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初スタメンでマルチ安打 オリックスの“夏男”・元謙太が本領発揮

ベースボールキング

◆ 猛牛ストーリー 【第31回:元謙太】

 連覇と、昨年果たせなかった日本一を目指す今季のオリックス。監督・コーチ、選手、スタッフらの思いを「猛牛ストーリー」として随時紹介していきます。

 第31回は、今季初めてスタメン出場した11日の楽天戦(京セラD大阪)で、初安打初打点を含む2安打1打点の活躍を見せた高卒2年目・元謙太選手(20)です。中京高校2年の夏の甲子園で逆転満塁本塁打を放つなど、定評のある勝負強い打撃で、一軍定着をアピールしました。




◆ 「夏は自分の季節」

 「夏男」の本領発揮だ。9日に初めて一軍昇格したばかりの元が、「8番・中堅」で初めて先発で出場。2打席目の4回、一死三塁で右前打を放ち、今季の初安打初打点。左腕・弓削隼人の外角直球を右に運ぶ巧打だった。

 「(相手の先発が)左腕だったので、出番があるかもしれないと思い、前夜に映像で確認してイメージしていた」と言い、試合前の練習で先発出場を告げられても、慌てることはなかった。

 また、水本勝己ヘッドコーチから“右打ち”を意識するようにアドバイスを受けたことも、左腕攻略に結びついたという。6回の第3打席にも右前打を放ち、4打数2安打・1打点で首脳陣の期待に応えた。



 「夏は自分の季節」という。

 出身の岐阜県多治見市は、2007年に74年ぶりに国内最高気温を更新する40.9度を記録。埼玉県熊谷市とともに「日本一暑い街」として知られる。

 そんな暑い街に育った元は、中京高2年で出場した夏の甲子園の準々決勝・作新学院戦で、逆転満塁本塁打を放ち4強入りに貢献した「夏に強い男」。「暑さは苦になりません」と言い切る。


 勝負強さも健在だ。

 入団1年目の昨季は「元は来田(涼斗)とともに、どれだけ三振をしてもどれだけエラーをしても使い続ける」(福良淳一GM)との球団の方針で、チームでただ一人、全111試合に出場。

 打率.138ながらチームトップの4本塁打・20打点は、長打力と「チャンスに強い元」を印象付けた。


◆ 反省も忘れない

 今季は、そこに確実性を加えつつある。

 二軍の高橋信二打撃コーチのアドバイスで変えたフォームがしっくりと来たという。

 「緩んだ状態でバットが出ていたのを、トップを作って一発でバットが出るようにしました。これで、どんなボールに対しても同じバットの出し方が出来るようになりました。左投手の変化球に対しては緩んではダメなので、とくに意識しています」

 フォームを横から見ると、左脚を大きく上げる始動は変わらないが、バットがトップで一瞬、止まるような感じになりそこから一気に踏み込んでいくようなフォームだ。

 素人目にも、タメが出来てボールをタイミングよくとらえることで、強い打球が飛ぶようになった。


 確実性を、数字が裏付ける。昨季は111試合で119三振。今季は81試合で42三振と、大きく三振数を減少させた。

 しかし、幸先の良いスタートにも「いろんなところを反省して、明日以降につなげたい」と浮かれてはいない。

 悔しい表情を浮かべたのは、7回の第4打席だった。3番手・福井優也から2球連続してボールを選びながら、3球目の外角高めの直球を見逃し、4球目の内角へのカットボールも見送って2ボール・2ストライク。そして5球目、127キロのスライダーで空振り三振に倒れた。

 「3球目の直球には、手を出さなくては。こちらから仕掛けるカウントで仕掛けることが出来ませんでした」

 空振り三振という結果ではなく、投手との駆け引きも含めた打撃内容に、大きな反省があるというわけだ。


 次戦は、12日からのソフトバンク戦(PayPayドーム)。高校2年時に、「俺の次にプロ入りするのは元だ」と声を掛けてくれた母校の先輩・松田宣浩と初めて一軍の舞台で会うことが出来る。

 「熱男」の前で、「夏男」が成長した姿を見せる。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

 
   

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