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『ポケモン』と『エルデンリング』はどう違う?RPGとレベルについて考える

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『ポケモン』と『エルデンリング』はどう違う?RPGとレベルについて考える

先日、「はてな匿名ダイアリー」の「レベルという概念のあるゲームが完全に時間の無駄に思えてきた」というエントリーが話題となりました。レベルの概念があるゲームは、攻略が結局レベル上げに収束してしまい、プレイヤーが攻略する楽しみが損なわれるという内容で、この投稿をきっかけに、SNSなどで多くのゲームプレイヤーから、レベルについての意見が寄せられました。

しかし、一口にレベルと言っても様々な形があります。またそれらは、「はてな匿名ダイアリー」の投稿者が提示した疑問に近いものをゲーム開発者も持っていて、解消を試みた片鱗であるとも言えます。今回はいくつかのゲームを例に出しながら、レベルとゲーム性の関係について考えてみたいと思います。

■レベルを上げれば敵を倒せる『ドラゴンクエスト』シリーズ
レベルを上げれば敵を倒せるゲームとして誰もが思い浮かべるのは『ドラゴンクエスト』シリーズではないでしょうか。特に、初代『ドラゴンクエスト』、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』までは、成長に対してプレイヤーが介入する要素はほぼ無く、レベルを上げるのみでした。

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』では職業と転職のシステムが搭載、以降も様々なシステムでプレイヤーによる采配の余地は増えているものの、基本的にはレベルを上げればキャラクターが強くなってゲームを進めることができるという部分は大きく変わりません。冒頭で紹介したエントリーのように、それを退屈に感じるプレイヤーもいたかもしれません。しかし、『ドラゴンクエスト』シリーズのように、普段それほどたくさんのゲームを遊んでいない人でも遊ぶタイトルとなれば、レベルを上げれば強くなってゲームを進められるという、誰にでも分かりやすいゲーム性は、安心感として機能していたと思います。

■自分でステータスを割り振るビルド型『エルデンリング』
レベルが上がることでポイントを獲得し、ステータスやスキルなどに割り振るタイプのゲームもあります。これを便宜的に「ビルド型」と呼びます。ビルド型の面白いところはプレイヤーが自由にキャラクターを育てられる点にありますが、プレイヤーの裁量を大きくすればするほど、育成の指針をめぐってゲーム攻略は難解になりがちです。

記憶に新しいところでは、バンダイナムコエンターテインメント、フロム・ソフトウェア共同開発のアクションRPG『エルデンリング』がまさしくビルド型の育成を採用したゲームと言えます。『エルデンリング』はレベルが1つあがるごとに、好きなステータスに1ポイントを割り振ることができ、非常に自由度の高い育成が楽しめます。

プレイヤーの目指すスタイルや、アクションの腕などにあわせて育成ができる一方、的確な育成方針を見つけること自体が攻略要素でもあり、初心者はなかなか決められません。ビルドを自分では決めきれず、インターネットなどで得た情報をもとに育成したプレイヤーも多かったのではないでしょうか。

しかし育成方針を他から得た場合においても、目標を立てて育てていく過程は非常に面白く、ビルド型にしか味わえない達成感があります。

■能力を自在に付け替えることのできるカスタマイズ型『ポケットモンスター』シリーズ
プレイヤーキャラクターの成長という面から見てみると『ポケットモンスター』シリーズは非常に面白い作品です。主人公のポケモントレーナーに経験値で成長するレベルは存在せず、仲間にしたポケモンのレベルが上がります。

ポケモンのレベルを上げることで、ある程度力押しの攻略も可能ですが、ポケモンやポケモンが使うわざには十数種類ものタイプがあり、例えばほのおタイプのポケモンにみずタイプのわざを使うとダメージが大きく上昇、ひこうタイプ相手にじめんタイプのわざが効かないなど、それぞれの相性が強烈に設定されています。

このため、プレイヤーは敵に対して相性のいいポケモンを捕まえて編成することが攻略の基本となります。パーティーのポケモンをプレイヤーの戦力として考えた場合、様々なポケモンをとっかえひっかえすることでプレイヤーの戦力をカスタマイズすることが可能であり、ポケモンを育てることで各能力を育てることができる、と言えます。

ポケモンは冒険中に各地で捕獲が可能であり、ストーリー攻略に必要なポケモンはいつでも捕まえに行くことができます。ビルド型と比べて、プレイヤーは遠大な方針を掲げなくてもその都度能力を選択することができるので遊びやすくなります。

■自分のレベルが上がると敵も強くなる『ファイナルファンタジー VIII』
最後に、少し特殊な例として『ファイナルファンタジー VIII』をご紹介して終わりたいと思います。『ファイナルファンタジー VIII』は、プレイヤーキャラクターのレベルを上げると敵のレベルも上がってしまう、というゲーム。ですから、相対的にはレベルを上げても戦力があまり変わりません。では、どうやって強くなるのでしょう?同作はジャンクションという、ガーディアン・フォース(『ファイナルファンタジー』シリーズの他作品における召喚獣)や魔法を装備する大変独特なシステムを搭載しており、これによってレベルを上げずともキャラクターを強化することができました。

『ファイナルファンタジー VIII』ではいわゆる“MP”を消費して魔法を使うのではなく、例えば、サンダーなら、サンダーの魔法を集めて、集めた分だけ使えたり、装備したりできます。サンダーを10個集めて10個装備するもよし、戦闘で攻撃魔法としても使えるけど、1個使えば装備できるサンダーは9個になって少し弱くなってしまう、という具合です。魔法は敵から手に入れたり、アイテムから精製することができ、いかにして魔法を集めてキャラクターを強化するかは攻略の重要なポイントの1つでした。

個人的な感想を言えば大変に面白いシステムでしたが、『ファイナルファンタジー』シリーズは、『ドラゴンクエスト』シリーズと同じように、普段それほど色んなゲームを遊ばない人でもプレイするようなタイトルです。筆者の身近な人の中にも、あまりに独特な仕組みについていけずに途中で投げ出してしまう人がいました。

今思えば、『ファイナルファンタジー VIII』はレベルというものに疑問を抱き、別の形を模索して挑んだ作品のように感じられます。ゲームは娯楽ですから、安心して遊べることは大事ですが、飽きられてしまってもいけないという、とても難しいバランスにあります。その上で、常にいろんな作品が今までにない面白い体験を目指して挑戦しています。「誰かがレベルなんてもういらない!」と叫び、話題を呼び、様々な意見が出てくることは、次の新しい形のゲームを作るきっかけになるかもしれませんね。


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