楽しんでいただきたいです。若い人がよく未来に夢を持てと言われますが、高齢者のみなさんが若者の未来そのものですから」とも。そして、羽男も「高齢者の方は、人生を楽しむ義務があるんじゃないですかね。なんて(笑)」と言葉を添えて、重野の背中を押すのだった。

■考えが見えない羽男と、告白の告白までする大庭

 これまで「声を上げてください」と説き続けてきた石子だが、自分自身がピンチに見舞われたときには声の上げられない側だということが今回わかった。顔を歪め、擦らずにはいられないほどの腹痛があっても、仕事をきっちりとこなそうと頑張ってしまう。そんな石子の体調不良にいち早く気づきいた羽男は「事務所で書類整理でもしてろ」と、頑なに調査の同行を拒否。対象的に、石子に想いを寄せる大庭(赤楚衛二)は甲斐甲斐しくおんぶをして運び、カイロを購入してくる。ちなみに貼るのと持つのと。どちらを石子が求めても大丈夫なように、両方揃える念の入れようだ。

 もちろん羽男の“見えない優しさ”より、大庭の“見える優しさ”のほうが、わかりやすくて温かい。しかし、どちらがより石子のことをわかっているかといえば、まっすぐに「休め」といっても聞き入れないだろうと考えて、一見冷たく突き放した羽男のような気もするのだ。そして羽男も声を上げられない側の人間である。これまで想定外の場面で手が震えてフリーズしてしまったときも、石子だけが気づいていたように。2人は同じタイプの優しさを持ち合わせているからこそ、重野の心情も察することができたのかもしれない。

 回を重ねるたびに、お互いに抱えているものを受け入れ合い、関係性を築いてきた石子と羽男。いつしかお互いを「相棒」と躊躇なく言えるようになったのも、ある意味の両想いだ。とはいえ、その関係性がラブに直結するのかはわからない。特に羽男の何を考えているかわからない具合は、姉の優乃(MEGUMI)のお墨付きだ。ただ、場合によっては相棒というポジションのほうが、恋人よりもずっと特別になることもある。わかってくれているという信頼感は、わかりやすい“見える優しさ”よりも難しかったりするからだ。

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