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お母さんの悪口をなんで言われるの?小学生の子が「絶対に母には言わない」と決めたこと

幻冬舎ゴールドライフオンライン

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数カ月の余命宣告を受けた母・ずずさん。 父が家を去ってから、病気の妹の世話や仕事を掛け持ちしながら女手ひとつで僕たち家族を支えてきた。困難を抱えながらも懸命に前を向き続け、いつも笑顔と愛情を絶やさない母。そんな彼女と不器用な僕の、光に向かい続けて歩む家族の物語。※本記事は、大宮雫氏の書籍『笑生 ーいつか必ず来る別れのためにー 』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

しおちゃんが亡くなった日

もやもや病とは脳の中にある主要な血管が細くなっていく原因不明の病気。細くなり栄養を運べなくなった血管達がそれを補うために新しい血管を無数に形成するのだがそれも充分に血液を届けることができない未熟な血管のため画像で見るともやもやとした集合体として写りこの病名がついた。

本幹の血管が切れたり詰まればもちろん脳がダメージを受けて障害が出る。現にずずさんにも五年前から半盲といって右にあるものが脳内で認識できないこと。さらに文字が認識しにくくなる失読の障害があった。

抗がん剤を使用すれば副作用による脱水、嘔吐などから血圧の変動が大きくなり脳梗塞になるリスクが高まる。

また、もやもや病の患者への投与の前例が圧倒的に少ないためエビデンスもないのが主治医もずずさんも家族も躊躇する要因となっていた。それでも投与することで少しでも寿命が伸びるのであればと考えを改めてほしいというのがこっちの勝手な思いだとしても伝えずにはいられなかった。それに対する結論はやはり簡単には出ず数日後の診察の際に主治医にもう一度詳細を聞いてみるねと言うところで一旦終えた。

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「あのさ、ソウアイはどうするの?」

姉が帰宅し、がちゃさんがかぁくんを寝かしつけに部屋を出ていくとずずさんと二人きりになった。

「コロナの影響で去年の夏から仕事はないからね。元々今年で閉める話もあったし、これで踏ん切りがついたかな」

「もう何年になるっけ?」

「あんたが中学二年の時に始めたから……二十三年か」

「すごっ。よくやったね」

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