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コンセプトは“JRPGからの脱却”? 『ポケモン スカーレット・バイオレット』新情報から見えてきたもの

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〈クリアによって消費される作品から、長く遊び続けてもらえる作品へ〉

 “JRPGからの脱却”と考えられる要素は、オープンワールド化だけにとどまらない。ユニオンサークルというシステムを通じておこわれるオンラインマルチプレイもそのうちのひとつだ。

 広大な自然のなかを各プレイヤーそれぞれにキャラを操作しながら駆け回れる仕様は、MORPGにも通ずるもの。楽しみ方のひとつに「フレンドとの交流」をくわえることで、いわゆるところのJRPGにはない遊び方をプレイヤーに提示している。

 JRPGというジャンルにおいては、「レベルアップによって強くなり、最終的にボスを倒す」という画一的な目標に縛られるケースが多かった。時間だけでなく、場所も共有する『ポケモンSV』のオンラインマルチプレイは、(JRPGの代名詞としての)過去のシリーズ作品にはない面白さを同タイトルにもたらしてくれるはずだ。

 また、近年のシリーズ作品では定番の遊び方となったオンライン対戦も、「テラスタル」の実装により深みを増すだろう。先述したとおり、同システム下においては本来のそれとは別のタイプに変化するポケモン・個体が存在する。つまり、テラスタルによって弱点が変化するポケモン・個体が存在するというわけだ。

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 これにより、パーティー構成に対する考え方はより複雑なものとなっていく。オンライン対戦における競技性を過去作品以上に強めているのが『ポケモンSV』なのだ。だからこそ、RPGとしてのゲーム性に対する比重は、さらに小さくなっていくと考えられる。前作『ポケモン剣盾』がそうであったように、『ポケモン』シリーズはもはやRPGではなく、対戦ジャンルのひとつなのである。その裏には、「クリアによって消費されるRPGから、長く遊び続けてもらえるRPGへ」というテーマも感じる。“JRPGからの脱却”は、そのための必須課題であったのかもしれない。

 このほかにも、協力要素の「テラレイドバトル」では、味方の行動を待たず、攻撃・回復が可能だという。これは「ターン制」の撤廃にほかならない。

 前作から3年ぶりのナンバリング最新作『ポケモンSV』。その開発背景には間違いなく、“JRPGからの脱却”という指針が存在している。発売まで残り3か月半。進化を止めない国産RPGの金字塔は、さらなる良質な体験をファンに提供してくれるはずだ。(結木千尋)

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