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あばれる君「冒険をしている時に月を見ちゃいけない」 サバイバル生活で気付いた未知の感情とは?

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――そういった具体的な技術を身につけたのは、やはり高校時代の山岳部の時なのでしょうか?

あばれる君:山岳部では料理の作り方、テントの立て方、天気図の書き方、天気記号などを覚えました。あとは、「山に傘雲がかかったら雨が降る」とか「燕が低く飛んだら雨が降る」とか先生のお話から覚えたこともあります。ただ、サバイバル技術は番組に出始めてからですね。

――そうだったのですね。

あばれる君:サバイバルが始まるまでは、普通にネタを作って芸人として売れようと思っていて。ネタを作るだけでなく、何かプラスαのことをしないといけないなと考えていた時に出会ったのがサバイバルだったんです。最初は体が張れる芸人として選ばれて、3泊4日で40℃以上にもなるフィリピンに行ったのですが、そこで真剣にやったら世間にちょっと響き出したんですよ。それで「これでなら芸能界もサバイバルできるかも」、と。出演回数が増えていくと、「冒険少年見てます」と言っていただけることも増えていったんですが、そうすると「本物に近づきたい」って思うじゃないですか。アドバイザーの方もいらっしゃったし、「もっと成長したい」と色んなことを学んで今に至ります。

――サバイバル企画にチャレンジすることで周りの反応が変わった、と。

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あばれる君:声を掛けていただくことは増えたかもしれません。「あんな辛いことやっていてすごいね」って言われるんですが、僕からしたら好きでやっているので全然辛くないんですけどね。確かに怪我したら痛いですが、みんなが求めてくださるならトコトンやります!

――その中で本格的にサバイバル技術を学んだわけですね。

あばれる君:はい。番組でサバイバルをすることになったけど、いきなり行くのは不可能だったので、今から6~7年前にアドバイザーのもとで修行して学びました。その方が今でも僕の師匠です。色んなことを学びましたが、教えていただいた中で一番役に立った技術は紐の結び方かな。普通に結ぶだけだとグラついてしまうけど、力が加わるポイントを考えたり、薪を1本噛ませたりするだけで解決するということを学びました。トライポッド(三脚)を作る時はどこを結べばいいのか、なんてことも覚えました。

――そうして身につけたことが著書に詰まっているわけですが、ページの端に書かれているワンポイントアドバイスも面白いですね。

あばれる君:こういうのって子どもが見た時テンション上がりますよね。「ナイフや火を使う時は必ず大人と一緒に」とか基本的なことが書いてありますが、どれも大切なことなんですよね。僕もナイフで大怪我したことがあるので。火も大人のマネをして誰しも1回は失敗するじゃないですか。だから大事になる前に気をつけてほしい、というのはあります。この本ではサバイバルについて教えているんですけど、決して命知らずになれとは言っていなくて。『アイ・アム・冒険少年』なんかでは、無鉄砲に突き進む感じを面白がってもらっていますが、皆さんが想像する以上に僕たちは慎重に、怪我をしないように、体調を崩さないようにやっています。それらが起きた時点で、もうサバイバルは失敗なんです。

――ちょっと知識がつくと、無理したくなってしまいますもんね。

あばれる君:そうなんですよ。だからこそ慎重に。水を濾過して見た目がきれいになったから飲めると思ったら大間違い。キレイな川の水だから直接飲めるだろうと思っても、もしかしたら上流で動物が死んでいるかもしれない。そうなると、雑菌が流れているから気をつけなきゃいけません。

――そういったリスクヘッジをするにも、やはり経験が大切になるのですね。

あばれる君:家の中で足の小指をぶつけてしまったら、二度とぶつけないように注意しますよね。そういう風に痛みを経て学ぶことは多いと思います。

30歳を超えて自然に癒やされてると気づいた

――昨今はソロキャンプや山登りなど、サバイバル知識が役立つ趣味も一般的になってきていますが、その流行をどう思われますか?

あばれる君:僕も大好きです。でも、僕はこれまで流行り廃りで物事を見たことがないんですよ。これだけ流行る前から僕はやっていましたし、これからも多分ずっとやっていくんじゃないですかね。育った場所も福島県の山に囲まれている所だったので、ずっと付き合っていくものだと思っています。

――生まれた時から自然と一緒にいた。

あばれる君:福島にいる時は都会に出たいと思って上京しましたが、ある程度の期間東京で暮らしていると山に帰った時の安堵感に驚くんです。30歳を超えて自然に癒やされてると気づいて以来、田舎に帰りたくなることが増えました。

――現在、お仕事以外で山に行くことはあるんですか?

