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彼が本妻と出会う前から付き合ってます!10年越しの不倫女の激白

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彼が本妻と出会う前から付き合ってます!10年越しの不倫女の激白

結婚したら、“夫以外の人”に一生ときめいちゃいけないの?

優しい夫と、何不自由ない暮らしを手に入れて、“良き妻”でいようと心がけてきた。

それなのに・・・。

私は一体いつから、“妻であること”に息苦しさを感じるようになったんだろう。

◆これまでのあらすじ

夫にこれまでため込んでいたことをぶつけた麻由。反省した夫は浮気をやめ、一方で麻由も、カフェ定員・圭吾と連絡を取り合うことをやめた。そんなある日、朝からインターホンが鳴り…。

▶前回:夫不在の夜、こっそり男と電話していた女。突然、全てを盗み聞きしていた夫が現れ…



突然の来訪


平日の朝8時前。

インターホンが鳴り、私はモニターを覗き込むと、小綺麗な身なりをした女性が立っている。

首をかしげながら通話ボタンを押すと、私が話すより先に、彼女が口を開いた。

「おはようございます。麻由さん、でしょうか?」

「はい…そうですが?どなたでしょうか?」

「私、あなたの旦那さんとお付き合いしています、佑里香といいます」

あまりの突然のことに、私は呆然とする。

― 何か言わなきゃ。

しかし、頭が真っ白で言葉が浮かばない。

そうしているうちに、女性は淡々と話し続ける。

「浩平さんとのことで、お話があってまいりました。この時間なら、麻由さんが確実に、おひとりで家にいらっしゃるのかな、と思って。差し支えなければ、お話しできますでしょうか」

「…私、これから出社なんですが」

本当はお休みを取っているけれど、彼女のペースにのまれたくなくて、あえて嘘をついた。

しかし、彼女は薄笑いを浮かべながら言う。

「いいえ。麻由さんは今日、お休みです。あなたはお勤め先でBCP要員になっていますよね。半年に1度、日曜に出社して訓練を受けている。その振替休日を、必ず翌週の水曜日に取っている」

「…」

「以前に、浩平さんから聞きました」

夫にしか話していないことを、さらさらと説明する彼女。

戸惑いや驚き以上に、強い不快感が胸に湧き上がるのを感じた。


しばらく沈黙が続いたあと、彼女がまた口を開く。

「すみません。突然家に押しかけられたら、驚きますよね。私、しばらく駅前のカフェにいます。もし気が向いたらお越しください」

一方的な言葉の後、モニターの映像は切れた。



― なに、今の。

通話が切れた瞬間、私はその場にへなへなと座り込む。

― 浩平が、まだあの人と会ってるってこと?でも最近は、そんな様子もなかったし…。

この2ヶ月、夫は人が変わったように、清く正しく生きているように見えていた。

残業で遅くなる日以外はまっすぐ家に帰ってくるし、土日もほとんど出歩くことはない。家事にも協力的だし、私との会話も以前より増えた。

― じゃあ、浩平に切られた腹いせに、私のところへ来たってことなのかな。

直接家に押しかけられて、恐怖を感じている自分がいる。

でも…。一方で、今の佑里香という女性に、浩平のことを色々聞いてみたい気持ちもあった。

いつから関係を持っていたのか。

私にどんな不満を感じていたのか。

どうして私のもとへ戻ってきたのか。

つい2ヶ月前まで、浩平は当たり前のように毎週家を空け、平日もほとんど帰って来ずに、やりたい放題の状態だった。

私が不満をぶつけた日を境に、浩平はきっぱりと行いを改めたが、彼が浮気に走った経緯については、詳しく聞くことができていない。

― なんか、浩平があまりに綺麗に変わっちゃったから、今さら聞きづらいいし…。

しかしそのせいなのか、まだいまいち彼を信用しきれていないのも事実。

私は意を決して、佑里香の待つカフェに向かうことにした。



「お越しくださりありがとうございます」

9時過ぎ。

駅前のカフェに着くと、人もまばらな店内の一番奥の席で、佑里香はコーヒーを飲んでいた。

近づいてきた店員に同じものを注文して、私は彼女に向き直る。

正面から見ると、佑里香は不思議な空気感の女性だった。

目じりの皺などから察するに、年齢は40代前半といったところだろうか。

小さな目に、同じく小さな鼻と口。顔のパーツは目立たず、ハッとするほどの美人というわけではないが、配置が整っているからか、上品な印象をうける。

清潔感のある薄手の白いシャツを身に着けていて、耳元には、TASAKIのbalanceが輝いていた。

「突然家まで押しかけてしまってすみません。非常識だとは思いつつも、どうしてもあなたと話がしたくて。2ヶ月前に、浩平さんから『妻にバレたから別れてほしい』と言われてから、彼とも音信不通ですし」

