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2011年3月11日、東日本大震災は静かな午後に突然やって来た

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※本記事は、高橋みどり氏の書籍『座敷わらしのいる蔵』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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十三、克裕、第三の試練

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染することで起きる、肝臓の病気である。無症状から、慢性肝炎になり、慢性肝炎から、肝硬変、肝ガンに進行するケースが多い病気だ。

原因は、子供のころの予防接種の注射針の使い回しや、輸血などである。克裕の場合、たぶん子供のころの予防接種が原因だと思われた。

克裕は「がんセンター」で多くの検査をして、C型肝炎が判明した。そして、治療のため一ヶ月の入院をした。治療は、毎日の抗ガン剤の筋肉注射であった。かなり強い注射で、克裕は毎回の注射のあと、「腹筋運動を、三百回ぐらいしたあとの筋肉痛のように、体中の筋肉が、ギューッと絞られるように、痛いんだ」と言っていた。

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その強いインターフェロンの注射を、入院しながら毎日、右肩、左肩、右尻、左尻、と場所を変えて打たれる。体中がだるさに襲われ、はき気や、脱毛もひどくなっていく。そして毎日、微熱が続く日々。その注射を半年続けてもC型肝炎が消えない人もいて、つらい治療を、辞退する人もいるそうだ。

退院後も三ヶ月、近くの病院へ注射に通った。そして、克裕は幸運なことに、みごとC型肝炎を消し去った。その後、癌を克服した人と同じく、毎年一回、五年間は、検査のためがんセンターに通った。

現在は完治した。

十四、東日本大震災

二〇一一年三月十一日、あの東日本大震災は、静かな午後に突然やって来た。

当時店にいた私は、突然床ごと、ガッチャ、ガッチャと大きく左右に揺さぶられ、立っていられず、思わず腰を低くした。それでも、手は、落ちてきそうになる、三十万円以上すると言われているコーヒー豆用の真空機を必死で押さえていた。

今まで体験したことのない揺れがおさまるまで一、二分だったのだろうけれど、五分以上揺れていたようにも感じた。揺れがおさまって、マルセンの店内を見回すと、床一面に棚の商品が散乱し、ハチミツやジャムのビンは割れ、電気は消えている。数人のお客様と外へ出ると、向かいの郵便局の人たちもみんな外に出て、フェンスに摑まっている。

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