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止められない感染爆発~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』

週刊実話WEB

森永卓郎 (C)週刊実話Web

7月27日の新型コロナ感染者数が20万9694人となり、過去最多を更新した。現在、日本の1日当たりの感染者数は世界最多となっていて、アメリカの9倍近い。また、医療従事者の人員不足で、急患を受け入れられない病院が増えてきており、日本は医療崩壊寸前の状態に陥っている。

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経済への影響も深刻化している。岸田政権のコロナ対策の失敗は、過去最悪の被害をもたらしているが、これだけひどい状況でも政府は緊急事態宣言を発出していない。それならPCR検査の拡充と4回目のワクチン接種を進めるべきだが、政府はこれまでの高齢者と基礎疾患のある者という4回目の接種対象者に、医療従事者などを加えただけで、一般国民への接種拡大を否定している。

主流となったBA.5株に対して、ワクチンは重症化予防効果を持つものの、感染予防効果はないというのが、政府が4回目接種を広げない理由だ。しかし、本当に効果がないのか。最近の感染者の年齢別内訳を見ると、3回目のワクチン接種率の低い若年層の感染割合が圧倒的に高い。おそらく感染予防効果がないのではなく、効果が小さくなっているだけではないか。

実際、ハーバード大学の研究では、BA.5株に対するワクチンの効果は、BA.1株の3分の1ほどだという。ただ、ワクチンを接種した直後は、感染予防に必要な抗体量の数倍も中和抗体が形成される。だから、少なくとも接種してから最初のうちは、感染予防効果があるはずなのだ。

私は、この考えを複数の医師に確認したが、彼らの答えは「厳密なことは言えないが、2カ月くらいはワクチンの効果があるのではないか」ということだった。

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そうであれば、4回目接種を一般国民にも広げて当面をしのぎ、10月にもリリースされるといわれるオミクロン株対応のワクチンにつなげればよい。なぜ、そうしないのか。

経済と人の命どちらもは救えない

私の見立ては、国民全員に4回目の接種を行うワクチンも、オミクロン株対応のワクチンも、政府がまったく確保できていないということだ。PCR検査キットでさえ十分に確保できていない現状を踏まえれば、あり得ない話ではない。そうだとすると、感染爆発を止めるために残された手段は、全国一斉の短期間のロックダウンしかなくなる。ただ、それをできるほどのリーダーシップが、岸田文雄総理にあるのか。

結局、政府は緊急事態宣言に打って出て、国民に自粛を呼びかけるくらいしか方法がなくなる。ただ、宣言を出しても出さなくても、最終のゴールは国民の7割程度が感染して、集団免疫が達成されることだろう。

しかし、そこまでには大変な犠牲が生まれる。1つは人命だ。死亡率が低いといわれたオミクロン株の感染第6波でも、1万2000人以上の死亡者が出ている。第7波では、それ以上の死者数が出るだろう。

もう1つは、経済への深刻な影響だ。いくら死亡率が低いとはいえ、一度感染したことが分かれば、少なくとも10日間の自宅療養が求められる。これは労働力の4%が失われる勘定だ。そんなことで経済が成長できると思うこと自体に、そもそも無理があるのだ。

さらに、世界経済はバブルが崩壊する瀬戸際にある。コロナとバブル崩壊が重なれば、今年度中に恐慌突入という悲劇が待ち受けているかもしれない。

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