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世界の福本豊 プロ野球“足攻爆談!”「村上の“2打席目”に大声が出た!」

アサ芸Biz

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 ヤクルトの村上には度肝を抜かれた。あの王さんもバースもできなかった、5打席連続ホームランの離れ業をやってのけた。7月31日の阪神戦(甲子園)の第3打席から3打席連続を放ち、続く8月2日の中日戦(神宮)で1打席目から2打席連続。僕は甲子園の試合をサンテレビの解説者として生観戦、球史に残るホームランショーに立ち会うことができた。

 思わず解説席で「ええっ!」と大きな声を出してしまったのは、この日の2本目。9回1死から飛び出した同点ホームランやった。旗を確認すると、右翼へは逆風となる甲子園名物の浜風が強く吹いていた。岩崎の内角ストレートをとらえた打球は高々と上がり、風の影響をモロに受けていた。あの高さで打ち上げて、風とのケンカに勝つとは信じられない。しかも、ギリギリのホームランでなく余裕があった。東京ドームなら看板のはるか上に行くような飛距離の打球やった。

 延長11回、2死一塁の勝ち越し2ランには声を失った。球場を埋め尽くした阪神ファンも一瞬、シーンとしていた。僕も勝負したらやられる予感はしたけど、半分は「まさか3打席連続はないやろ」と思いながら見ていた。2ボールから3球目の石井の高めのカーブを今度は左翼席へ軽々と放り込んだ。狙っていた球種ではないはずやのに、タイミングを完璧に合わせて逆方向へはじき返した。

 あの場面は2ボールになった時点で申告敬遠するほうが確率的には失点の可能性が低かった。次の打者は途中出場で打率0割台の渡辺。一塁が空いてない状況での敬遠は異例やけど、村上がそれぐらいすごい打者ということ。ただ、エンターテインメントの観点でいうと、プロとしてどうなのか、となる。「負けたけど3打席連続ホームランを見ることができてよかった」と、球場から満足して帰った阪神ファンも少なくなかったはず。勝負した矢野監督を責めることはできん。

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 一方で阪神にとっては、村上一人にやられた痛すぎる1敗になったのも事実。勝っていれば6連勝でヤクルトとの差を8ゲームに縮めるところやった。最大17ゲーム差を1カ月弱で半分にまで減らし、ワッショイワッショイで逆転Vにさらに機運が盛り上がるところやった。ヤクルトもコロナで大量の離脱者を出してからリズムが狂っていたし、3タテを食らったらアセっていたのは間違いない。再び2桁の10ゲーム差に戻し、チーム全体を落ち着かせることができた。2連覇を達成して振り返った時のターニングポイントになると思う。

 逆転優勝への勢いを止められた阪神やけど、クライマックスシリーズに向けても村上対策を徹底的に練らないといけない。真っすぐに強いし、変化球でも崩しにくいので、まともに勝負しても抑えられない。足にぶつけるぐらいの厳しい攻めをするしかない。高めは頭に当たれば危ないからアカンけど、足もとには死球覚悟で投げ込んでもいい。まずは、村上の軸足をズラして、どっしりとした構えを崩すしか方法はない。

 それにしても、まだ22歳。同じ時期の松井秀喜と比べても明らかに上で、とんでもない怪物打者。村上のホームランを見に行こうと、球場にファンを呼べるほんまのスターになった。3冠王の可能性が大いにあるし、ホームランも55本、60本だって夢物語でない。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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