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伊藤英明に裏切られっぱなしの近年 『初恋の悪魔』警察署長・雪松も“ヤバイ”やつ?

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『初恋の悪魔』(c)日本テレビ

 『初恋の悪魔』(日本テレビ系)で警察署長の雪松を演じている伊藤英明が白髪混じりの坊主にしたことで話題になった。馬淵(仲野太賀)の兄が殉職した理由を探るように仕向ける雪松には、何か秘密がありそうな予感も……。署長として厳しい目を向けているかと思いきや、唐突にふざけ出すシーンには笑わざるを得ない。

 ハリウッドを視野に入れ、『ドアマン』やアンセル・エルゴート主演の『TOKYO VICE』にも出演し、英語学習にも力を入れている様子の伊藤。今後、世界中での活躍も期待されている彼は『JUNON』のモデルとして芸能活動をスタートさせた。20代らしく恋愛、青春を感じるドラマや映画に出演。同世代の坂口憲二ら大学時代のサークルの仲間たちと大人になって再会するところから物語が始まる『天体観測』(フジテレビ系)では、経営コンサルタントとして働く恭一役を務め、友のためになら真正面からぶつかるキャラクターを演じた。20代ならではの恋愛や悩みにぶつかる姿が若々しく、ザ・青春の作品だ。正義感が強く正直な性格のキャラクターが似合う伊藤は、その後も思いっきりぶつかる体当たりな演技を見せてくれた。

【写真】馬淵(仲野太賀)に絡む雪松(伊藤英明)

 30代になり、伊藤は代表作になる作品と出会う。映画からドラマ化、その後映画が3本公開されるほど国民的な人気を誇った『海猿』シリーズである。海上保安庁の潜水士として人命救助にあたる仙崎を演じた伊藤は、実際に潜水訓練を現役の海上保安官と行ったこともあり、人命救助の緊迫感や潜水の苦しさが映像を通して伝わってくる。

 そのイメージもあってか、『252 生存者あり』でも、消防士として肉体派の演技を見せている。いざとなったら頼れる強い存在としてのイメージが定着したこの頃の伊藤は、『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』では林業を長年やっている飯田を演じており、肉体美を感じさせる。『悪の教典』ではサイコパス英語教師の蓮実を演じ、その豹変具合に恐怖を感じた視聴者も多いだろう。『悪の教典』でも、上裸で筋トレをしているシーンがあるが、今までの作品とは違い、生々しい不気味さを感じるシーンであった。この作品での演技が、今後挑戦する作品へのイメージにもつながっているように感じる。

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 そんな肉体派の30代を過ごした伊藤だったが、ドラマでは坂口憲二とともに刑事を演じた『ダブルス~二人の刑事』(テレビ朝日系)や、山下智久と北川景子と共演し、少し年上の男性コーチとしての立ち位置で『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』(フジテレビ系)に出演。男らしさとともに、年齢を兼ね備えた演技に磨きをかけた年代であった。

 そして2010年代、40代を迎える伊藤は、サスペンス要素の強い作品にも多く出演している印象が強い。『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)では、『ゴーン・ガール』を彷彿とさせるストーリーで、妻が消えた謎に迫る夫役を演じている。側から見ると、夫婦仲の良い二人に見えたが、実は伊藤が演じる幸平の方が「ヤバイ」やつだったと分かる時、思わず裏切られたような気持ちになる演技は圧巻だった。また、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』では、22年前の殺人事件の真相を追う刑事役で、藤原竜也とタッグを組んでいる。こちらもシリアスな演技で、かつどんでん返しがあり、再び裏切られる。

 昨年は、司馬遼太郎原作の『燃えよ剣』で芹沢鴨を演じたことが記憶に新しい。岡田准一演じる土方歳三との決闘シーンでは、一つ一つのアクションが力強く、思わず息を呑んだ。一方で、シリアスな演技だけでなく、40代になってもふざけ倒しているところも伊藤らしい。『KAPPEI カッペイ』では、アニメからそのまま出てきたような髪型と格好でありながら、心底本気で演技に臨んでいる。『初恋の悪魔』でも、少しおふざけが入っているように、サスペンスもコメディもホラーも、うまく演じ分けられてしまう俳優だ。

 47歳の今、SNSでもありのままの自分を表現することでも新たな一面を見せてくれている。今後、50歳を迎えてからはどのような役柄を演じ、進み続けていくのか期待が高まるばかりだ。

(伊藤万弥乃)

 
   

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