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黒いノースリーブから見える二の腕にクラり…。2度目のデートで我慢できなかった男は、思わず…

東京カレンダー

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:結婚願望の強い30歳の女。だけど今の彼氏と結婚できないのにはワケがあって…



「ヒロ君。やっぱり付き合うっていう話、ナシにしてほしい」

交際して1ヶ月になる香奈から突然こう言われ、僕は持っていたカップを落としそうになってしまった。

「え……?」
「ごめんね。もう決めたことだから」

香奈とは、出会ってすぐに交際することになった。可愛くて綺麗な彼女に、僕は一目惚れしてしまったのだ。

だから交際を申し込んだときにOKをもらえたのが本当に嬉しかったのに、アッサリと1ヶ月で振られかけている。

「なんで?まだ1ヶ月だよ?もう少し様子みてもいいじゃん」
「いや、ごめん。色々と考えてみたんだけど…やっぱり無理なんだ」

それだけ言うと伝票をつかんでレジへ直行し、さっさとその場を去ってしまった香奈。

果たして、僕の何が悪かったのだろうか…。


Q1:女が交際の申し込みにYESと言った理由は?


香奈と出会ったのは、友達のホムパだった。男女3名ずつの会で、最初は一番遠いところに座っていた香奈。

ただ少し盛り上がってきたタイミングで自然とみんながバラけ始めたので、さりげなく香奈の隣へ座ってみる。

「香奈ちゃん、だよね。楽しんでる?」
「はい。弘行さんは飲んでいないんですか?」
「今日仕事がギリギリだったから、車なんだよね」
「そうなんですね。残念」

シャンパンを飲みながらこちらをじっと見てくる香奈。純粋に、可愛かった。

「香奈ちゃん、お水いる?」
「欲しいです!ありがとうございます…って、家主みたいですね(笑)」

幹事とは仲が良く、よくホムパを開催していた。だから家の勝手はわかっている。

「よく来るからね(笑)。香奈ちゃん良ければ、今度2人でご飯でも行かない?」

出会ったばかりだけど、思わずそう誘ってしまった。すると香奈は首を縦に振ってくれたので、僕たちはすぐにデートをすることになった。

初デートは、気になっていた『ta.bacco』を予約してみた。



「このお店、来たことあった?『リ・カーリカ』と同じ系列なんだけど、美味しいって評判で。来てみたかったんだよね」
「そうなんですね!実は私も気になってブックマークしていたお店だったんです…!嬉しいな♡」
「じゃあとりあえず、乾杯しようか」

こうして、僕たちはPの字型のカウンター席で乾杯をする。店へやって来た香奈は黒のノースリーブのワンピースで、前回よりグッと大人っぽく見える。

「香奈ちゃん何歳だっけ?」
「今年で33歳になります」
「そうなんだ。同い年じゃん!敬語はナシにしよ」
「そうなの!?じゃあ敬語はナシで。弘行くんってどこに住んでいるの?」
「僕は今中目黒だよ。香奈ちゃんは?」
「恵比寿だよ」
「近いね!たくさん一緒に遊べるね」

同じ歳ということも判明したうえ、家も近い。共通項が多くて、美味しい料理を食べながら会話も盛り上がった。



「あ〜美味しかった!この後どうする?まだ全然飲めるから、もう1軒行く?」
「弘行くんごめん!まだもう少し一緒にいたいんだけど、明日朝が早くて…」

もう1軒行くテンションだったので、香奈から断られて正直ガッカリした。けれどもここで、無理矢理連れて行くのは違う。

「じゃあ仕方ないね。でももし良ければなんだけど…また誘ってもいいかな?」
「もちろん!」

本当はここで解散してもよかったのかもしれない。けれども僕は、香奈に想いを伝えたい衝動に駆られてしまった。

「香奈ちゃん。まだ会って2度目なんだけど…。僕、真剣に香奈ちゃんのことが好きで。もし良ければ、付き合ってくれないかな」
「え!?」

会って間もないし、驚くのも無理はないだろう。けれども時間は関係ない。

この先も香奈といたいと思ったので、素直にストレートに気持ちを伝えた。それが功を奏したのか、香奈は笑顔でこう答えてくれた。

「私で良ければ」


Q2:女が男を“無理”と判断した理由は?


こうして交際が始まった僕たち。久しぶりにできた彼女にテンションが上がった僕は、舞い上がっていた。

そして交際して2週目。先週末は1軒目からご飯へ行けたけれど、今週は僕の会食が詰まっていたので、この日は2軒目から香奈と合流することになった。

「香奈と飲むのは楽しいなぁ。会いたかったよ〜」

会えると嬉しくて、つい顔がほころんでしまう。

「ヒロ君、飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
「大丈夫だよ。ほら、香奈も飲んで」
「今日は、私はもういいや。酔っ払っちゃったし」
「え〜そんなツマンナイ女だったっけ?ほら、飲んで」

一緒に飲むと楽しくて、つい盛り上がってしまう。それに酔うと、2人の距離が近くなる。

「香奈、早く飲んで家に行かない?」

香奈の腰に手を回しながら耐えきれずにそう言うと、香奈も色っぽい視線を向けてくる。

「ヒロ君、ここ外だからね?今夜はどっちの家に行く?」
「今日は俺の家でいいんじゃない?」
「OK。早く移動しよう」

はたから見てもかなり仲が良く、“熱い”関係だった。



それに自分で言うのもなんだが、僕はかなりの“優良物件”だったと思う。

33歳で経営者。見た目もそこまで悪くないし、彼女はちゃんと大切にする。食事へ行ったら全額支払うし、負担になるようなことはしない。

「香奈、このシャンパンでいい?」
「そんな高いの、いいの?」
「もちろん。ボトル入れよう。好きなの食べていいよ」
「ヒロ君って本当に優しいね。ありがとう」

贅沢な経験もさせてあげていたし、悪い思いは絶対にしていないはずだ。



それに家飲みもしていたけれど、とにかく仲が良かった僕たち。いろんな相性も良かった。

「香奈って本当にいい女だよね。お前みたいな綺麗な子が、俺の彼女でいるって最高に幸せだわ」

ベッドに寝転びながら、そう香奈に告げると喜んでいた。

「どうしたの突然。ヒロ君もね」
「香奈が僕の子どもを産んでくれたら嬉しいなー」
「え、結婚願望あるの?」
「あるよ!!」

香奈と出会うまで結婚願望はなかったけれど、彼女とだったらいいかなと思い始めている。

「香奈とだったら結婚もしたいなと思ってるよ」
「そうなの…!!」

あの時、香奈は驚くと同時にとても嬉しそうな顔をしていた。

それなのに、この数日後に僕は振られてしまった。

― 急ぎすぎたのがダメだったのかな…。

交際までいけたのに、どうして香奈は僕にNGを出したのだろうか。


▶前回:結婚願望の強い30歳の女。だけど今の彼氏と結婚できないのにはワケがあって…

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

▶NEXT:8月7日 日曜更新予定
女が1ヶ月で男を見切った理由は?


 
   

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