あばれる君:仕事に入っちゃうかもしれないですけど、YouTubeで山に行っています。自分で料理したり、火を起こしたり、物を運んでセッティングしたりして空間を作るということを楽しんでます。自分の自慢のキャンプ用品を配置して、カメラの画角を決めて、料理をするとハマるんですよね。

――普段から自然と接しているあばれる君さんだからこそわかる、役に立つ技術を教えていただきたいです。

あばれる君:場面によるところはありますが、基本的なことであればやっぱりナイフの使い方ですね。例えばこうやってナイフを使うのは間違いなんですが、なんでかわかりますか?(座っている足の間でナイフを使って木を削る素振りをする)」

――……わからないです!

あばれる君:足の間でナイフを削ると、誤って足を切ってしまう可能性がありますよね。しかも太ももには大きな血管がありますから、とても危ない。だから両足を閉じた外側でナイフを使わなければならないんです。あとは、ファイヤースターターの使い方も役立つと思います。火打ち石でチッってやった時に出る流れ星みたいな1個の火花でも、火口さえあれば火が起こせるんです。ちょっとお笑い芸人にも似てますよね。小さな種火か大きくなっていくところとか。ただ逆に言えば、ほんの小さな火の粉でも山火事になってしまったりと、危なさをはらんでいます。でも火はとても大切ですから、キャンプを楽しむためにも火についての知識はあったほうがいいと思います。3つ目は竹ですね。竹さえあれば何でもできるんです。僕は本の中で飯盒を作りましたが、椅子、かご、はしご、フォーク……、何でも作れますから。きれいに割れるので、意外と簡単ですし。他にもおたまやコップ、スピーカーも作れますよ。ろうそく立てなんかは、皮を剥いでおくと夜になった時にうっすら火が透けてすごく幻想的なんです。

――家族でキャンプに行った時も簡単に作れてすぐ楽しめそうですね。

あばれる君:そうなんですよ。ナイフさえあれば簡単にできます。そういうことも、この本で伝わったらいいなと思っています。野外に遊びに行った時に、パパが子どもたちに「おぉ」と思わせられるテクニックも載っていますし。

――大人も必見ですね。いろんな楽しみがあるようですが、あばれる君さんが経験したことで一番感動したことなんですか?

あばれる君:パラオの無人島に行った時、海岸で寝たんですけど星がものすごくキレイなんですよ。その星空を見ていると「自分は今、日本じゃない遠いところにいるんだな」と思えてきて、胸がギューッと締め付けられたんです。言葉で表しづらいんですが、孤独感を感じるとともに、生き抜いて絶対に帰るぞという強い気持ちが湧いてきたことに感動しました。自分の人生の中でこんな気持ちが味わえる瞬間があるんだって。それで、その時に月を見たんですが、家族の顔が浮かんできてなんとも言えない寂しさを味わったんです。後から冒険小説を読んだら、サバイバルというか冒険をしている時に月を見ちゃいけないんですって。

――なんでですか?

あばれる君:帰れないと思って寂しくなっちゃうんですって。精神的にダメージがあるらしいので、なるべく見ないほうがいいという教えがあります。そういったものを身をもって体験できたことも感動しました。他にも見たことがない景色を見られるのも貴重です。パラオで水平線に沈む夕日に向かってイカダを漕いでいるところを写真に撮ってもらったんですが、それがディズニー映画の世界みたいで。そういった風景も感動しますよね。

――著書の中で顔を蚊に刺されてしまったエピソードが書かれていましたが、感動が大きい分、ピンチもたくさんありそうです。

あばれる君:そうですね、蛇やオオトカゲがたくさんいる島は大変でした。オオトカゲを捕まえて食べたんですけど、オオトカゲは腐ったものしか食べないのでトイレの味がするんですよ。タンパク質だと思って無理やり摂取しましたが、噛んでいると泡が出てきて檳榔(噛みタバコ)をやっているおじさんみたいな状態になっていました。

――それはすごい体験ですね……! では最後に、この著書を読んでキャンプなどにチャレンジして見ようという方にアドバイスをお願いします。

あばれる君:火を囲んで食事をするのは本当に楽しいので、まずはそこを思いっきり感じてもらうといいと思います。それが一番の醍醐味なんじゃないでしょうか。簡単なメニューでいいので、料理を作ることを楽しんでみてください。じゃがいもを蒸してバターを落とすだけみたいなシンプルな料理が、本当に美味しくなりますよ。日本人の主食であるお米も、炊飯器じゃなくてぜひ鍋で炊いてみてほしい! ちなみに僕のオススメはコンビーフにマヨネーズをかけたやつ。火すら使わないんですけどね(笑)。キャンプ飯、ぜひ味わってみてください!

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