「…」

私は硬い表情を崩さず、佑里香の話に耳を傾けるが、内心少し安心していた。

― 浩平、『浮気相手とはもう会わない』って言ってたけど、ウソじゃなかったんだ。

しかし…。

佑里香は私の心を見透かすように、口の端を持ち上げて微笑む。

「麻由さん。今、安心したでしょう?『浩平は浮気相手とちゃんと別れてたんだ』って確認できて、ホッとしましたよね。

でもね…。あなたに教えてあげたいことがあるの。

私、あなたが浩平に出会う前、彼と6年もお付き合いしていたんです」

頬に手を当てて、「うふふ」と微笑む佑里香。

優雅な素振りとは裏腹に告げられた衝撃の事実に、私は絶句した。


「4年ほど前ね、『別れてほしい』って浩平から言われたのは」

コーヒーにミルクを注ぎ、マドラーでくるくるとかき混ぜながら、歌うように佑里香はつぶやく。

いつのまにか呼び方が「浩平さん」から「浩平」に変わっているが、やけに自然な響きに聞こえた。

「私、今42歳なの。浩平とは仕事の関係で知り合ってね。32歳から6年間、彼と付き合ってたわ。

別れた時、私は38歳で彼は33歳。『結婚したいと思える子に出会った』なんていうから、笑っちゃったわよね。

当時、彼とは結婚の約束こそしていなかったけれど、同棲までしていたのに。でも、心が決まった彼の行動は早くて、あっという間に家を出て行ってしまった」



佑里香は一度言葉を切り、遠くを見つめた。

― 出会った時、てっきり勝手にフリーだと思っていたけれど。まさか、同棲している彼女がいたなんて…。

複雑な思いで、佑里香の話に耳を傾ける。

「でも、2年くらい前かな…浩平に、また会うことがあったの。当時、私は別の会社に転職していたのだけど、その転職先でまた、浩平とお仕事することがあってね」

瞬間、チクリと胸が痛む。

ちょうど新婚期間が終わって、なんとなく関係がマンネリし始めた時だ。

「浩平、言ってたわよ。『妻は色々と甲斐甲斐しくやってくれるけど、正直言って疲れる。だから、癒しを求めて君に会いたくなるんだ』って」

心無い言葉に、耳を覆いたくなる。

夫から直接聞いた言葉ではないのだから、真に受ける必要はない――頭ではそう思うのに、心はしっかりとえぐられている。

なぜならあの時、ゆっくりと…だが確実に、浩平の私に対する関心が失われていったのを覚えているからだ。

「再会をキッカケに、時々会うようになったの。私は、まだ彼のことがなんとなく忘れられなくて…少しずつ、会う頻度が上がっていった。特に最近は、『妻とはレスだから』って言って、私の家に入り浸るような状態だったわ」

「…そうですね、佑里香さんの家が居心地が良すぎたからか、うちにほとんど帰ってこなくなりましたよ」

私はたまらず、嫌味をこめて言い返す。

夫の浮気に心を痛めていた日々の記憶が胸の奥に蘇り、胸がつぶれるように痛んだ。

「でしょうね。でもしばらくしたら、『妻にバレたから』って、彼はまたいなくなってしまったの。あんなにあなたの悪口を言っていたくせにね。私はまた、あっさりと捨てられたってわけ」

佑里香は「うふふ」と楽しそうに微笑む。



話しの内容にそぐわないそのしぐさが、なんだか気味悪くて、私は何も言い返す気になれない。

「でね…今日、あなたのところに伺った理由なのだけど」

「ええ」

声だけで相づちを打つ。浩平と彼女の関係性は理解したが、先ほどから、一体なぜこの女性が私のもとへやって来たのかが気になっていた。

すると突然、佑里香はグッと身を乗り出してきた。

真っ白い顔が急にパーソナルスペースに入ってきて、私は思わず体をのけぞらせる。

「今の話を聞いて、浩平のこと、最低のクズ男だと思ったでしょう?

今は一時的に、あなたのもとへ戻っているけれど、きっとまたすぐに、ウソをついて遊び歩くようになるでしょうね。勝手ながら、あなたの手に負える男ではないと思うのよ。

だから――浩平を私に譲っていただきたいの」

丁寧な口調とは対照的に、佑里香は射貫くような、鋭い眼差しで私を見据える。

「これは、あなたのためを思っての提案でもあるの。

あなたは、まだ32歳。42歳の私には、もう浩平しかいないけれど、あなたはその年齢なら、いくらでもやり直しがきく。

もちろん、慰謝料だってちゃんとお支払いさせていただくから、よく考えていただけたらうれしいわ」

一方的にそう告げると、佑里香はテーブルにお金と連絡先の書かれたメモを置いて、去っていく。

― なによ、それ…。

あまりの出来事に、私はただただ呆然と、その紙きれを見つめ続けていた。


▶前回:夫不在の夜、こっそり男と電話していた女。突然、全てを盗み聞きしていた夫が現れ…

▶1話目はこちら:結婚3年目の三鷹在住32歳女が、夫に秘密で通う“ある場所”とは

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衝撃的な提案を受けた麻由。思わず相談した相手は…


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