top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

『あつい胸さわぎ』対談~舞台と映画で競演。舞台・横山拓也(作・演出)× 映画・まつむらしんご(監督)

SPICE



繊細に揺れ動く心模様を精緻な言葉で紡ぐ劇作・演出家の横山拓也の実力を一気に演劇界に知らしめたiaku『あつい胸さわぎ』の待望の再演が2022年8月4日より下北沢ザ・スズナリで上演中だ(8月14日まで。その後、8月18日〜8月22日に大阪インディペンデントシアター2ndでも上演)。2019年に初演された本作は、一つの出会いをもたらした。人生の中でぶつかる大きな壁にあらがい、もがきながら必死に生きる人間の姿を愛しくも、ユーモラスに描く気鋭の映画監督まつむらしんごだ。『あつい胸さわぎ』に一目惚れしたまつむらは、これを映画化し、2023年初めに全国ロードショー公開する予定でいる。同世代の二人が語る『あつい胸さわぎ』とは――。

『あつい胸さわぎ』初演より 撮影:木村洋一



 

――まつむらさんは本当に途切れることなく映画を撮られている、これはすごいことですよね。

まつむら いえいえ、必死です。それこそ次回作まで空いてしまうと映画を撮れるチャンスすらなくなってしまうし、一つの映画が次の映画をつくるきっかけを与えてくれることもあるので、ソースを継ぎ足すかのように、とにかくつくり続けることを心がけています。特に『あつい胸さわぎ』は僕自身もプロデューサーの一人として、映画をつくるためのすべての業務にかかわっています。こんなことは初めての経験です。動き始めた時期がコロナ禍ということもあって、企画を進めるのは本当に大変でした。ただ、どうしても映画化したかったし、誰かに任せてしまうときっと成立する可能性が低くなってしまう気がして、だったらもっとも熱量を持っている自分が率先して動いて、想いを伝えていくことで企画を成立させるしかないと思ったんです。

――『あつい胸さわぎ』との出会いについて教えてください。

広告の後にも続きます

まつむら 僕は演劇が大好きでいろいろなものを見ています。でも失礼ながらiakuさんとはご縁がなかったのですが、友人がTwitterでとても素晴らしかったとつぶやいていて。その友人とはいつか一緒に映画をつくろうという話を数日前にしたばかりだったので、彼の好みも知りたいという動機から見てみようと思ったわけです。2019年のこまばアゴラ劇場での初演を拝見し、もう帰り道、井の頭線に揺られながら絶対に映画化しようと決意しました。

まつむらしんご


――映画はどんなスケジュールで制作されたのでしょう。

まつむら まず初演の大阪公演が終わるのを待って横山さんに最初のメールを入れたと思います。2019年10月あたりでした。そこから劇団俳優座さんでの公演がすぐにあったので、横山さんがトークショーに参加される日に僕も観劇して、出待ちしてまずはご挨拶させていただきました。『あつい胸さわぎ』の映画化についてちゃんとお会いしてお話しできたのは、2020年2月ぐらいだったと思います。許諾はいただけたので、その段階で私の方で脚本家、髙橋泉さん(映画「凶悪」「東京リベンジャーズ」「朝が来る」ほか)にどうしても書いてもらいたいという思いがありましたから、2020年3月に彼にお願いをしに伺って、初稿が上がったのが2020年9月。そこからようやく本格的に映画のいろいろが動き出しました。

――横山さん、『あつい胸さわぎ』の戯曲を拝見したときに、なぜこんなにも女性の描き方が繊細でうまいんだろうという印象を受けました。

横山 なぜでしょうね。僕自身あくまでも人の葛藤とか、思わぬものに出会ったときの振舞いとか、そういうことに注目して普段から作家としてのアンテナを張り巡らせて観察しているということはありますけど、それがたまたま女性を主人公にしたときにもうまくはまったのかなという感じです。

  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(エンタメ)

ジャンル