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ゴスペラーズ、5人の歌が繰り出すエンターテインメント ポジティブなメッセージ溢れた『まだまだいくよ』東京公演

Real Sound

ゴスペラーズ(写真=笹原清明)

 ツアータイトルにふさわしい、実にエネルギッシュでポジティブなバイブス溢れるパフォーマンスだった。コロナ禍に翻弄されながらも、5カ月に及ぶ長期ツアーを走り切った『ゴスペラーズ坂ツアー2022  “まだまだいくよ”』。それはデビュー28年を迎えるゴスペラーズの長い歴史の中でも、特別にエモーショナルで記憶に残るツアーになったはずだ。ファイナルを2週間後に控えた7月23日、24日の東京国際フォーラム公演の初日にあたる23日の模様を振り返ろう。

(関連:【写真あり】ゴスペラーズ、5カ月に及ぶツアー東京公演

 今はまだ聴くことのできないファンの歓声と歌声のSEから、静かに幕が上がって1曲目「NEVER STOP」の壮麗なアカペラが響きわたる。なんともドラマチックなオープニングから、すでにオーディエンスは総立ちだ。全員のクラップがビートを刻み、完璧なハーモニーが会場を包む。「今日は最高の夜にしよう!」と村上てつやが叫ぶ。続く「靴は履いたまま」からはバンドが加わり、力強いグルーヴに乗って音楽は進む。「熱帯夜」では5人がぴたりと息を合わせ、ステップを踏みながらジャケットを使ったパフォーマンスを披露し、アダルトなパフォーマンスに声にはならない嬌声が飛ぶ。わずかな時間で夢のような非日常のエンターテインメントの世界を演出する、これがゴスペラーズのライブパフォーマンス。

「世の中ではいろんなことが起きて、進みたい道をまっすぐ進めないこともあります。でも、たとえ半歩ずつでもそこに道があれば、坂道があれば、我々はのぼり続けていきます。ゴスペラーズの歴史の中で、のぼり続けて行く力をくれた曲を何曲かお届けします」

 そんな村上のMCに続いて歌われた「ひとり」「ミモザ」「約束の季節」は、ファンの心にも深く刻まれた、およそ20年前の代表的なヒットチューン。シンプルなアカペラで構成された「ひとり」、ロマンチックなAORテイストの「ミモザ」、そしてゆったり心地よくスウィングする「約束の季節」。美しいノスタルジーにひたりながら聴いているうちに、時間はさらにさかのぼり、村上と黒沢 薫のMCが、ドラマのナレーションのようにゴスペラーズが始まった頃の青春の風景を描き出す。

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「歌ってみようか。懐かしいあの頃に戻って――」

 曲は「マジックナンバー」。安岡 優がリードを取る5人のハーモニーがみずみずしく響く、ミュージカル的な楽しさと躍動感をたたえた楽しい曲だ。5人全員のソロをフィーチャーした「風が聴こえる」は、アップテンポで明るく楽しくにぎやかに。オーディエンスのクラップに支えられた、会場全体の一体感が素晴らしい。そして安岡と北山陽一のダブルリードでじっくり聴かせるバラード「五時までに」は、かつて郷ひろみに提供した楽曲のセルフカバーだ。安岡らしいドラマ性のある歌詩のストーリーが、映像をともなって目の前に浮かんでくる。シンプルな歌の力だけで感情と映像を鮮やかに喚起する、これがゴスペラーズのボーカルパフォーマンス。

 「五時までに」が収録されたニューアルバム『The Gospellers Works 2』は、過去に提供した楽曲のセルフカバー集。その中から披露された「Keep It Goin’ On feat. Penthouse」(三浦大知)は、新進気鋭のシティソウルバンド、Penthouseをフィーチャーした1曲だが、23日の公演ではそのPenthouseからボーカルの浪岡真太郎と大島真帆が特別ゲストとして登場。7人のボーカルバトルが楽しめる嬉しいサプライズに、オーディエンスも大興奮だった。さらに『The Gospellers Works 2』の中から、明るくはずむモータウンポップ調の「DONUTS」(テゴマス)で5人揃っての可愛らしい振付を披露して、盛り上がり切ったところで第一部は終了。ここまでおよそ1時間。中身は濃いが、時間が経つのがとても早い。

 第一部はパステルカラーの爽やかな衣装だったが、第二部からはグレーと黒のダブルスーツで決めて再開。まずは「ラヴ・ノーツ」、そして「永遠(とわ)に」とスケールの大きなミドルバラードを2曲続けて披露し、ムーディーな世界観へとオーディエンスを誘う。エモーションたっぷりの「永遠(とわ)に」を歌い終えたあと、バックバンドのメンバーがまるでファンのように笑顔で拍手を送っているのが微笑ましい。バンドメンバーさえも感動させる、5人の歌にはここにしかない特別なマジックがある。

 ここからは、安岡がリードする軽快なトークコーナー。話題はPenthouseのこと、ロビーでの衣装展示、テレビ出演、「360 Reality Audio」のミュージックビデオ制作、そしてアニメ『アカペラ侍~ハモリ隊は江戸を救う!~』(FOD、TVer)への声優参加、黒沢のバラエティ出演、等々。どこまで話しても話題が尽きないゴスペラーズの最新ニュースを、安岡の「明らかにしゃべりすぎております(笑)」というひとことで強制終了させて再び演奏へ。それぞれのキャラクターの面白さを歌でもトークでも表現する、ゴスペラーズのライブはどの瞬間を取っても華がある。そしてアコースティックギターの涼やかな響きと絶品ハーモニーが溶け合う「風をつかまえて」、サックスが大活躍するR&Bチューン「Right on, Babe」から、超絶早口のいろは歌を盛り込んだジャジーなアップテンポの「いろは 2010」へ。ライブはいよいよ中盤を超えて終盤だ。

「ここからはもっと盛り上がっていきましょう。灼熱の後半戦!」

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