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【小説】「知りません?」言葉を失った…市役所の役人の一言

幻冬舎ゴールドライフオンライン

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※本記事は、氷満圭一郎氏の小説『草取物語』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】解体工事ばかりで、新しい建物が建たない「とんでもない理由」

第一章 第一発見者

電話に出たのは、建築課課長の東という男だった。俺は問うた。

「空中(そらなか)と申しますが、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか? ここのところ松平市では、解体工事ばかりで新築工事が行われていないように思えるんだけど、なにか理由があるのかな?」

「え? そうなんですか? そんなことないと思いますけど」東はトボけたように応じる。

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ちょっとムッとなり、「街を見てみなよ、一つも新しいの建ってないじゃん。あんたらが許可出さないから、建てられないんじゃないの?」つい、生来のぶっきらぼうが出てきてしまう。

「そんなことありません。書類が来て不備がなければ、我々は許可を出します。それが仕事ですから」

「じゃあ今どれくらいの案件抱えてる?」

「それは、お話しするわけにはいきません。一般に公開するべきものではありませんから」

「あるにはある?」

「もちろん」

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