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『モバマス』終了でなぜか話題  『怪盗ロワイヤル』がゲーム史に残した功績

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 『怪盗ロワイヤル』には、トレンド史だけでなく、カルチャー史においても、触れておかなくてはならない功績がある。それが既存のマーケット以外の場所に、新たなマーケットを作り上げた点だ。

 それまでゲーマーは家庭用ゲーム機で遊ぶのが一般的で、モバイル端末で日常的に遊んでいる層はほとんど存在しなかった。さまざまなタイトルが発表・リリースされてもなお、彼らの多くは家庭用ハードをホームとする傾向があり、モバイルゲーム市場とは明確な棲み分けがあった。ゲーマーに支持される土壌が整っていないなかで、なぜ『怪盗ロワイヤル』は成功を収められたのか。その理由は、同タイトルがゲーマー以外の層にリーチした点にある。

 当時飲食店でアルバイトとして働いていた私は、ゲームカルチャーに興味がなさそう(実際に家庭用ハードでのゲームプレイには興味がなかった)な同僚の熟年女性パートタイマーさんから「(自身が)『怪盗ロワイヤル』に重課金している」という話を聞かされ、驚いた。現在とは違い、課金という行為に一定の精神的ハードルがある時代。ゲーマーではない層がすっかり夢中になり、簡単に課金してしまうような面白さ・中毒性が『怪盗ロワイヤル』にはあったのだ。

 同タイトルは、年齢・性別を問わず、日常的にゲームに触れない層にリーチすることで、大きな売上を獲得し、成功への道を歩んでいった。もちろんそこに既存のマーケットは存在していない。まだ整備されていない荒れ地を開拓し、新たなマーケットを作り出したのが、ほかでもない『怪盗ロワイヤル』だったのだ。

 その後、『怪盗ロワイヤル』が運んできたモバイルゲーム市場の旗手のバトンは、さまざまなタイトルへとつながれていった。今回サービスの終了が発表された『モバマス』もそのうちのひとつだろう。後続のタイトルが成功できたのは、そこにマーケットが存在していたからにほかならない。今日のモバイルゲーム市場が家庭用プラットフォームに比肩する規模となり得たのは、『怪盗ロワイヤル』がそこに新たなマーケットを切り拓いていたからだ。

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 『怪盗ロワイヤル』はどこまで歴史を積み重ねていけるだろうか。思わぬ形で注目を浴びたモバイルゲーム分野の金字塔は、2024年でサービス開始から15周年を迎える。(結木千尋)

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