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「休みも必要。賛否は覚悟の上で今の風潮を変えたい」 世界選手権を前に、男子バレーのエース西田有志が示したプロの矜持

THE DIGEST

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「休みも必要。賛否は覚悟の上で今の風潮を変えたい」 世界選手権を前に、男子バレーのエース西田有志が示したプロの矜持

 7月末に終わった男子バレーボール「FIVBネーションズリーグ(VNL)」で、初めてファイナルラウンド進出を果たし、復活に向け着実に歩む男子日本代表。8月26日から始まる世界選手権(ポーランド、スロベニア)を前に代表選手がリモートでの記者会見に応じ、エース西田有志(ジェイテクト)がプロとしての自覚と覚悟を前面に出した。

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 世界選手権への意気込みを聞かれ、西田は表情を引き締めた。そこには4年前とは全く違う立ち位置があった。

 代表に初選出されたのが2018年。前回の世界選手権では、大会直前の練習で左膝を痛め3戦目からの出場を余儀なくされた。

 あれから4年。「18歳で、ほかの人についていくのが精一杯の中での世界選手権だったが、今回は自分が先頭に立って行くという気持ちになっている」と言えるまでの存在になっていた。
「東京五輪では、自分のことで精一杯だった。石川祐希主将についていくのではなく、そういう立場でもう一人(選手が)いたら、もっともっとチームは強くなると思う。(チームの)核になる選手であるべきだと、自分で感じた」と臨んだVNL。アタックとサーブで石川主将とチームを引っ張るとともに、コート上でもリーダーシップを発揮し続けた西田だが、コート外でも存在感を示しつつある。

「いつになったら休みと思える休みを取れるのだろう? いつになればリフレッシュができるのだろう? いつシーズンオフになるんだ? 何もできない時間が多すぎるくないか? ??? 問題が多いですな。。」

 VNLの準々決勝(イタリア)でフランスに敗れた後の7月23日。自身のツイッターへの書き込みが大きな反響を呼んだ。VNLの決勝、3位決定戦は現地時間の7月24日。同21日の準々決勝で日本代表は敗れたが、7月30、31日に沖縄市で「2022 男子バレー世界選手権壮行試合 日本代表紅白戦in沖縄」が組まれていた。非常にタイトなスケジュール。

 この日のリモート会見で、フィリップ・ブラン監督が「VNLでファイナルラウンドに進むことが出来たため、沖縄での紅白戦との間隔が短くなり、疲労回復が十分だとは言えない状況」と吐露したことからも、沖縄での壮行試合はファイナルラウンド進出を想定した日程ではなかったようにみえる。
  西田は「僕たちとしてもベスト8は初めてで、組織としても初めての状態でなかなか難しかった」と、そうした事情に理解を示しつつ「自分としても、大会期間が長くメンタル的にそういう時間が必要になる環境下だった。限界を超えて怪我をするならやらない方がいいし、体が資本なので怪我をするリスクは避けたいなと感じた」と明かす。

 ただ、「ネットは自由につぶやく場所。意味深なツイートになっているが、ああいう行動を取る前にチーム全体として話をして、やることはやっていた」というから、組織の一員としての立場はわきまえてのアクションだった。

 関係者によると、決勝ラウンド進出決定後の大阪で監督も含めて話し合い、沖縄入りの日時を遅らせるなどし、その分を休養に充てるなど、選手のコンディションを考慮したスケジュール変更が検討されたそうだ。
  それでも声を上げて問題提起したのは、プロ選手としての矜持だった。「小・中・高など各カテゴリーでも同じことが言えるので言うべきかなと。今までの風潮なら、無理だと思ってもやり続けなくてはならず、やらないという考えは、いいことだとは思われていなかった。やらないことで怪我のリスクを減らし、パフォーマンスの向上につながると思う。(昨季プレーした)イタリアでも、自分がきついと思えば、話をして休みをもらっていた。賛否両論あるのは覚悟の上でやっている。これがダメ、あれがダメという話をしたわけではなく、自分たちは体一本でやっている部分があり、自分がそう感じたことを言っているだけなので」と西田。

「今までなら、大丈夫です、と言って終わっていたが、メンタル的に問題があるところまでいった部分があった。自分としては初めてだったので」ともいうほどだから、世界の8強への挑戦は想像を絶する厳しいものだったのだろう。

 世界の8強入りが最低目標になった今、ベストの状態で試合に臨み最高のパフォーマンスを発揮することが出来る環境作りが急務であることを、選手側から提言した西田。ファンも含めて問題意識を共有することが出来たという意味で、意義のある行動だった。

 石川主将がVNL準々決勝前の練習で左足首をねん挫し、まだチームの全体練習には参加出来ていない。「世界選手権に出られないというほどの怪我ではない」(石川)というが、開幕まで2週間あまり。プロ意識を高める22歳にかかる期待は、増すばかりだ。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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